試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3600形3608F 1次車 朱帯色 登場時仕様 回着 (クハ3608,クハ3601 運転台側TNカプラーSP化施工)

2018-12-20 21:43:00 | 京成線:3600形
的中。

マイクロエース製京成3600形3608F朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)が回着した。
同時に3648F現行色8両編成仕様(3648F)も導入を図っている。
しかし現在3648Fは6両編成化されてしまったためプロトタイプが決まっていない。


京成3600形3608F 朱帯色 登場時仕様。
3608F:3608-3607-3606-3604-3603-3602-3601

マイクロエース製京成3600形は3658F現行色8両編成仕様,3668FVVVF制御6両編成仕様がリリースされた。
各々現行色中期仕様(3658F),6両編成中期仕様(3668F-1)へ改装され在籍している。
その他に芝山3600形3618F前期仕様(3618F-1),京成3600形3618F芝山色(3618F-2)を加えた4編成体制である。
金型は東急車輌製,日本車輌製共に揃っておりバリエーション展開は有り得ると思っていた。
その中には朱帯色も含まれており見事に予想が当たっている。


入工中のクハ3601(3608F)。

前途の通り3648Fは実車の推移が起因となり扱いに悩んでいた。
よって第一次整備はほぼ製品原形のまま出場させられる3608Fから開始する。
京成ステンレス車体形式の朱帯色編成はリリース都合により2本に留まっていた。
3608Fはマイクロエース製3500形3504F後期仕様(3504F),TOMYTEC製3500形3556F後期仕様(3556F)に続く朱帯色編成となる。
在籍編成の構成が絡み何れにせよ3608Fを先発させていたと思う。
第一次整備工程はクハ3608,クハ3601の運転台側TNカプラーSP化に絞った。
KATOカプラー化される3607以下4両は一度の入場で竣工を目指す。


変更されなかった前面車体裾の成形 (クハ3601,サハ3601:3608F,3668F-1)。

台車色は時代設定が反映されたサックスブルー成形品である。
マイクロエース製品では長らくカプラーアダプター,アーノルトカプラーもサックス成形とされてきた。
3608Fからは全てが黒色成形品へ変更となり連結部の見附向上に寄与している。
特にカプラーアダプターはKATOカプラーへの交換後も色温度差が発生しなくなる。
これは大きな改善点だと言えよう。
3658F,3668F-1では運転台側TNカプラーSP化に苦しみ一旦TNダミーカプラーを起用した。
TNカプラーSPが装着出来なかった要因は前面車体裾とジャンパ連結器モールドが競合するためだった。


ジャンパ連結器を撤去したTNカプラーSPカバー。

一方3668F-1の中間車化改造車は車体断面に切り欠きが設けられ支障なくTNカプラーSP化が行えた。
クハ3601とサハ3601(3668F-1)を同時入場させ前面車体裾成形を比較する。
残念ながら金型改修は成されておらず3600形用TNカプラーSPの準備へ取り掛かった。
6両固定編成で登場した3600形はジャンパ連結器が取り付けられていない。
これを逆手に取りTNカプラーSPカバーのジャンパ連結器モールドを切り落とす。
カバーは加工失敗品の転用品で何時でも原形復帰が可能である。
但し黒色成形密着自動式TNカプラーSPは回転に窮する環境ではなく3600形専用でも問題無い。


車体に収まった3600形用TNカプラーSP。

TNカプラーSPは分解した序でに歯ブラシでの乾式白濁対策を施している。
ジャンパ連結器モールドを切断した影響により前面から見えるフレームの面積が広がる。
連結器部品の白濁はまだ我慢できる。
しかし胴受周りは前面車体下部の締まりを無くす原因になりかねず入念に清掃した。
そして台枠にTNカプラーSPを取り付け車体と嵌合させる。
他3600形先頭車両での実績通りTNカプラーSPと車体裾の競合は防がれた。




クハ3601 [■ ■ ■ ■ ■]:TNカプラーSP化施工。

ダミーカプラーからTNカプラーSPに交換されたクハ3601の前面見附は余り代わり映えがしない。
これは黒色成形TNカプラーSP採用車共通の弱点と言える。
その代わり立体感は増したと思う。
特に3600形のダミーカプラーはやや引き込んだ場所に位置しており目立ち難い。
TNカプラーSP化により連結器突き出し長が増加した事で光源を受ける代が伸びた。
埋没感さえあったダミーカプラーは廃され良好な前面見附へと改められた。
またジャンパ連結器が無い3600形用TNカプラーSPも灰色成形品とは異なりフレームの露出が抑えられたように見える。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:前照灯。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯。

ライトユニットやプリズムへの減光対策は第二次整備に持ち越しとなった。
そのため原形を維持したまま通電確認を行っている。
よって行先表示器,種別表示器の強力発光が非常に気になる。
3618F-1,3618F-2,3658F,3668F-1は種別表示器の交換が主な減光措置であった。
LOTが離れた3608Fでもこの手法が通用するかまだ判らない。
ライト基板が突然変更されるマイクロエース製品は珍しくなく整備を進めながら考える。


