試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3600形モハ3646,モハ3642[3648F] 現行色 8両編成 後期仕様 (ランボード波打現象事前対策施工)

2019-03-24 22:39:14 | 京成線:3600形
外的要因。

プロトタイプが決定したマイクロエース製京成3600形3648F現行色8両編成仕様(3648F)の第一次整備が完了した。
M2車であるモハ3623,モハ3647,モハ3643は既に3648F現行色後期仕様(3648F)として竣工している。
第二次整備はランボード波打現象事前対策を施すモハ3622,モハ3646,モハ3642(3648F)より開始となった。


京成3600形モハ3646 現行色 8両編成仕様(3648F)。

マイクロエース製京成3600形系列は5編成の陣容で3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)以外が実質的な1stLOT製品と言える。
1stLOT製品のうち3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F-1)を除く3本が8両編成を組む。
3600形M1車系は別部品が採用された海側ランボードが立体的に見え好ましく映った。
しかしランボードは5脚嵌合式であり11脚中半数を越える6脚が屋根板と接触しているだけだった。
溶着されているはずの嵌合脚は経年と共にずれが生じランボードの波打現象を招く。
そのため各編成の3600形M1車系を集中入場させ波打現象解消対策へと進む。
なお中間車化改造車を含む3668F-1だけはランボード敷設車が存在せずこの対策から外れた。


入工中のモハ3646。

2018年12月に出場した3608Fでは第二次整備工程にランボード波打現象事前対策が組み込まれる。
施工車はモハ3606,モハ3602の2両だけだったが両車とも1箇所だけ車体内側の取付口が見当たらなかった。
そこでモハ3652現行色中期仕様(3658F)と比較しながら取付口裏面を探り当てた。
爪楊枝で凹状の目安を設けニードルにて取付脚が伺える状態へと持ち込んでいる。
流し込み接着剤で5脚とも屋根板と溶着させ将来的な波打現象発症を防ぐ手段とした。
製品仕様により完全な平行には達していないが現状より悪化する事態には陥らないと思われる。


全て貫通していた車体内側取付口。

3648Fは3608Fと同一LOTであり車体内側の開孔作業は避けられないと考えていた。
入場は動力ユニット整備へ進むかもしれないモハ3622を最終施工車とした代わりにモハ3646が先発となった。
早速車体内側の取付口数を確認したところランボード取付脚数と合致する5箇所が覗かせていた。
ひとまずモハ3646では開孔作業が回避されランボードの固定化へ移行する。
先に波打現象事前対策を施したモハ3606,モハ3602(3608F)ではランボードの撤去が見送られた。
原形でも若干の波打が見られる以上深追いはせず作業簡略化を優先した結果でもある。


案の定固定化されたパンタグラフ踏板(成田寄)。

製品固有のランボード波打をどこまで抑えられるかまだ確認出来ていなかった。
そこでモハ3646にてランボードの一時撤去を行い完全解消が図れるか試行する。
ランボード取付脚は車体内側から押し出すだけで簡単に取り外せる程度の固定具合だった。
やはりマイクロエース製品は流し込み接着剤の使用を控える方向に向いているらしい。
ただランボード撤去時に誤ってパンタグラフ踏板取付脚を押し込んでしまった。
パンタグラフ踏板も殆ど溶着されていない状態に近くランボードと同時に固定化を図る。


限定的に取り外された成田寄妻面窓セル(山側)。

ランボードは波打現象対策施工車に倣い車体中央取付脚から両側へ向け装着を進めた。
上野寄,成田寄の各4脚はランボードを妻面側に引きながら流し込み接着剤を投入している。
この方法は張力の均等化を目論んだものでパンタグラフ踏板でも踏襲した。
パンタグラフ踏板及びランボードを復旧させた後に車体で気になった箇所の修正へ取り掛かった。
最も目立った部位は成田寄山側端部の側面窓で見られた銀色塗料の撥ねである。
車体内側への塗料付着と判り成田寄妻面窓セルだけを取り外し修正に当たった。




モハ3646現行色後期仕様(3648F:ランボード波打現象事前対策,パンタグラフ踏板固定施工)。

マイクロエース製品の印刷剥離の大半は爪楊枝式が採用されそれなりに結果を残してきた。
モハ3646の塗料撥ねも爪楊枝式としたが車体と側面窓セルでは勝手が異なった。
横方向に走っていた銀色塗料撥ねはその形状を残す擦過痕へと変わってしまった。
白濁箇所が目立つ側面窓のまま放置できず消しゴムと磨きクロスにて修復を図っている。
竣工したモハ3646現行色後期仕様(3648F)だがランボード一時撤去まで行ったほどの効果は殆ど感じられない。
波打を抑えるにはランボード脚の等長化が必要と言え現在の技量では実現困難である。


