試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3600形3608F 1次車 朱帯色 後期仕様 (登場時仕様運行番号設定変更)

2018-12-27 21:58:30 | 京成線出場
待望。

マイクロエース製3600形3608F朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)はB15運用に設定し既存編成へ倣った。
そのため外観の変更箇所は無いものの[登場時仕様]から[後期仕様]へ呼称を改め出場している。
プロトタイプは1991年頃~1992年12月と比較的短い。




京成3600形3608F 1次車 朱帯色 後期仕様。
3608F:3608-3607-3606-3604-3603-3602-3601。

1972年6月から製造が開始された京成3500形は1982年5月に登場した3596Fが最終編成となった。
翌1982年6月には約10年振りの新形式となる3600形が姿を現す。
3600形は通勤形形式で初採用された機軸が多く京成でも記念切符を発売するほどの力の入れ具合だった。
6両固定編成,ワンハンドルマスコン,回生ブレーキ,界磁チョッパ制御は後の京成通勤形式に大きな影響を与える。
但し何れもAE系にて採用済であり40コマの行先表示器や貫通扉に設けられた電照式種別表示器の方が目新しく感じられた。
側面窓はバランサー付一段下降窓に変わり配置も改められた。
腰板の朱帯は側扉部が省略され独特の窓配置と併せ3500形とは大きく印象を異にする。
前面は3300形以来の三平面折妻へと戻り独立した通過標識灯が幕板に設置された。
3200形3224Fから続いた京成独自の6M制御方式はクハ3600形を含む6M2T化へ発展解消している。
付番も通番を取り止め編成単位に変更となり将来の8両編成化を見据え[36X5],[36X4]号車は欠番とされた。
製造期間は約7年に渡ったが6両編成9本で打ち切りとなった。
この間の廃車は210形,2000形,2100形が主で3000形以降は3700形による置き換えへ進んでいる。
3608F,3618F,3628Fの登場は約2年の開きがあり時期に恵まれなかった感が強い。
朱帯色時代は殆ど外観変化が無く東急車輌製,日本車輌製車体各々の形態差異が目立つ程度だった。
1991年11月に幕板帯色変更が開始されたものの3608F,3618F,3628F,3638F,3668Fの5編成で中止される。
その後現行色が正式決定し1995年6月に出場した3628Fを以て全編成の帯色変更を終えた。
◆3608F:1993年1月(暫定帯色化)→1994年12月(現行色化)。
◆3618F:1992年9月(暫定帯色化)→1994年11月(現行色化)。
◆3628F:1993年3月(暫定帯色化)→1995年6月(現行色化)。
◆3638F:1993年2月(暫定帯色化)→1995年1月(現行色化)。
◆3648F:1993年9月(現行色化)。
◆3658F:1993年9月(現行色化)。
◆3668F:1991年11月(暫定帯色化)→1994年2月(現行色化)。
◆3678F:1993年3月(現行色化)。
◆3688F:1993年10月(現行色化)。
3608Fは1999年6月まで6両編成で活躍していたが3600形8両編成への組成変更で消滅する。
モハ3607+モハ3606,モハ3603+モハ3602はM1車の成田寄パンタグラフが撤去され各々3618F,3658Fへと異動した。
8両編成化された3600形は6本に上ったが3608F,3628Fの編成解消で賄われ[36X5],[36X4]号車は幻に終わった。
但しクハ3600形が先頭に立つため京浜急行線への乗り入れが行えず運用上の制約が付きまとう。
一方余剰となったクハ3608,クハ3608は1999年8月に旧運転台を残したままサハ3608,サハ3601へ改造される。
この2両は先にVVVF制御編成化されていた3668F(4両編成)の中間に組み込まれ3600形唯一の6両編成となった。
経年が高くなった3600形だが現在に至るまで内装の更新さえ行われない状況が続いている。
3500形56両を最後に更新修繕は中止され新3000形新造での置き換えへと進む。
既に3618F,サハ3608,サハ3601は廃車となり旧3608Fの系譜を受け継ぐ車両はモハ3603+モハ3602のみとなった。
新形式の登場も迫っており3600形1次車が姿を消す日はそう遠くないと思われる。


3150形3174F-1。

京成千葉線の運行番号に[BXX]台が用いられるようになった正確な期日は掴めないままである。
自身の記録や各種資料を見ると1991年が境だと思われる。
これまでに投入したグリーンマックス製3150形,マイクロエース製3300形新赤電色は現行色との離合や増結が考慮されている。
そのため千葉線系統編成は全てに[BXX]台を採用した。
マイクロエース製3500形3504F朱帯色後期仕様(1次車:3504F)も[普通 押上]表示の資料から[B53]運用が充てられている。
当然3608Fだけを[ XX]台とする考えは当初から無かった。
実車は暫定帯色化まで外観に手が加えられず[登場時]を謳う製品でも仕様変更が可能である。
リリース告知時は[B23 普通 上野]表示が有力候補だった。
しかし3608Fとプロトタイプが近い編成は上り方面行が多数派を占めていた。


3150形3182F-1,3608F。

そこで行先配分調整を図るため[千葉中央]表示への変更が決定した。
運行番号は各種資料を探り[B15 普通 千葉中央]表示の採用に至る。
行先表示類の見直しは製品リリース直前に行った。
クハ3608,クハ3601は整備へ向けての準備不足が露わになり各ステッカーの選択に悩まされた。
結果的に[千葉中央]幕:グリーンマックス製,[B15]幕:富士川車輌工業製で決着したが苦しい作業を余儀なくされている。
見栄えはともかく千葉線系統の行先偏位は多少改善され下り方面行は4編成体制に変わった。
◆マイクロエース製3200形3264F新赤電色後期仕様(3264F)。
◆マイクロエース製3300形3304F新赤電色(3304F-1)。
◆TOMYTEC製3500形3556F朱帯色後期仕様(3次車:3556F)。
但し3264Fは富士川車輌工業製[(千葉) 大森台 Omridai]幕表示編成であり3608Fとの離合には齟齬が生じる。


