試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

芝山3600形モハ3606[3618F-1] 前期仕様 動力ユニット整備(加速度改善),ランボード波打現象簡易修正試行

2018-01-18 21:18:07 | 京成線:3600形
固着。

マイクロエース製動力車の整備は最終章に入った。
京成3600形グループが最後を締めくくる。
これまでの慣例に従い編成管理番号順で整備を進める。


芝山3600形3618F 前期仕様。
3618F-1:3618-3617-3616-3607-3606-3613-3612-3611。
※白地種別幕編成。

京成3600形グループは4編成が在籍している。
最若番編成は芝山3600形3618F前期仕様(3618F-1)と京成3600形3618F芝山色(3618F-2)だった。
3618F-2は芝山3600形3618F(二代目)を京成車復籍直後に仕立てた。
従って3600形グループの動力ユニット整備第一陣は京成形式ではない3618F-1が先発となった。


入工中のモハ3606(3618F-1)。

京成3600形グループの大半は動力ユニットの状態が良かった。
3618F-1も当たりの部類に入りモハ3606の回着整備記録では光り輝く導電板が確認できる。
しかし詳細は全く記されておらずクリーニングを施した事実しか判らない。
恐らくFS-513動力台車の純正グリス除去程度で終えたと思われる。
導電板はクリーナーでの拭き上げさえ行わなかった可能性が高い。
3618F-2の出場は2016年3月だった。
品質改善が伺え始めた頃の製品で何も措置を施していない導電板の状態を確かめる良い機会と言える。
1年10箇月が経過した導電板がどの様に変化しているか期待半分で動力ユニットを分解した。


2年弱が経過した未措置の導電板。

導電板は多少の曇りこそ生じていたものの目に余る様な酸化は見られなかった。
激しい劣化も覚悟していたが品質向上は確からしい。
しかし仔細に見ると指紋痕の浮き上がりや部分酸化が発生しており万全とは言えない。
ただ決して状態は悪くなくラプロスを#2400から#4000へ変更し回着当時に近い状態まで引き上げた。


ラプロス#4000での研磨を終えた導電板。

ラプロス#4000ではなかなか指紋痕を落とせなかった。
この様な箇所には#2400が有利である。
しかし仕上げの違いが表面化する事を嫌い#4000のまま導電板の研磨を進めた。
但し1000形モハ1029中期仕様(1037F-4)より以前に整備入場した車両に比べ作業効率が高くなった。
この状況が続くようであれば回着整備時の研磨は最低限の措置で十分かもしれない。


良好な状態を保つモーター周り。

モハ3606はスケールスピードには達するものの他3600形編成より加速度の低い状態が続いていた。
疑念を抱いたモーターは単独駆動試験でスムーズに回転した。
当初モーターへの注油を考えていたが試験結果と経年を考え取り止めている。
なおモーター軸も綺麗なままで清掃さえ不要だった。


一部純正グリス除去だけ行われていたFS-513動力台車(成田寄)。

加速度が上がらない原因はFS-513動力台車に絞られた。
回着時から純正グリスの白塊は無かった模様である。
クリーニングとはギアボックス内側に付着した純正グリスを除去したものらしい。
そのためか上野寄,成田寄ともFS-513動力台車は予想より煌めきが低かった。
しかし成田寄FS-513動力台車は車輪の回転が重い。
モーターの回転力を相殺していると思われた。


クリーナーで清掃したギアボックス一式(上野寄)。

純正グリスは完全に取り除く。
クリーナープールを用意しFS-513動力台車の分解に取り掛かった。
すると成田寄FS-513動力台車の主ギア用センターピン押し込みに大きな抵抗があった。
純正グリスで固着してしまったのかもしれない。
結局強引に押し出しクリーナープール直行となった。
ギアボックスのセンターピン支持孔も入念にクリーナーを行き渡らせ清掃を行っている。
各部品の清掃後はセンターピン挿入も通常製品並に戻った。
一方上野寄FS-513動力台車に怪しい箇所は見られなかった。


手作業で清掃が行えた動軸ギア(成田寄)。

FS-513動力台車への純正グリス投入量は初めから控え目だったように思える。
小ギア類は部品数都合が絡みクリーナープールを用いた。
時間さえ気にしなければ手作業で進められただろう。
動軸ギアは純正グリスの付着が目立たずクリーナーを浸した極細綿棒と歯ブラシで仕上げている。


何も手が加えられていなかったスパイラルギア一式(上野寄)。

FS-513動力台車は最低限の清掃が施されていた。
ところがスパイラルギア周りは手を着けた形跡が無く純正グリスに塗れていた。
クリーナープールに漬けたが思うように溶解は進まずモハ1029と同様の結果になってしまった。
ギア谷の純正グリス残滓が大幅に目立ったため歯ブラシを最大限に活用している。
最終的には真鍮色を取り戻し手遅れにはならなかった。


軽快な回転に改まったFS-513動力台車(成田寄)。

全部品の清掃を済ませFS-513動力台車の組立に取り掛かった。
車輪回転の重かった成田寄FS-513動力台車は上野寄と同等に達し抵抗軽減に繋がったと思われる。
この後タミヤ製グリスを塗布し動力ユニットの復元に入る。
3600形用動力ユニットの組立には1箇所だけ落とし穴があった。
ユニットカバーの方向刻印は[⇨]が正で台枠やモーターカバーとは逆方向を向く。
記録を残しながらの作業進行が幸いし騙されずに済んでいる。


所要工程を終えた動力ユニット。

組み上げた動力ユニットを津川洋行製ホイールクリーナーに当て踏面清掃を行い全工程を終えた。
試験走行では加速度の向上がはっきりと判った。
モハ3606の調子が上がり切らなかった原因は成田寄FS-513動力台車で間違いないと思う。
動力ユニット整備は終えたがもう一工程を付け加えた。
回着時からランボードに波打ちがあり修正を図れるか試行する。


溶着したランボード取付脚。

ランボードの波打現象は3618F-1以外でも生じている。
車体への固定はランボード脚全てに頼っている訳ではない。
歪みが目立つのは中央扉上部だった。
戸当たりゴムモールド直上のランボード脚は取付脚を有する。
この箇所を流し込み接着剤で溶着し完全固定した。




モハ3606(3618F-1:ランボード波打現象簡易修正試行)。

施工後のランボードはまだ波打現象が残る。
但し円弧状に歪む状態からは脱せた。
根本的にランボード脚に対して挿入孔が少なく完全解消には一度撤去して面取りするしかない。
この施工は3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F-1)を除く3600形M1車に施す予定である。

モハ3606の性能を取り戻し3618F-1が再出場した。
これで他3600形編成に対し出遅れる事は無くなるだろう。
3600形グループの動力ユニット整備は最先の良いスタートを切れたと思う。

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