試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3600形モハ3607,クハ3608,クハ3601[3608F] 1次車 朱帯色 (KATOカプラー化,クハ3608 車体膨張修正施工)

2018-12-22 21:57:01 | 京成線:3600形
分離。

マイクロエース製京成3600形モハ3603+モハ3602朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)の第二次整備は予想以上に時間が掛かった。
エラーを抱えたモハ3603の3200形用貫通扉窓追設は致し方ない。
しかしモハ3602に施したパンタグラフ踏板,ランボード固定は当初の計画を大きく狂わせるものだった。


京成3600形モハ3607 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。

次の入場はモハ3607+モハ3606を予定していた。
モハ3606はパンタグラフ踏板,ランボード固定に加え動力ユニット整備を行う。
作業が思い通りに進む保証は無く単独入場へと変更した。
その結果2両単位での竣工は果たせなくなりモハ3607が1両だけ浮いてしまった。
そこでクハ3608,クハ3601のKATOカプラー化を前倒しし3両の入場へ改めた。
これによりクハ3608,クハ3601の第二次整備は行先表示関連項目に集約される。


入工中のモハ3607。

クハ3608,クハ3601は種別表示器交換を行う際に分解を要する。
今入場ではKATOカプラー化に特化させ時間を確保する作戦に出た。
そのため側面行先表示器基準幕化は見送りとなった。
一方モハ3607は正式竣工となる。
工程はモハ3603に倣うため不意を突かれるエラーさえ存在しなれば順調に進むはずである。
先発入場車へ決定し先ず成田寄妻面の貫通扉窓に不備が無いかを確認した。


傾斜する貫通幌(成田寄)。

そう度重なる事例ではないがモハ3603で苦労した直後であり慎重になっている。
モハ3607では貫通扉窓のエラーが見られなかった代わりに成田寄貫通幌が傾いていた。
4箇所の湯口跡が平滑になっておらず貫通幌内側は直線状に仕上げられていない。
モハ3603,モハ3602には無かった症状で新たな個体差に出会した。
不運に苛まれる3608Fであるが引き当ててしまった以上どうしようもない。
傾斜はバリ取りで解消可能と考えKATOカプラー化から開始した。


直線状へ修正した床板。

FS-513非動力台車のKATOカプラー化はモハ3603,モハ3602と同一方式である。
よって交換は瞬く間に終えられた。
一旦FS-513非動力台車を取り付けたところ床板が山形に弧を描いていると気付いた。
再び床板を分解し矯正に取り掛かる。
原因は単純でウエイトが歪んでいたためだった。
座席部品両端部の整形まで至ると厄介であったが修正は容易に行えている。
再び床板を組み上げるとほぼ直線状に戻っていた。


基準幕化された側面行先表示器とバリ取りを終えた貫通幌。

側面窓セルとの嵌合位置を見る限り車体高へ影響を及ぼす湾曲では無かったと思う。
しかし時間の経過と共に何らかの不具合を招く可能性を否定できず予め手を打っている。
マイクロエース製品でのウエイト変形は珍しくなく既存車両でも修正を行っていた。
整形は手力に頼らず本棚の下へ全体を挟み込みその重量に任せた。
続いて貫通幌の傾斜解消に着手する。
4箇所が存在する湯口跡のうち1箇所は髭のようなものが残る有り様だった。
裏面は波を打っておりこれでは傾斜が発生して当然である。
クラフトナイフの背を用いて全てのバリを削り取った。
車体側に不具合は無く貫通幌の整形だけで傾斜を治められた。




モハ3607朱帯色(3608F:側面行先表示器基準幕化,床板湾曲修正施工)。

側面行先表示器は側面窓セル当該部裏面を青マッキーで塗り潰し基準幕化を図った。
モハ3607への細工は全て完了し床板を嵌合させるだけとなる。
直線状に戻した床板は何処にも当たる事無く車体へ収まった。
理論上床板の全長が伸びたはずだが車体との嵌合猶予は十分に確保されているらしい。
貫通幌の傾斜は軽微な修正で改善されモハ3607朱帯色(3608F)は初めて滞りなく第二次整備を終えた。
この時点でまだ時間は十二分に残っておりモハ3606の入場へ進もうとも考えた。
しかし何が待っているか判らずクハ3608,クハ3601のKATOカプラー化へと進む。


