試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

新京成N800形モハN837[N838F] 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様 (KATOカプラー化,動力ユニット整備施工)

2019-01-24 23:46:15 | 京成線
突破。

マイクロエース製新京成N800形N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F)は第一次整備で作業が中断された。
同時回着したN848F現行色(4次車:N848F)の整備で数々の問題点が浮き彫りになった。
純正グリスに塗れた動力ユニットの整備にも嫌気が差し一旦間を設けている。


新京成N800形N838F 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様。
N838F:N838-N837-N836-N833-N832-N831。

N848Fの回着整備はマイクロエース製京成3600形3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)に続いた。
動力台車へ大量に投入された純正グリスはモハ3606(3608F)と同程度でモハN847(N848F)も長丁場の作業となった。
3連続で動力ユニット整備に取り掛かる気力は失せN838FはKATOカプラー化を中心とした第一次整備で打ち切られる。
この間モハN838,モハN831は京成新3000形3010F現行仕様(3次車:3010F-2)へ現行LOT表示器用プリズムを供出している。
1stLOT表示器用プリズム化されたN838FはN818F京成千葉線直通色前期仕様(1次車:N818F)と類似の点灯色温度となる。
6thLOT品と1stLOT品の差異は新3000形3010F-2,3002F中期仕様(1次車:3002F)と同様に解消の見込みが立った。


入工中のモハN837京成千葉線直通色前期仕様(N838F)。

仕掛状態が続いたN838Fだったがようやく動力ユニットの整備を行う気になった。
モハ3606,モハN847と続けて状態は宜しくなくモハN838も変わらないと考えた。
クリーナープールに浸けても純正グリス除去の進捗が悪かったため工程を見直す。
各部品類は現状のままクリーナーへ投入したが純正グリスの溶解まで達しなかった。
手間は承知の上で予め純正グリスをある程度拭き取った後にクリーナープールへ浸けるよう改める。
対象部品も絞り込みを図りクリーナーの効力が最大限に活かされる環境を目指した。


3002-7並の導電板状態だったモハN837用動力ユニット。

入場前の試験走行ではモハ3606,モハN847と打って変わり力強い駆動を見せる。
起動電流は低く低速域の制御も自在でありモーター周りへの注油見送りが決定した。
但し動力ユニットの状態そのものには全く期待を寄せおらず基本工程に変更は無い。
早速モハN837を分解しユニットカバーを撤去するとこれまでとは異なる展開が待っていた。
ユニットカバー裏面への油脂流出が一切無く煌めいたプラスチックは見られない。
この状況は3002-7(3002F)に酷似しておりN847とは違う何かが感じられた。


クリーナーでの仕上げを廃止した導電板研磨工程。

導電板も極一部に酸化が見られたものの全体的には思いの外状態が良かった。
油脂を拭き上げる必要が無く直接ラプロス#4000での研磨に取り掛かった。
従来は施工前後のクリーナー使用が欠かせなかったがモハN837では仕上げにも用いていない。
磨き粉除去には有効なクリーナーだが技量不足から拭き上げ斑を防げず定期点検時の再研磨に直結していた。
回着整備簡略化の狙いもあり思い切って拭き上げ工程自体を廃止している。
これはユニットカバーに油脂付着が無かった付帯効果に過ぎず臨機応変に対処する。


長期戦を覚悟したFS-564S動力台車(千葉中央寄)。

走行試験時の好結果からモーター周りは目視点検で済ませる予定であった。
ところがモーターストッパーを引き抜いたところモーター軸表面は油脂により波打って見える。
クリーナーを浸した極細綿棒で清掃し固形化が引き起こす摺動抵抗増大を防いでいる。
いよいよ2連続で手こずった動力台車の純正グリス除去工程へと突入する。
FS-564S動力台車を取り外した瞬間に大量の白濁物質が目に入りげんなりした。
モーターカバーへの油脂付着が生じなかったのは単なる偶然だったらしい。


手作業での清掃となったスパイラルギア周り(松戸寄)。

過剰な純正グリス投与は千葉中央寄,松戸寄同様でモハN847の竣工から間を設けた手段が当たったと思われた。
しかし構成部品毎の切り分けを進めていくうち少しずつ違いが露わになる。
先ずスパイラルギア周りはクリーナープールを使用せずとも脱脂が可能だと判明した。
ギアボックス内の純正グリスとは余り接触していなかった模様でスパイラルギアは極細綿棒だけで状態が改善された。
最後はクリーナーを浸したクロスでギア谷を再清掃した後に歯ブラシにて仕上げている。
スパイラルギアカバーも同様の手順で進められ予想より早く作業を終えてしまった。


