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古都探索日記

奈良や京都の散策日記

K.マンスフィールドの小説と小津映画の共通店 私のすきなもの №2&3

2010-11-11 12:58:32 | My favorite things 私の好きなもの

 マンスフィールドの作品は視覚に訴えるのが一番の特徴といえる。読んでいると情景が眼に浮かんでくる。そしてそれは正に小津監督の映画作品に他ならない。二人の作品の共通点について私なりの考えを披露すると、

共通点 1 話の筋がない。

両作品とも極普通の人の日常がえがかれている。波乱万丈、どんでん返しなどとはほど遠い誰もが経験する日々の出来事がテーマになっている。

共通点 2 意識の流れ

話の本質は登場人物の「意識の流れ」もしくは「心の動き」である。日常のなかで次から次に起きてしまうことへの喜怒哀楽が繊細に表現されている。

共通点 3 カットの切れ味

小津監督は「カットの切れ味」を大切にした。代表的な例をあげると、「秋刀魚の味」の終盤の婚礼の当日のシーン、花嫁衣裳をまとった岩下志麻が父親役の笠知衆に挨拶をしてから家族一同式場へ向う。ここでカット。次はもう式は終わり、親友の中村伸郎の家で酒を飲み交わす場面に移る。観客は一瞬戸惑うのではないか、また期待した新郎の姿もなく肩透かしをくらうことになる。マンスフィールドの作品にもこのようなカットが多用されている。

共通点 4 微笑ましい子役の登場

二人とも子供の描写が巧い。マンスフィールドの"At The Bay"や"Marriage a la mode"の子供が遊ぶ場面には心奪われる。小津作品の「麦秋」と「東京物語」でも微笑ましい子役の演技がみられる。

共通点 5 同じ名前の人物がいくつもの作品に登場

後期の小津映画には中心となる人物として「平山公一」の名前が何度も登場する。全く同様にマンスフィールド作品では"Stanley Burnell"の名前が使われている。

小津作品を観終わるとマンスフィールドの代表作 "The Garden Party" (園遊会)のラスト・シーンを私は思い浮かべてしまう。

画像は小津作品のスチール写真。

 

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カテゴリー 「私の好きなもの」について

2010-11-11 12:49:59 | My favorite things 私の好きなもの
 №1のJ.S.バッハは私にとって特別な存在であり、私は言わば「バッハ教」の信者である。№2以降は今までの人生を振りかえって、気に入ったもの、楽しみを与えてくれたものなどを思いつくままに記事にしていくつもりである。№は順位を表すものではない。
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小津安二郎の映画作品 私の好きなもの №3

2010-11-05 17:42:57 | My favorite things 私の好きなもの
 生まれつき小心で気の弱い私はハラハラドキドキするような映画は好きになれない。また人が殺されるような凄惨な場面には眼を背けてしまう。従って日本映画の二人の巨匠、小津安二郎と黒澤明を較べると当然小津映画が私の好みとなる。ごく普通の人達が主人公であり、ヒーローやヒロインはでてこない。計算しつくされた美しい画面のなかで、登場人物の何気ない穏やかな語りが心を和ませ楽しませてくれる。特にスタイルの確立した「晩春」以降の戦後の作品が好きである。

「秋刀魚の味」の予告編をみる。 左をクリックしてください。小津監督の演技指導のシーンを見ることができます。
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キャサリン・マンスフィールドの短編小説 私の好きなもの №2

2010-11-01 15:03:10 | My favorite things 私の好きなもの


 キャサリン・マンスフィールド(1888-1923)の作品を初めて読んだのは高校三年の時だった。短編集”Bliss"の"The wind blows"(1915)が英語の教材になっていた。多感な少女の心の動きが現在形で描かれているこの作品に今までに経験したことの無い感動をおぼえた。彼女の作品を一言でいうと「デリカシーの世界」。冒頭の部分を紹介すると,

 Suddenly-dreadfully-she wakes up. What has happened? Something dreadfull has happened. No-nothing has happened. It is only the wind shaking the house,rattling the windows,banging a pieceof iron on the roof and making her bed tremble. Leaves flutter past the windows, up nd away; down in the avenue a whole newspaper wags in the air like a lost kite and falls, spiked on a pine tree. It is cold. Summer is over-it is autumn-everything is ugly.

 それから約10年間、彼女の作品を訳本だけでなく原文や朗読のレコードを探したものだった。画像 左上は原文の全集、左下は新潮文庫の「園遊会、その他」(安藤一郎訳)、右は The garden party と Bliss の朗読のLP(朗読シリア・ジョンソン)

「園遊会」を聴く。 左をクリックしてください。 And after all the weather was ideal. They could not have had more ...
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私の好きなもの №1 J.S.バッハ

2010-10-29 19:42:55 | My favorite things 私の好きなもの
 私が初めてバッハの音楽を認識して聴いたのは今から50年も前、中学1年の音楽の授業のことだった。当時週2回ある内、1回は音楽史に沿ってレコードを聴くことにあてられた。その第1回にバッハのフランス組曲第5番(G,BWV816)を先生が選んで聴かせてくれた。この曲を構成するアルマンド、クーラント、サラバンド、ガヴォット、ブレ、ルール、ジグの名前を覚えるように指示された。バッハの音楽と出会った最初の経験である。高校を卒業するころになってから好んでバッハの作品を聴くようになった。といっても当時のLPの値段は学生には高過ぎて買えず、早朝のFM放送が主だった。角倉二郎、服部幸三、皆川達夫等のDJの先生方の名前をいまでも覚えている。社会人になり自由にお金を使えるようになって初めて買ったLPもフランス組曲(H,ヴァルヒャ演奏)だった。以後今日に至るまで「私のすきなもの」の第一位は ヨハン・セバスティアン・バッハ であり死ぬまで動かしようがない。

 画像はそのLPとグレン・グールドのバッハの作品のCD。

BWV816を聴く。 左をクリックをしてください。
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