入工中のクハ3608朱帯色登場時仕様(3608F)。

クハ3608,クハ3601の第一次整備は運転台側TNカプラーSP化だけで打ち切られた。
この時は細部を確認しないまま組み立てられ再入場を迎えている。
先に入場したのはクハ3608だった。
床板を取り外す際に海側上野寄嵌合爪付近の車体が僅かに膨らんでいると判った。
車体が形状を記憶する前に手を打たなければならない。
KATOカプラーへ交換する前に車体膨張の原因を探る。


車体内側に貼付されていた遮光テープ(海側)。

始めに疑念を抱いた箇所は側面窓セル嵌合爪である。
モハ3607の貫通幌と同じくバリ取りの甘さが起因かと思えた。
ところが車体を裏返したと同時に目に飛び込んできたのは嵌合爪付近にある黒い物体だった。
これは本来ライトユニット側面に貼附されているはずの遮光テープである。
遮光テープは側面窓セル断面に乗り上げており床板との嵌合を邪魔する位置にある。
嵌合爪が完全に噛み込めず車体を膨らませる一因になっていた。
ご丁寧に糊面は車体内側を向き完全に貼り付いている。
ライトユニットへ貼り直すため剥離は慎重を期した。


遮光テープを移設したライトユニット(海側)。

クハ3608とクハ3601では前面の遮光テープ貼附数に差異がある。
これは早期に気付き点灯試験で漏光具合の差を確認した。
現在クハ3601の対策課題に挙がっている。
あからさまに雰囲気が違った前面とは異なり側面用には全く気付けなかった。
完全なる見落としだったが貼り直しが利くだけましと言える。
丁寧に剥離した遮光テープはその粘着力を維持している。
しかし一部が折れ曲がりそのままでは移設に向かなかった。
そのためライトユニットに仮貼付した上で平滑へと戻す作業を挟んでいる。




クハ3608朱帯色(3608F:車体膨張修正施工)。

遮光テープの貼付位置はクハ3601に従った。
しばらくは波打ちが激しく融着するか不安を感じた。
しかし何度も平滑化作業を繰り返した末に原形へ復帰している。
なお第二次整備時にはプリズム類の溶着を行う。
ライトユニットを分解する必要は無くこの時に貼付具合を再確認する予定である。
FS-013非動力台車は成田寄だけのKATOカプラー化で済む。
3種目のエラーを取り除いた後は車体との嵌合まで一気に進行した。
車体膨張はやはり遮光テープが原因だった模様で移設により解消へと至った。
僅かな時差かもしれないが早めに対策を打てた入場順は正しかったらしい。




クハ3608+モハ3607 (3608F:KATOカプラー化)。

クハ3608朱帯色(3608F)の仮竣工によりクハ3608+モハ3607の連結部はKATOカプラーに置き換えられた。
近年のマイクロエース製品はアーノルトカプラーでも連結面間隔が狭くなるよう改良されている。
よってKATOカプラー化による恩恵はかつてより減った。
それでも巨大なアーノルトカプラーが廃止された効果は絶大に映る。
全車のTNカプラーSP化は導入コストが上昇するため原則的に見送っている。
ただ運転台側だけはTNカプラーSPに拘っており両者の共存は続くだろう。


クハ3601朱帯色(3608F)。

最終入場車のクハ3601は前面ライトケース遮光テープ以外は特に対策を採らなくても良いと考えていた。
しかし改めて床板を取り外したところ種別表示器用プリズムが脱落しそうになった。
既にモハ3661現行色VVVF制御車中期仕様(3668F-1)では完全脱落を起こしている。
これを契機に既存車両は全てプリズム類の溶着へと至った。
固定は座席部品裏面から流し込み接着剤を投入するだけの簡単な措置である。
クハ3608は予防措置となるがクハ3601はぐらつきが激しくライトユニットを分解するかもしれない。


モハ3602+クハ3601 (3608F:KATOカプラー化)。

FS-013非動力台車のKATOカプラー化だけで仮竣工したクハ3601朱帯色(3608F)は第一次整備完了時と殆ど変わっていない。
時間都合によりライトユニットの前面用遮光テープ追加貼付試行は見送りとなった。
全てはクハ3608の側面用遮光テープが足を引っ張ったと言える。
ただ無理な工程を組んでいなかったせいか全体としては無難な纏まりを見せたと思う。
貫通幌の成形不良はモハ3607だけで見られたがモハ3606が未入場で残っておりまだ安心出来ない。
単独入場への切り替えが奏功してくれると願う。
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