油脂。
マイクロエース製京成3600形モハ3606朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)が第二次整備のため入場した。
当初はモハ3607+モハ3606の同時入場を計画していたがモハ3602+モハ3602朱帯色(3608F)の竣工遅延により改められた。
単独入場への切り替えは当たり約170分に及ぶ作業となっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/5c/92b8287fefcf1dfc291c0e296035c206.jpg)
京成3600形モハ3606 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。
モハ3606は動力ユニット整備が重点項目であった。
マイクロエース製品の新製投入は久し振りで京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)以来となる。
少しずつ動力ユニットの状態には改善が見られるがギア周りの脱脂は必須と言えた。
更にモハ3602へ施したランボード波打現象事前対策が付加される。
パンタグラフ踏板の固定化は現状を踏まえ施工するかを決める方向だった。
但し同一LOTであり工程省略に期待は寄せていない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/47/475e61b4f9890d1743a05b63316b5097.jpg)
入工中のモハ3606。
作業開始を車体関連,床板関連のどちらにするか考えた。
動力ユニットは高経年車両から順次展開された劣化対策施工の実績がある。
基本的な手順は同様であり純正グリスの塗布量が進行を左右する。
一方パンタグラフ踏板の状態確認を含む車体関連は時間が読めず先行工程となった。
入場前にPT-48形パンタグラフの昇降試験と避雷器嵌合に不具合が無い事を確認する。
状態はモハ3602と変わらず非常に安定していた。
特に避雷器は既存編成で生じた傾斜が完全に抑えられており対策が採られたと思われる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/b4/eb42d699009f8f6c05c69aaec774707d.jpg)
ニードルで貫通させた側面行先表示器付近のランボード取付口(海側)。
モハ3606を分解し車体内側のランボード取付口を数えた。
予期はしていたが5箇所あるはずの取付口は4箇所しかない。
埋まっていたのは側面行先表示器付近の取付口でモハ3602と全く同じだった。
今LOTの悪癖かもしれず同時回着した3648F現行色(3648F)も発生している確率が高いと予想する。
貫通方法はモハ3602での施工例に倣った。
爪楊枝で車体内側に目安を設けニードルにて取付脚を露出させた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/ca/3d53b37de4f2afd79921d5b9904d7d7d.jpg)
固定されていないパンタグラフ踏板(上野寄)。
貫通させた取付口は丸形を踏襲している。
既存編成での四角形整形施工はランボードの波打ちを吸収する狙いがあった。
しかしモハ3606の波打現象はまだ発生していないため移動猶予を確保する必要が無い。
ランボードも撤去を要さず丸孔でも十分な事前対策と言えた。
流し込み接着剤は車体中央部から上野寄,成田寄に分けて各取付口へ投入した。
パンタグラフ踏板は差し込まれているだけの状態だった。
浮き上がりが生じない点だけはモハ3602を上回る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/74/b62a0f39a32f2418b19c43dd680ebf26.jpg)
流し込み接着剤で溶着したランボードとパンタグラフ踏板。
但し嵌合は心許なくあっさりと車体から引き抜けてしまう。
別部品化は有り難いものの爪嵌合式が採用されなかった弱点を晒け出している。
最終的にランボード,パンタグラフ踏板は全て固定された。
3608FではM1車共通仕様化となり今後の脱落には至らないと思う。
瞬時に終えられる側面行先表示器基準幕化は最終工程に廻した。
一旦車体関連の作業を中断し動力ユニットを分解する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/05/b9324a68de336bcaa812757503c8817c.jpg)
全長が伸びた絶縁シート。
マイクロエース製動力ユニットの基本的な構造は変わっていない。
強いて挙げるならば動力ユニットカバーの剛性向上とユニバーサルジョイント部まで延長された絶縁シート程度である。
前者は嵌合爪受の折損確率低下に繋がる改善点だと思える。
その代わり捻りながらの取り外しは行い難くなっている。
かつては指紋が伺える導電板が当たり前だった。
徐々に品質が高まり近年では研磨が不要と思える仕上がりまで到達していた。
ところがモハ3606の導電板は全く輝きが無く時代が遡ったように感じている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/12/019b25848ddde133f657e4c669651b00.jpg)
