古都探索日記

奈良や京都の散策日記

レクイエム その意味と歴史

2013-10-31 08:11:53 | 音楽
 10月30日、朝日カルチャーセンターにてこの講座に出席。講師はお馴染みの吉田文先生。12月にバッハコレギウムジャパンのモ-ツアルトのレクイエムが予定されておりその予備知識を得るのが目的。レクイエムについては丁度2年前の教会音楽フォーラムで講義の復習となるが忘れてしまったことも多い。

 レクイエムとは死者のためのミサを指し、葬式、追悼式そのものを意味する。広義にはそこで使われる音楽もふくまれる。鎮魂歌と訳すのは無理がある。「レクイエム」はミサが開始される時司祭たちが入場するときに演奏される入祭唱の最初の言葉であり永遠の安息と訳される。

 画像をクリックしてください。レクイエムの式次第(右頁)が拡大されます。赤印の部分が音楽に関わる部分。吉田先生はグレゴリオ聖歌を実例に用いてそれらを説明された。

 不可解なことはDies irae(続唱)の存在である。煉獄の思想である。天国に入るには一度地獄に堕ちてもがき苦しんで身を清めなければならないのである。死者に「永遠の安息を」と言いながら「これから辛い世界が待っているぞ」と脅かしているようだ。音楽も恐怖感に満ちたものが多い。キリスト教とはかくも厳しい教えなのかと思ってしまう。このへんのことを質問したいと思ったがケチをつけているような気がして遠慮した。

 ここでモーツアルトのレクイエムのDies iraeを紹介。左をクリックしてください。このような曲を自分の葬式に奏でて欲しくない。安らかに永遠の眠りにつけないのである。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パイプオルガン連弾コンサート

2013-10-28 18:14:42 | 音楽
 「名古屋オルガンの秋2013」の三回目は全曲珍しいパイプオルガン連弾によるもの。冒頭、連弾は16世紀の記録が残っており主に足鍵盤のないオルガンで3声以上の作品を演奏するのが目的だった。その後初めから連弾を目的とした作品や他の楽器の作品を編曲したものなどが現れた。などの説明が吉田文さんからあった。

 画像をクリックしたください。プログラムが拡大されます。1番目のSウェスリーと三番目のGメルケルの作品が連弾を目的としたものでバッハ作品のような厳粛な趣がありベートーベンとシューマンの小品は優しく愛らしい印象を受けた。最後のレーガーの作品は編曲ながらオリジナル作品のような厳しさがあった。年代順に緊張と緩和が交互に組み込まれた念の入った選曲であり、私では想像しえない豊富な知識と経験&卓越した技量が基礎になっていると思った。演奏は3番までが吉田文さんと徳子さん、残りは吉田文さんとマイヤー=フィービッヒさんの連弾。

 五反城教会のステンドグラスから西陽が差し込む厳かな雰囲気でのパイプオルガンの音色と音響効果はコンサートホールではありえない格別な味わいがあり、またバッハ以外にもパイプオルガン曲の傑作はあるのだということを再認識させられる内容だった。素晴らしい演奏ありがとうございました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バッハ・トリロジー 吉田 文 パイプオルガンリサイタル

2013-10-24 13:10:34 | 音楽
 昨日の夕刊記事の内容について少し詳細に説明。画像をクリックしてください。チラシが拡大され曲目を見ることができます。

 先ず初めに裏面に書かれた吉田先生のバッハへの想いをそのまま紹介します。

 『バッハという存在は、宇宙、即ちマクロコスモスのようなものではないかと考えている。 バッハという懐に抱かれてミクロコスモスとして生かされながら、バッハという壮大な宇宙のなかの星屑のひとかけらとして光ることができないかと常に探求し続けている。 宇宙がどのような形態であれ、過去に在り、現在、そして未来にも在るように、私にとってのバッハは時空を超越して存在するものであり、同時に一つ一つの音、和音、旋律、作品がそれぞれ欠けることのできない文字、ことば、節、篇として織り成す壮大な聖書のようなものである。   私がパイプオルガンという楽器に触れてから四半世紀が過ぎた。初のコンサートホールでのリサイタルからは20年。今、改めて、バッハに、パイプオルガンに、自分に向き合ってみたいと考えた。』

 大変謙虚であるが全世界のバッハ・ファンの想いを代表する言葉と思う。歌うことも演奏することもできない私は輝くこともできず、壮大なその宇宙の深遠な美しさに感動し畏れいるばかりである。

 コンサートはトリロジー(三部作)と銘打つとおり、第一章 バッハオリジナル作品:バッハがオルガン曲として作曲したもの  第二章 未完成作品と編曲:未完成作品をTh.マイヤー=フィービッヒ氏が補足した幻想曲とバッハのオルガン以外の超有名な曲を後世の作曲家がオルガン用に編曲した3作品  第三章 B-A-C-Hをモチーフにした作品:調性を表すB(変ロ)A(イ)C(ハ)H(ロ)をモチーフにした後世の作曲家の3作品 の三章に分かれている。

 第一章は幻想曲とフーガ(ト短調)BWV542の間にトリオBWV583(ニ短調)がはさまれ実質3つの楽章に編曲されている。コラール「愛する神にのみ」によるオルガン曲も3曲が選ばれている。3という数字はキリスト教において特別重い意味を持ちバッハも多くの作品で数字3にこだわっている。吉田先生もバッハと同様に数字3を重用されていると思う(これは私の勝手な想像です。間違いかもしれません)

 チラシをみただけで吉田先生のバッハ作品への憧憬と真摯な想いが伝わってくる。11月6日(水)の本番が待ち遠しい。

 ここで大フーガとよばれるBWV542のフーガをスウィングルシンガーズのジャズ・スキャットによる演奏を紹介。下をクリックしてください。

 スウィングルシンガーズの大フーガをきく。

 読者の方々へ。11月6日はぜひ芸文センターに来場して吉田先生のパイプオルガンによる演奏をお聴きください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中日新聞夕刊のコンサートのお知らせ

2013-10-23 09:02:43 | 音楽
 10月22日の中日新聞夕刊に吉田文さんのソロリサイタルのコンサート情報が掲載されました。画像をクリックしてください。記事を見ることができます。

 日時 11月6日 午後6:45

 場所 愛知県芸術劇場コンサートホール

 詳細については次の投稿にてお知らせします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フィナーレ

2013-10-17 16:44:03 | 音楽
 最後にいくらさんを中心に全員で この素晴らしい世界、上を向いて歩こう。

 What a wonderful world

 終わってみると大成功!!!  ステージ上のいくらさんに駆け寄り「おめでとう」とお祝いの言葉をかけずにはいられなかった。握手を交わした彼女の手は子供の手のように小さく華奢であった。

 記念すべき第一回のこの催しに立ち会えたことを幸運に思い、ミュージシャンやスタッフの皆さんへの感謝の気持ちで胸が一杯になり涙が出てくるほどに感動した。このイベントを通して名古屋のジャズが日本全国に知り渡ることを願い次回の成功を祈る。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする