試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

芝山3600形3618F 前期仕様 白地種別幕編成 (運転台側TNカプラーSP化:1000形モハ1031[1029F-5] 発生品転用)

2017-02-23 21:21:47 | 京成線出場
懐古。

先日惜しくも京成3600形3618Fが廃車された。
日本車輌製の第一陣として登場し一直線の車体裾が東急車輌製より垢抜けて見えた。
8両編成化後にはモハ3607-モハ3606の故障で暫定6両編成で運用された実績を有する点も珍しい。


芝山3600形3618F 前期仕様。
3618F-1:3618-3617-3616-3607-3606-3613-3612-3611
※白地種別幕編成。

極め付けは芝山鉄道へ貸出され芝山色に変更された事である。
芝山3600形となった後も京成3600形と共通運用され自社線内には余り姿を見せなかった。
2013年3月31日付で返却され京成車に復籍したが検査入場まで芝山色のまま運用に入った。
入れ替わりで貸出された3500形3540Fは芝山色に改められず今の所3618Fの一代限りになっている。
京成色に戻されたのは2013年12月だった。
それから僅か約3年で除籍されたのは残念である。
マイクロエース製芝山3600形3618F(3618F-1)は数奇な運命を辿った3618Fの象徴的な存在だと思う。
初出場は色地種別幕化後の後期仕様としたが緑帯の色温度が引っ掛かり白地種別幕へ改め前期仕様化した。
しかし4編成が在籍する3600形系列では唯一TNダミーカプラーのまま取り残されていた。
ところが1000形モハ1031後期仕様(1029F-5)でジャンパ連結器を折損させたTNカプラーSPが捻出された。
これを再加工し3618F-1のTNダミーカプラーを廃止する。




京成3600形用に整形したTNカプラーSP。

3618F-1がTNダミーカプラーで存置されたのはグリーンマックス製3700形のTNカプラーSP化が絡んだ。
当初は2個モーター搭載動力ユニットのTNカプラーSP擬化に合わせ順次転用する計画だった。
その後コアレスモーター搭載動力ユニットへの更新に切り替えたためTNカプラーの連結器は不要になった。
そのため3618F-1はTNカプラーSP化の機会を失っていた。
クハ3600形へのTNカプラーSP取付は車体裾成形都合で一部加工を必要とする。
車体裾とTNカプラーSPのカバーが干渉し床板が嵌まらなくなる弱点を掴めていた。
クハ3600形はジャンパ連結器を持たないためカバー前端部を切り落とし専用のTNカプラーSPとした。
モハ1031発生品は既に運転台側のジャンパ連結器が失われており3600形専用にしても不都合は無い。
早速カバー刻印より前端側を短縮しクハ3618,クハ3611のカプラー交換に着手した。


入工中のクハ3618,クハ3611 (3618F-1)。

クハ3600形に取り付けたTNダミーカプラーもフレームを大幅に加工していた。
そのため強度が大幅に下がり取付はゴム系接着剤を併用している。
フレームと床下の接触部が殆ど無くTNカプラー取付ボス部へゴム系接着剤を塗布し安定化を図った。
当時はこれで十分だったもののいざ撤去となると弊害に変わる。
TNダミーカプラーを撤去するとボス部に接着剤滓が残った。
ご丁寧にボス孔形状に合わせてゴム系接着剤を盛ったため一部が台枠と座席部品の間に入り込んでいた。
止むを得ず床板を分解し接着剤を除去している。


京成3600形用TNカプラーSP化された運転台側(クハ3618)。

接着剤滓さえ取り除ければTNカプラーSPを嵌め込むだけでいい。
3600形用TNカプラーSP化は過去の記録に従いカバーを切除しただけである。
車体との嵌合に不安が無いと言えば嘘になる。
個体差があるはずで床板を組み込むまでは安心できなかった。


車体と干渉しなかった京成3600形用TNカプラーSP(クハ3611)。

その結果クハ3618,クハ3611でも支障なくTNカプラーSP化が行えた。
カバー短縮幅の不足は無かったらしい。
転用の難しい3600形用TNカプラーSPは積極的な製作に向かない。
発生品が出なければTNダミーカプラーを継続使用していたと思う。
その点では運良くジャンパ連結器を折損させたTNカプラーSPが捻出されたと言える。
あくまで結果論でありTNカプラーSPの細工は十分に気を付けたい。


竣工したクハ3618,クハ3611。

クハ3618,クハ3611はジャンパ連結器が無くなりすっきりとした床下見附に変わった。
最後のTNダミーカプラー装着編成だったため交換後の方が見慣れた感が強い。
この様な展開で3618F-1のTNダミーカプラーの廃止を行えるとは思わなかった。
TOMYTEC製3500形3592F後期仕様のTNカプラーSP化で暫減したばかりだったが予備品を用いずに済んでいる。




クハ3618(京成3600形用TNカプラーSP化)。




クハ3611(京成3600形用TNカプラーSP化)。

TNダミーカプラーは連結器後端をゴム系接着剤で固定していた。
下垂を防ぐためフレーム側にも接着剤を盛りダミーカプラーとして十分な外観を持つよう一捻りを加えていた。
そのためTNカプラーSP化後も連結器位置の違いは殆ど見られない。
胴受の肉厚が若干増しジャンパ連結器撤去と相俟って安定感が増したように思える。




3618F-1 (運転台側京成3600形用TNカプラーSP化)。

カプラー交換を終え3618F-1が再出場した。
これで3600形系列は全編成TNカプラーSP同等に変わり外観の統一が図られた。
このうち京成3600形3658F前期仕様(3658F)だけはSPフレームTNダミーカプラーを使用している。


京成3600形3618F-2,3618F-1。


京成3600形3658F,3618F-1 (SPフレームTNダミーカプラー,TNカプラーSP)。

SPフレームTNダミーカプラーはTNカプラーSP擬製作時の余剰部品を再用した。
連結器のみTNカプラーが出自でフレーム類はTNカプラーSPの部品を使用しており外観差は殆ど無い。
加えて京成3600形3668F現行仕様(3668F)を除き連結機会を考慮していないためダミーカプラーでも十分である。


3618F-1サイドビュー(クハ3611:京成3600形用TNカプラーSP化)。


3618F-2サイドヒュー(クハ3611:京成3600形用TNカプラーSP装着車)。


3658Fサイドビュー(クハ3651:京成3600形用SPフレームTNダミーカプラー装着車)。


3668Fサイドビュー(モハ3661:京成3600形用TNカプラーSP装着車)。

クハ3618,クハ3611のTNカプラーSP化によりTNダミーカプラーが余剰になった。
今後TNダミーカプラーを採用する編成は現れない可能性が高い。
過去の細工失敗により使用不能になったTNカプラーの各種部品も保管している。
そこでロアフレーム,アッパーフレーム,線バネを再用しTNカプラーに復帰させた。


TNカプラーに復元した元TNダミーカプラー。

TNダミーカプラー製作には連結器本体への加工は一切行わなかった。
その事がTNカプラーへの復旧を可能にしている。
クハ3618,クハ3611のTNカプラーSP化が主工程だったが思わぬ副産物を生んでくれたと言えるだろう。

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