ラプロス#4000で研磨した導電板。
高経年車両の酸化した導電板はラプロス#4000で磨き上げた。
モハ3606は全体が曇る程度に見えたためラプロス#6000を持ち出している。
しかし輝きを出すまで時間を要した。
効率が悪く結局ラプロス#4000へ改め研磨を施した。
ユニットカバーとの固定は相変わらずの焼き潰し式である。
この周囲は無理にラプロスを当てると導電板脱落へと直結する。
そのため多少の斑には目を瞑り大半が輝きを取り戻せたところで作業を打ち切っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/db/2b2d5e1cd40b08397682be8c59d46f5e.jpg)
山盛りに投入されていた純正グリス。
モーター周りで気になる箇所は存在しなかった。
但し目視点検だけでは不安に感じられクリーナーにてモーター軸の清掃を行った。
続いてFS-513動力台車の脱脂へと取り掛かる。
残念な事にギア周りはグリス塗れだった。
黒色成形のギアボックスは純正グリスを余計に目立たせる。
しかも粘度が低いため除去は難航が予想された。
ギア類は手を伸ばしても無駄に思え何も措置を施さずにクリーナープールへ浸けた。
大半がギアボックスに残った純正グリスは爪楊枝で掬い取る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/7c/6658c7263625450c6e3ebacf509ab276.jpg)
脱脂を終えたギアボックス(上野寄)。
ところが爪楊枝は殆ど役に立たなかった。
高経年車両とは勝手が違い純正グリス内を通過するだけに留まり減る気配がしない。
痺れを切らし紙縒状にしたティッシュペーパーで拭い去った。
麺棒と極細綿棒を使い分けクリーナーでギアボックス内部から白濁箇所を取り除く。
夥しい量の純正グリスに手を焼き上野寄,成田寄各々で1本ずつが駄目になっている。
ギアボックスを組み立てた後も煌めきが引っ掛かりクロスで拭き直しを行う程だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/c8/53e965fbecaa8da79a45bf7ec5f61c56.jpg)
純正グリス進出量が少なかったロアフレーム(成田寄)。
ギアボックスとは対照的にロアフレームの純正グリス付着は多くなかった。
清掃も綿棒だけで終えられる容易なものだった。
純正グリスはギアボックスへの配分が圧倒的で如何に過剰投入だったかを示していると思う。
ただ動軸ギアだけは対象外で専用クリーナープールにて純正グリスを溶解させた。
ギア類の仕上げは歯ブラシを用いたがギアボックスと同じく油脂ののような輝きが残った。
過去の動力ユニット整備では見られなかった現象であり材質が変更されたのかもしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/57/177b3e2d5b1458a5746db937bbff5c4a.jpg)
KATOカプラーを組み込んだカプラーアダプター(上野寄)。
金属製スパイラルギアはプラスチック製ギアに比べ清掃が捗る。
クリーナーを浸したティッシュペーパー内でギアを回転させ余計な純正グリスを除去する。
ギア谷に残る純正グリスは歯ブラシで払った。
その後クリーナープールに浸け完全脱脂へと結び付けている。
FS-513動力台車の清掃は約30分を掛けて終了した。
集中力は限界に達する直前だったが気を取り直しKATOカプラーへの交換に取り掛かる。
KATOカプラー化は非動力台車と同一方式で行えるためようやく一息突けた瞬間だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/c9/1f742a6f5230368cbdf7e492148cb9ea.jpg)
連結面側ロアフレームを黒色化したFS-513動力台車(成田寄)。
一旦カプラーアダプターを装着したところサックスブルー成形のロアフレームが目立つように思えた。
3608Fの非動力台車用と同じくモハ3606も黒色成形カプラーアダプターに改められた。
カプラーアダプターとの嵌合位置都合からロアフレームが中途半端に顔を覗かせる。
これを抑えるため連結面側車軸部よりカプラーアダプター側をマッキーで黒色化した。
FS-513動力台車単体で塗り潰した関係上余計な箇所まで手が加わってしまった。
それでもカプラーアダプターとの色温度差は解消されている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/47/475e61b4f9890d1743a05b63316b5097.jpg)
↓
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/1b/9b3ce4d6e01569d4c367c5792c37c4f4.jpg)
整備が完了したモハ3606。
モハ3606用動力ユニットは入場前の試験走行時に段付加速が現れる状態だった。
整備完了後は低速から力強く加速するよう改善されている。
この変化は導電板研磨が関わったと思える。
新製投入車でも入念な整備が必要だと再確認できた。
山盛りの純正グリス投入は最早定番と化している。
経年劣化で単なる走行抵抗に変わってしまうため投入量の見直し,材質変更を望みたい。
最終工程は側面行先表示器の基準幕化で締めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/5c/92b8287fefcf1dfc291c0e296035c206.jpg)
↓
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/d0/9b946e80424e5f301f6f39cc04d5dbea.jpg)
モハ3606朱帯色(3608F:動力ユニット整備,KATOカプラー・側面行先表示器基準幕化,パンタグラフ踏板・ランボード固定施工)。
やっとの思いでモハ3606朱帯色(3608F)が竣工した。
モハ3607との同時入場であれば途中で作業を打ち切らざるを得なかったと思う。
今回も途中で折れそうになったが3608Fの中核車両であり分断は避けたく意地で整備を終わらせた。
動力ユニット整備はマイクロエース製品投入時の山である。
従来と違う意味で苦戦を強いられたのは想定外だった。
まだ劣化が始まっていない純正グリスへの対処は今後の課題となる。
前半に施工したパンタグラフ踏板,ランボード波打現象事前対策施工はまずまずの答を得られた。
但しランボードの波打現象は何が原因が判らず今後も経過観察対象とする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/22/7dd808657ad56714d5c3aa91c0da3ee1.jpg)
モハ3607+モハ3606 (3608F:非動力車+動力車)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/84/504092981a634bb910aa74fe3b8faa20.jpg)
モハ3603+モハ3602 (3608F:非動力車+非動力車)。
FS-513動力台車のロアフレームへ施した黒色化は効果的に映る。
未施工では車端寄の1点だけサックスブルー成形が浮き立っていた。
黒染車輪と黒色成形カプラーアダプターの間に位置する場所も悪かったと思う。
簡便な細工で車体裾の中へ埋没が図れておりモハ3607との連結部に違和感は無い。
ロアフレームと黒色成形カプラーアダプターが組み合わされ色温度差が大きく出た場合には本格採用に進むと思われる。
今入場で3608Fはモハ3607以下4両が出揃った。
クハ3608,クハ3601も細やかな作業が続く第二次整備となる。
既存の3600形系列ではライトレンズ折損や通過標識灯プリズム紛失等の失策をした。
3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F-1)を予備部品兼用車に据えているがその存在を消して作業へと当たる。
マイクロエース製京成3600形モハ3606朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)が第二次整備のため入場した。
当初はモハ3607+モハ3606の同時入場を計画していたがモハ3602+モハ3602朱帯色(3608F)の竣工遅延により改められた。
単独入場への切り替えは当たり約170分に及ぶ作業となっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/5c/92b8287fefcf1dfc291c0e296035c206.jpg)
京成3600形モハ3606 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。
モハ3606は動力ユニット整備が重点項目であった。
マイクロエース製品の新製投入は久し振りで京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)以来となる。
少しずつ動力ユニットの状態には改善が見られるがギア周りの脱脂は必須と言えた。
更にモハ3602へ施したランボード波打現象事前対策が付加される。
パンタグラフ踏板の固定化は現状を踏まえ施工するかを決める方向だった。
但し同一LOTであり工程省略に期待は寄せていない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/47/475e61b4f9890d1743a05b63316b5097.jpg)
入工中のモハ3606。
作業開始を車体関連,床板関連のどちらにするか考えた。
動力ユニットは高経年車両から順次展開された劣化対策施工の実績がある。
基本的な手順は同様であり純正グリスの塗布量が進行を左右する。
一方パンタグラフ踏板の状態確認を含む車体関連は時間が読めず先行工程となった。
入場前にPT-48形パンタグラフの昇降試験と避雷器嵌合に不具合が無い事を確認する。
状態はモハ3602と変わらず非常に安定していた。
特に避雷器は既存編成で生じた傾斜が完全に抑えられており対策が採られたと思われる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/b4/eb42d699009f8f6c05c69aaec774707d.jpg)
ニードルで貫通させた側面行先表示器付近のランボード取付口(海側)。
モハ3606を分解し車体内側のランボード取付口を数えた。
予期はしていたが5箇所あるはずの取付口は4箇所しかない。
埋まっていたのは側面行先表示器付近の取付口でモハ3602と全く同じだった。
今LOTの悪癖かもしれず同時回着した3648F現行色(3648F)も発生している確率が高いと予想する。
貫通方法はモハ3602での施工例に倣った。
爪楊枝で車体内側に目安を設けニードルにて取付脚を露出させた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/ca/3d53b37de4f2afd79921d5b9904d7d7d.jpg)
固定されていないパンタグラフ踏板(上野寄)。
貫通させた取付口は丸形を踏襲している。
既存編成での四角形整形施工はランボードの波打ちを吸収する狙いがあった。
しかしモハ3606の波打現象はまだ発生していないため移動猶予を確保する必要が無い。
ランボードも撤去を要さず丸孔でも十分な事前対策と言えた。
流し込み接着剤は車体中央部から上野寄,成田寄に分けて各取付口へ投入した。
パンタグラフ踏板は差し込まれているだけの状態だった。
浮き上がりが生じない点だけはモハ3602を上回る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/74/b62a0f39a32f2418b19c43dd680ebf26.jpg)
流し込み接着剤で溶着したランボードとパンタグラフ踏板。
但し嵌合は心許なくあっさりと車体から引き抜けてしまう。
別部品化は有り難いものの爪嵌合式が採用されなかった弱点を晒け出している。
最終的にランボード,パンタグラフ踏板は全て固定された。
3608FではM1車共通仕様化となり今後の脱落には至らないと思う。
瞬時に終えられる側面行先表示器基準幕化は最終工程に廻した。
一旦車体関連の作業を中断し動力ユニットを分解する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/05/b9324a68de336bcaa812757503c8817c.jpg)
全長が伸びた絶縁シート。
マイクロエース製動力ユニットの基本的な構造は変わっていない。
強いて挙げるならば動力ユニットカバーの剛性向上とユニバーサルジョイント部まで延長された絶縁シート程度である。
前者は嵌合爪受の折損確率低下に繋がる改善点だと思える。
その代わり捻りながらの取り外しは行い難くなっている。
かつては指紋が伺える導電板が当たり前だった。
徐々に品質が高まり近年では研磨が不要と思える仕上がりまで到達していた。
ところがモハ3606の導電板は全く輝きが無く時代が遡ったように感じている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/12/019b25848ddde133f657e4c669651b00.jpg)
ラプロス#4000で研磨した導電板。
高経年車両の酸化した導電板はラプロス#4000で磨き上げた。
モハ3606は全体が曇る程度に見えたためラプロス#6000を持ち出している。
しかし輝きを出すまで時間を要した。
効率が悪く結局ラプロス#4000へ改め研磨を施した。
ユニットカバーとの固定は相変わらずの焼き潰し式である。
この周囲は無理にラプロスを当てると導電板脱落へと直結する。
そのため多少の斑には目を瞑り大半が輝きを取り戻せたところで作業を打ち切っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/db/2b2d5e1cd40b08397682be8c59d46f5e.jpg)
山盛りに投入されていた純正グリス。
モーター周りで気になる箇所は存在しなかった。
但し目視点検だけでは不安に感じられクリーナーにてモーター軸の清掃を行った。
続いてFS-513動力台車の脱脂へと取り掛かる。
残念な事にギア周りはグリス塗れだった。
黒色成形のギアボックスは純正グリスを余計に目立たせる。
しかも粘度が低いため除去は難航が予想された。
ギア類は手を伸ばしても無駄に思え何も措置を施さずにクリーナープールへ浸けた。
大半がギアボックスに残った純正グリスは爪楊枝で掬い取る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/7c/6658c7263625450c6e3ebacf509ab276.jpg)
脱脂を終えたギアボックス(上野寄)。
ところが爪楊枝は殆ど役に立たなかった。
高経年車両とは勝手が違い純正グリス内を通過するだけに留まり減る気配がしない。
痺れを切らし紙縒状にしたティッシュペーパーで拭い去った。
麺棒と極細綿棒を使い分けクリーナーでギアボックス内部から白濁箇所を取り除く。
夥しい量の純正グリスに手を焼き上野寄,成田寄各々で1本ずつが駄目になっている。
ギアボックスを組み立てた後も煌めきが引っ掛かりクロスで拭き直しを行う程だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/c8/53e965fbecaa8da79a45bf7ec5f61c56.jpg)
純正グリス進出量が少なかったロアフレーム(成田寄)。
ギアボックスとは対照的にロアフレームの純正グリス付着は多くなかった。
清掃も綿棒だけで終えられる容易なものだった。
純正グリスはギアボックスへの配分が圧倒的で如何に過剰投入だったかを示していると思う。
ただ動軸ギアだけは対象外で専用クリーナープールにて純正グリスを溶解させた。
ギア類の仕上げは歯ブラシを用いたがギアボックスと同じく油脂ののような輝きが残った。