モハ3643+モハ3646 (3648F:山側)。

よって一時撤去を挟んでのランボード波打現象事前対策施工はモハ3646限りで打ち止めとなった。
ただ手を加えたせいか多少は改善された様に思え製品の嵌合を弛める姿勢だけは以後も引き継がれる。
擦過痕が激しかった山側成田寄端部側面窓は仔細に見るとその痕跡が伺える。
狭幅側面窓とセル裏面の凹形成形が重なり思うように消しゴムを当てられなかった。
30分以上に渡り傷との格闘を続け何とか編成見附へ影響を及ぼさない状態には戻せたと思う。
ランボード,パンタグラフ踏板の固定までは順調だったが飛んだメーカーエラーに足を引っ張られている。


入工中のモハ3642現行色(3648F)。

雲行きが怪しくなったM1車系の整備だがランボード波打現象事前対策施工そのものは然程時間を要さない。
モハ3642で崩れかけた態勢を立て直し最終施工車のモハ3622へ移る予定だった。
ところがモハ3642でも主工程以外の作業が加わってしまい計画が大幅に狂う。
入場前に気付いた箇所はまたしても側面窓セルへの銀色塗料付着であった。
当該部は成田寄海側側扉窓のため再び妻面窓セルを取り外さなければならない。
更に腰板赤帯印刷の剥離までも散見されこの日の作業はモハ3646,モハ3642にて打ち切りが決定した。


車体から浮かせた全ランボード取付脚。

モハ3646とは異なる部位の側面窓セル銀色塗料除去にどの程度時間を要するか全く掴めなかった。
ただ展開によっては早めに仕上げられる可能性が考えられパンタグラフ踏板固定も工程へ組み込まれる。
ランボードは撤去を取り止めた代わりに嵌合脚全てを屋根板からずらしている。
そして車体中央取付口裏面を僅かに拡大し流し込み接着剤浸透量の増大を図る。
取付口にテーパーを設ける事で原形取付位置保持と溶着力向上の両立を狙った。
固定方法はモハ3646から変更せず車体中央取付脚を固定した後に上野寄,成田寄へ向かっている。




赤マッキーで埋没させた腰板赤帯印刷剥離部(山側)。

パンタグラフ踏板の固定具合はモハ3646を下回っていた。
全4枚とも中央の取付脚が溶着されているのみで両端は差し込み対応であった。
正式工程化は考えていなかったがモハ3642にて心変わりする。
入場が見送られたモハ3622は当初からランボードとパンタグラフ踏板の固定を工程に組み入れる。
ここまでの作業は狙い通りに進み車体各部の補修へ移行する。
先ず手間を要すると考えた成田寄海側側扉窓の銀色塗料剥離から取り掛かった。
銀色塗料は側扉窓セル表面への付着だったものの車体と挟まれる狭隘な場所に位置していた。
そのため成田寄妻面窓セルを撤去し塗料除去に当たる。




モハ3642現行色後期仕様(3648F:ランボード波打現象事前対策,パンタグラフ踏板固定,側扉窓セル修正施工)。

幸い側扉窓セル断面への付着に留まっており先端を鋭角化した爪楊枝で剥離が行えた。
側扉窓への影響も見られず施工痕は見られない仕上がりとなった。
一方腰板赤帯印刷の修正は山側各所で次々と発覚した。
最も剥離が酷かった成田寄山側側扉部を含め全て赤マッキーで塗り潰している。
多少の色温度差は車体の銀色印刷が露出するよりもましであり見切られた。
京成形式での赤帯補修は赤マッキーを基本としているため今に始まった事ではない。
従って3648Fだけが異端となる事態には至らず十分な隠蔽策を採れたと思う。

モハ3642現行色後期仕様(3648F)も予定時間を大幅に超過して竣工まで辿り附いた。
ランボード波打現象事前対策は一定の答を得られた一方で各部のメーカーエラーを発見する切っ掛けにもなっている。
3648Fの出場前に気付けたのは良かったがモハ3623,モハ3647,モハ3643も再確認が必要となった。
たまたまモハ3646,モハ3642だけが外れだった模様で運は味方しなかったと考えるしかない。
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