古都探索日記

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メンデルスゾーンの宗教音楽 Ⅱ-1 オルガンソナタを中心に

2024-07-05 08:28:18 | 音楽
 7月3日、朝日カルチャーセンターにて受講。講師は吉田文先生。 画像はテキストの一頁目。受講内容を要約。

 本題に入る前、先生はキリスト教音楽の分類について述べられた。ミサ曲:典礼で使われる音楽 教会音楽:教会内で演奏される他の曲、モテットや受難曲など 宗教音楽:さらにジャンルが広く、教会の外でも演奏される。

 1 バッハ以降、パイプオルガン作品は少なくなり、演奏される機会も少なくなった。例えば、ハイドンやモーツアルトにはオルガン作品はほとんど無い。

 2 オルガン奏者としてのメンデルスゾーン
 1820年、アウグスト・ヴィルヘルム・バッハ(バッハ家とは無関係)より11歳でオルガンのレッスンを受ける。
 1829年、初めてイギリスを訪れた、セントポール大聖堂で演奏する機会を得る。
 1832年、2度目の訪問の時はセントポール大聖堂のほかでも演奏するがセントポール大聖堂以外イギリスにはバッハの作品を演奏するにはペダルが完全なオルガンは無かった。
 1837年、再びセントポール大聖堂でバッハ作品を演奏、大賞賛される。
 1842年、ヴィクトリア女王と夫君の臨席のもとでのコンサート。このようにイギリスでの演奏が多かった。

 1840年、8月6日、ライプツィヒのバッハ記念碑を記念しての聖トマス教会でのコンサートは大成功。パッハカリアBWV582、トッカータニ短調BWV565などを演奏。余談として聖トマス教会のオルガンのメーカーは名古屋の五反城教会のと同じ。

 3 メンデルスゾーンのオルガン作品
 1833-7年頃の中期の作品からオルガンソナタ2曲を視聴。
 1844年、イギリスの出版社から6曲のソナタとバッハのオルガン小本の出版を依頼された。旧作の24曲から組み合わせて6曲のソナタを完成、1845年9月15日、出版。
 6曲の中からコラール旋律を含む2曲を視聴。このようにしてメンデルスゾーンはオルガンソナタというジャンルを確立していった。出版以後、他の作曲家も創作しだした。

 キリスト教音楽が教会を離れ、コンサートホールなどで演奏されるようになったのもこの時代であり、その状況は今の日本に通じるものがある。

 メンデルスゾーンはマタイ受難曲だけではなく、バッハのオルガン作品の復活と保存にも大きな功績があったことが解りました。ありがとうございました。
 


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