過去の動力ユニット整備では見られなかった現象であり材質が変更されたのかもしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/57/177b3e2d5b1458a5746db937bbff5c4a.jpg)
KATOカプラーを組み込んだカプラーアダプター(上野寄)。
金属製スパイラルギアはプラスチック製ギアに比べ清掃が捗る。
クリーナーを浸したティッシュペーパー内でギアを回転させ余計な純正グリスを除去する。
ギア谷に残る純正グリスは歯ブラシで払った。
その後クリーナープールに浸け完全脱脂へと結び付けている。
FS-513動力台車の清掃は約30分を掛けて終了した。
集中力は限界に達する直前だったが気を取り直しKATOカプラーへの交換に取り掛かる。
KATOカプラー化は非動力台車と同一方式で行えるためようやく一息突けた瞬間だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/c9/1f742a6f5230368cbdf7e492148cb9ea.jpg)
連結面側ロアフレームを黒色化したFS-513動力台車(成田寄)。
一旦カプラーアダプターを装着したところサックスブルー成形のロアフレームが目立つように思えた。
3608Fの非動力台車用と同じくモハ3606も黒色成形カプラーアダプターに改められた。
カプラーアダプターとの嵌合位置都合からロアフレームが中途半端に顔を覗かせる。
これを抑えるため連結面側車軸部よりカプラーアダプター側をマッキーで黒色化した。
FS-513動力台車単体で塗り潰した関係上余計な箇所まで手が加わってしまった。
それでもカプラーアダプターとの色温度差は解消されている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/47/475e61b4f9890d1743a05b63316b5097.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/1b/9b3ce4d6e01569d4c367c5792c37c4f4.jpg)
整備が完了したモハ3606。
モハ3606用動力ユニットは入場前の試験走行時に段付加速が現れる状態だった。
整備完了後は低速から力強く加速するよう改善されている。
この変化は導電板研磨が関わったと思える。
新製投入車でも入念な整備が必要だと再確認できた。
山盛りの純正グリス投入は最早定番と化している。
経年劣化で単なる走行抵抗に変わってしまうため投入量の見直し,材質変更を望みたい。
最終工程は側面行先表示器の基準幕化で締めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/5c/92b8287fefcf1dfc291c0e296035c206.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/d0/9b946e80424e5f301f6f39cc04d5dbea.jpg)
モハ3606朱帯色(3608F:動力ユニット整備,KATOカプラー・側面行先表示器基準幕化,パンタグラフ踏板・ランボード固定施工)。
やっとの思いでモハ3606朱帯色(3608F)が竣工した。
モハ3607との同時入場であれば途中で作業を打ち切らざるを得なかったと思う。
今回も途中で折れそうになったが3608Fの中核車両であり分断は避けたく意地で整備を終わらせた。
動力ユニット整備はマイクロエース製品投入時の山である。
従来と違う意味で苦戦を強いられたのは想定外だった。
まだ劣化が始まっていない純正グリスへの対処は今後の課題となる。
前半に施工したパンタグラフ踏板,ランボード波打現象事前対策施工はまずまずの答を得られた。
但しランボードの波打現象は何が原因が判らず今後も経過観察対象とする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/22/7dd808657ad56714d5c3aa91c0da3ee1.jpg)
モハ3607+モハ3606 (3608F:非動力車+動力車)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/84/504092981a634bb910aa74fe3b8faa20.jpg)
モハ3603+モハ3602 (3608F:非動力車+非動力車)。
FS-513動力台車のロアフレームへ施した黒色化は効果的に映る。
未施工では車端寄の1点だけサックスブルー成形が浮き立っていた。
黒染車輪と黒色成形カプラーアダプターの間に位置する場所も悪かったと思う。
簡便な細工で車体裾の中へ埋没が図れておりモハ3607との連結部に違和感は無い。
ロアフレームと黒色成形カプラーアダプターが組み合わされ色温度差が大きく出た場合には本格採用に進むと思われる。
今入場で3608Fはモハ3607以下4両が出揃った。
クハ3608,クハ3601も細やかな作業が続く第二次整備となる。
既存の3600形系列ではライトレンズ折損や通過標識灯プリズム紛失等の失策をした。
3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F-1)を予備部品兼用車に据えているがその存在を消して作業へと当たる。