クリーナープール行を免れた動軸ギア(千葉中央寄)。

続けて純正グリスを抱えたFS-564S動力台車を分解し各部品の状態を確認する。
取り外した直後のギアボックスからロアフレームまで純正グリスが到達していると予想した。
諦め半分でロアフレームを分離したところ殆どがプラスチック地のまま保たれていた。
これには動軸ギアの大半も含まれ動軸ギア用クリーナープールの出番は無くなっている。
問題無い外観に見えたが念のためロアフレームと台車集電板はクロスで拭き上げた。
動軸ギアは爪楊枝でギア谷に残る純正グリスを掻き出した以外スパイラルギアの清掃に倣った。


ギアボックス上部で踏み留まる純正グリス(松戸寄)。

ロアフレーム周りの進捗状況は優秀と言え作業開始から約40分程度しか経過していない。
しかしギアボックスを埋め尽くす純正グリスは除去に時間を要するはずでここから仕切り直す。
その大きさからギアボックスはクリーナープールに浸けられず地道に作業を進める。
ところがギア類を撤去したところ純正グリスはギアボックス内部に行き渡っていなかった。
無用な油脂の広がりを防ぐためゴム系接着剤除去用爪楊枝を用い上部へ向け純正グリスを押し出す。
千葉中央寄,松戸寄双方ともこれだけで脱脂は工程の半分を越えた状況に等しくなった。


脱脂が完了したFS-564S動力台車(千葉中央寄)。

クリーナーでギアボックス全体を仕上げ最後に残った部品はギア類となった。
純正グリス塗れだったのは主ギア用センターピンのみでその他は動軸ギアと同等だった。
センターピンの清掃はクリーナープールを持ち出すまでもなくクロスで仕上げられる。
各ギアも手作業で進められる範囲にあり特に難航する場面を迎えないまま組み立てへ入った。
残るはKATOカプラーへの交換だけとなり順調にFS-564S動力台車の整備を終えた。
構えて作業へ取り掛かった上に初見で騙された分安堵と拍子抜けが同居する妙な感覚に襲われている。


整備を終えたモハN837用動力ユニット。

ギア類には恒例となったタミヤ製グリスを塗布し動力ユニットを組み立てた。
相変わらずユニットカバー中央部の歪みが気になるものの嵌合に支障は無い。
整備後の駆動試験は入場前と同様の挙動を示し今ひとつ手応えが感じられない程である。
同一LOTのモハN847と似たような状態だったが作業内容は全く逆方向に進んでいる。
クリーナープールを起用せずにギア類の清掃が行えたのはギアボックスへの純正グリス塗布方法だろう。
とにかく純正グリスがギアボックス下部へ行き渡らなかった事が味方をしてくれた。


モハN837京成千葉線直通色前期仕様(N838F:動力ユニット整備施工)。

純正グリスの多さに違いは無かったが僅かな差により予定より早くモハN837が竣工した。
但し所要時間は手作業が大半を占めた都合でモハN847と然程変わっていない。
その代わり精神的負荷が軽減され連続入場を回避する考えは浮かばなかった。
近年の入場車はクリーナープールに頼る機会が多くモハN847までは画一的な作業内容となっていた。
今後の整備は構成部品の切り分けを進めた後に脱脂方法を定めるつもりである。
モハN837での工程は回着整備の方向性を改める良い機会になるかもしれない。


モハN838+モハN837 (N838F:非動力車+動力車)。


モハN847+サハN836 (N838F:動力車+非動力車)。

モハN847の整備では導電板研磨失策により車体不等沈下を招いてしまい後の修正を要した。
よってモハN837の研磨工程は台車集電板との接触部に十分な注意を払っている。
その結果編成を組むモハN838,サハN836と車体高が揃わなくなる事態は回避された。
まだモハN838は第二次整備が完了していないため多少の変動が予想される。
一方のサハN836は竣工済であり一応車体不等沈下対策が当たったと思われる。
最大の難敵と言えたモハN837の整備を無事終えられた勢いに乗りN838Fの出場を目指す。
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