心證寺住職のブログ

諸天昼夜 常為法故 而衛護之 諸天善神に護られて

三河国八橋のかきつばた 4

2016年06月01日 | 日記

八つ橋のモチーフは絵画だけでなく、いろいろなものに描かれています。

茶碗とか

帯とか

京都銘菓の缶とか。

どれもに共通するのは、流水に「く」の字をつなぐように板橋を渡し、丸杭を打ち、橋の両側にかきつばたというものです。

このモチーフを元にして、造られた庭園もあちらこちらにあります。(写真は千葉県佐倉城址公園)

このモチーフが定着するのに一役買ったのは、琳派だと思われますが、それ以前からあったのかどうか、わかりません。

現存する伊勢物語絵巻の最も古いものは,和泉市久保惣記念美術館が所蔵する鎌倉時代のものだそうで、図書館で図鑑を見て調べてみました。

しかし、残念ながら八つ橋の場面は残っていませんでした。

ネットであれこれ調べているうちに、根津美術館で5月15日まで行われていた「国宝 燕子花図屏風展」に室町時代の伊勢物語絵巻が出展されていて、その写真がHPに掲載されているのを見つけました。根津美術館

それを見ると、江戸時代のものとはずいぶん趣を異にしますが、流水に「く」の字に曲がった板橋が架けてあり、両脇にかきつばたが咲いているところが描かれています。

また、國學院大學で平成24年に行われた「物語絵巻の世界 —國學院大學図書館所蔵作品を中心に—」において、上記とは別の室町時代の伊勢物語絵巻が出展されていました。國學院大學

それにもやはり、北斗七星のように連なった板橋が描かれています。

江戸時代以前の伊勢物語絵巻にも、板橋を連ねた八橋図は描かれているようです。

でも、在原業平が訪れた頃の「八橋」は、どのようなものだったのでしょうか。

その考察は、次回に。

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