入工中のクハ3608(3608F)。

クハ3601の整備で既存の3600系列と同一方式で運転台側TNカプラーSP化が図れると掴めた。
ただ台枠の設計変更も考えられクハ3608では一旦原形のTNカプラーSPを取り付ける。
3600形では不要のジャンパ連結器であるが念のため確認を行った後に成形へと移る。
床板を取り外したところライトユニット周りの処理がクハ3601とは異なっていた。
クハ3608用床板には前尾灯用プリズム間へスポンジ状の遮光テープが追加貼付されている。
同一LOTでこの様な差異が現れるとは如何にもマイクロエース製品らしい。


違いがあった遮光テープ本数 (クハ3608用,クハ3601用)。

遮光テープは今LOTから追加されたものである。
在籍中の3600系列は前尾灯点灯時に於ける漏光が発生している。
これを防ぐため新たに採用されたのだろう。
確かにクハ3608で見られた縦方向の遮光テープは前尾灯への漏光を防ぐ貼り方が成されていた。
恐らくクハ3608用遮光テープが正式だと思われクハ3601用はメーカーエラーだろう。
点灯試験の結果次第ではクハ3601への対策が必要となる。
いきなり課題を抱える嫌な展開に陥ったが3648Fも同様の事例が考えられる。
クハ3601の第二次整備までに対処方法を編み出したい。


車体裾と競合する未加工のTNカプラーSP。

3600形用TNカプラーSPを製作する前に原形のTNカプラーSPを運転台側へ取り付けた。
その結果は芳しくなくジャンパ連結器モールドと車体裾が支障し台枠が下垂してしまった。
やはり3600形へTNカプラーSPを装着するにはカバーへの細工が欠かせないらしい。
再び発生品の黒色成形カバーを持ち出し整形を施す。
切断はジャンパ連結器モールド部を斜めに切り落とすだけである。
その他に手は加えておらずTNカプラーSPの連結性能に影響は及ぼさない。




クハ3608 [■ ■ ■ ■ ■]:TNカプラーSP化施工。

ダミーカプラーは2脚嵌合式である。
嵌合精度は高くなく引き抜くだけで撤去が行えた。
今後の出番は限り無く0に等しいが黒色成形密着自動式TNカプラーSPが不足した際の備えとして保管品へ廻した。
3600形用TNカプラーSPを装着したクハ3608用床板は難なく車体と嵌合させられている。
本数が多い遮光テープはその存在すら判らない手応えだった。
ある程度変形が許される材質であれば遮光テープ追加の副作用は起きないと思われる。
ここで手元にある100円ショップで入手したクッション付テープが対策の第一候補に挙がった。


クハ3608 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:前照灯(遮光テープ増強車)。


クハ3608 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯(遮光テープ増強車)。

当然点灯試験は前尾灯への漏光確認が軸に置かれる。
縦方向に貼付された遮光テープは尾灯点灯時の効果が確認できた。
3600形の尾灯は赤色LEDチップによる再現でありプリズムへの色挿しが施されていない。
そのため前照灯点灯時の漏光はある程度許容出来る。
しかし尾灯を点灯させると前照灯へ赤色の漏光が発生してしまい見附を狂わせる。
完全とは言えないもののクハ3608は消灯状態に近かった。
クハ3601との差は明らかで漏光対策は本工程へ格上げされている。


サハ3601+クハ3608 (3668F-1+3608F:原形TNカプラーSP装着車+3600形用TNカプラーSP装着車)。

最後に運転台側TNカプラーSPの取付具合を確認した。
比較対象車には中間車化改造車のサハ3601を起用している。
中間車化改造車は未加工のTNカプラーSPが装着可能である。
よって車体との位置関係に狂いは無くサハ3601と同一であればクハ3608,クハ3601のTNカプラーSP化は成功と言えた。
連結試験のためだけにKATOカプラー化されていたサハ3601を灰色成形TNカプラーSPへ交換している。
灰色成形品と黒色成形品の連結により差異は確認し易くなる。
クハ3608,クハ3601はサハ3601と同等の連結器位置を保てており不備無く第一次整備を終えた。




3608F (第一次整備完了)。

製品はステンレス車体に締められた朱帯が引き立つ。
側扉毎に切れる腰板帯も新鮮でリリース済の3600系列とは雰囲気が異なる。
サックスブルー成形のFS-513,FS-013台車は初登場だが色温度は合格と言って良いだろう。
ただクハ3608,クハ3601共に誘導無線アンテナのぐらつきがある。
動力ユニットの整備も蓋を開けてみないと判らない。
6両編成ながら細かな修正を求められる機会はあると思う。
着実に第二次整備を進め3608Fの出場へ結び付けたい。
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