3300形3304F-1,3608F。

3608Fの整備は順風満帆とは行かなかった。
モハ3603は成田寄妻面に上野寄用妻面窓セルが誤取付されており貫通扉窓セルの移設を施した。
偶然にもマイクロエース製3200形元モハ3239の貫通扉窓寸法が合致し急場を凌いでいる。
既存の3600形系列でM1車のランボードに波打現象が生じたためモハ3606,モハ3602へ事前対策を行った。
全体的に流し込み接着剤使用量の削減が目立ったが代わりにパンタグラフ踏板も固定を迫られる。
3608Fは事実上の2ndLOT品と言え部品嵌合精度改善は以後リリースされる新製品に期待したい。


モハ3603:マイクロエース製3200形用貫通扉窓セル移設車(成田寄)。

モハ3606の動力ユニット整備では大量の純正グリスに悩まされる。
時間が巻き戻されたように感じるほどFS-513動力台車のギアボックスは白濁物質で埋められていた。
マイクロエース製品の新製投入は京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)以来となった。
3002-7(3002F)の整備で苦戦した記憶は無くこの間に何があったのか不思議に思う。
計画ではモハ3607と同時竣工させる方向だったが単独入場への転換が奏功した。
今後マイクロエース製動力ユニット搭載車の整備は原則的に1両単位へ改めたい。
クハ3608,クハ3601では送信用誘導無線アンテナのぐらつきが気に掛かった。
焼き潰し固定が災いしたクハ3608は何も手が出せなかった。
より症状が酷かったクハ3601は都合良く誘導無線アンテナが撤去出来たため改善に結び付けている。


メーカーエラーだと思われる漏光対策差異 (クハ3608用,クハ3601用)。

前尾灯漏光対策は3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F-1)を初めとする1stLOT品に対し改善が図られた箇所である。
ただ詰めが甘くクハ3608用とクハ3601用でライトユニット前面に新設された遮光テープ本数が異なっていた。
本数が足りないクハ3601用はメーカーエラーだと推測される。
独自対策として100円ショップで入手したクッション付テープを代替品に起用した。
いんちき漏光対策試行直後の結果は良かったが第二次整備時に於ける床板着脱で弱点が露わになった。
まだ検討の余地が残されており引き続き課題となる。


クハ3601 [B15 普通 千葉中央]:遮光テープ追設試作車。

最大の苦戦項目は幕式運行番号表示器へのステッカー貼付である。
手持ちのステッカーを充当するしか手段が無かった。
3色LED式運行番号表示器へのステッカー貼付も苦しんだが幕式運行番号表示器は更に上を行った。
製品付属品は[BXX]幕が含まれておらず自作品も表示が各桁からずれてしまい使い物にならない。
窮余の策で富士川車輌工業製京成3500形更新車用運行番号表示ステッカーが起用された。
[B15]表示が僅かに偏位したものの視認性は悪くない。
後で気付いたがサハ3608,サハ3601(3668F-1)とプリズムケースを交換すればもっと手際良く進められたと思う。


3500形3504F,3608F。

在籍中の3600形系列では全てマイクロエース製3300形附属ステッカーの行先方向幕を使用している。
数量不足により3608Fはグリーンマックス製3150形用ステッカーへ変更された。
製品付属品から[千葉中央]幕が漏れたのも計算外だった。
幸いにして3608Fだけプロトタイプが離れており今のところ違和感は無い。
しかし以後のリリース次第ではグリーンマックス製ステッカーを用いる機会が出て来ると思われる。
同時期がプロトタイプの3504Fもグリーンマックス製ステッカーを貼付した。
製品が登場時仕様だったため附属ステッカーに青地種別・行先方向幕は含まれなかった。
そこで3150形側面種別・行先表示器用ステッカーを転用し後期仕様へと改装している。
3504Fとの離合を考えると3608Fはグリーンマックス製[千葉中央]幕が相応だったかもしれない。


3608Fサイドビュー(クハ3601:京成3600形用TNカプラーSP装着車)。


3658Fサイドビュー(クハ3651:京成3600形用SPフレームTNダミーカプラー装着車)。

クハ3608,クハ3601は運転台側をTNカプラーSPに交換している。
車体成形都合によりジャンパ連結器モールドを切除した京成3600形専用品である。
連結機会は無く本来であればSPフレームTNダミーカプラーの装着が理想的だった。
しかしプロトタイプ設定から黒色成形品が必須となる。
黒色成形密着自動式TNカプラーは手持ちが無いため予備品を直接加工した。
なお白濁対策は歯ブラシでの乾式とし最近の施工車に従っている。

出場した3608Fは在籍編成の空白域を埋める戦力となる。
元々リリース製品が少ないプロトタイプであり離合に相応しい編成は決して多くない。
3304F-1は3316F新赤電色クロスシート試作車(二代目→旧3312F-1)を改番,改装して出場させた。
前途の通り3504Fも無理矢理朱帯色後期仕様化を図った。
3608Fのリリースが各社他形式へのバリエーション展開に及ぶ事を期待している。
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