試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3600形モハ3602[3658F] 現行色 8両編成 中期仕様 動力ユニット整備(駆動不調改善:モーター軸清掃施工)

2018-03-11 21:30:07 | 京成線:3600形
意外。

マイクロエース製動力ユニット整備は最終章の京成3600形グループに入っている。
モハ3606芝山色(3618F-2)までの整備を終えモハ3602現行色8両編成中期仕様(3658F)が対象車となった。
編成管理番号順に整備を進めている都合で京成現行色を纏う3600形が初入場を迎えた。


京成3600形モハ3602 現行色 8両編成 中期仕様(3658F)。

モハ3602の工程にはモハ3658,モハ3652(3658F)で先行したランボード波打現象修正を組み込む。
未入場の3600形は3668F現行色VVVF制御編成中期仕様(3668F)のみとなりこの作業も一旦終了となる。
今後の3600形増備時には回着整備へ格上げする。
M1車系は側面行先表示器の基準幕化だけで竣工させられたが工程が増える事になった。


入工中のモハ3602。

入場に当たり動力ユニット整備とランボード波打現象修正のどちらを先行させるか考えた。
溶着都合でランボード修正を先発する手段も利点がある。
しかし工程数の多い動力ユニット整備は途中で打ち切り難い。
よってランボード波打現象修正は後に廻し動力ユニットの整備から開始する。


分解した動力ユニット。

モハ3602の回着整備は導電板の拭き上げとFS-513動力台車の純正グリス除去しか行われていない。
導電板は当たりに該当し目立った酸化や指紋痕が見られなかった。
2016年3月の竣工から約3年が経過したところである。
この回着整備が作用したか不明だが最近は段付加減速,急停車,低速走行等の不調が現れている。
走行毎に症状が変化する厄介な状況でありこれの解消を目指した。
モーターカバーを取り外すと上野寄導電板の端部が変形し固定部から外れていた。
付近には台車集電板との接点があり急停車の要因だと思われる。


研磨と整形を施した導電板。

導電板も回着当時には気付かなかった指紋痕が浮き上がっていた。
酸化は予想より進行していなかったものの指紋痕の除去するためラプロス#4000で磨き上げている。
研磨後に上野寄導電板を整形しモーターカバーのスリットから外れ難くした。
台車集電板との接触部付近から角度を寝かせモーターカバー側へ反らせた。
無事モーターカバーに収まった導電板だが後で再修正に迫られる。


糸屑を除去したモーター軸。

ひとまず急停車の一要因が潰せた。
まだ段付加減速や低速走行の課題が残る。
駆動系統の不調原因追求には切り分けが必要だった。
先ずFS-513動力台車を撤去し軽負荷下でのモーター単独駆動試験を行った。
電極を端子に直結させてもモーターはぎくしゃくした動きをする。
明らかに様子がおかしくモーターストッパーを撤去した。
挙動不審の要因はモーター軸に巻き付いた糸屑と埃だった。
糸屑はモーター軸受付近まで達しており慎重に取り除いている。
不調を訴えてからの負荷を考えモーター軸受部には注油を施した。
何故モーター軸部に糸屑や埃が侵入したか判らない。
この様な現象は初でいまいち腑に落ちない点である。
整備後のモーターは力強い回転に戻り不調からの脱出が感じ取れた。


純正グリスが残るFS-513動力台車(上野寄)。

不調の主因はモーター廻りだと判明した。
入場前はFS-513動力台車にも疑いの目を向けていた。
整備順が幸いしFS-513動力台車は純正グリス除去に注力するだけで良くなっている。
回着時の清掃は純正グリスの白塊を取り除いた程度だと思われる。
そのためギア廻りは油脂で煌めいていた。
ギア類はFS-513動力台車の分解と同時にクリーナープールへ直行している。


脱脂を終えたギアボックス,動軸ギア,ロアフレーム(成田寄)。

ギアボックスは純正グリス塗れだった。
クリーナーを浸した綿棒で徹底的に清掃を行っている。
不思議な事に動軸ギアは純正グリス付着量が少なかった。
クリーナープールは必要無く歯ブラシを主に清掃を進めた。
比例するようにロアフレームも綺麗な状態を保っており上野寄,成田寄共比較的短時間で純正グリス除去を終えた。
通電不良の疑いが残る集電板は接点をラプラス#8000で磨く対策を施している。


プラスチック地に戻ったギアボックス一式(上野寄)。

クリーナープールから引き上げたギア類のうちプラスチック製品は純正グリスが完全溶解しなかった。
各部に白い膜状のようなものが残る。
ギア1/4事に区切りクリーナーを浸した極細綿棒と歯ブラシで残滓除去を行った。
金属製スパイラルギアもギア谷に純正グリスが散見された。
モハ3602の純正グリスは今までの整備施工車と何かが違うらしい。
3618F-1,3618F-2では生じておらずモハ3628(3668F)の入場を前に予備情報を得られている。


整備を終えたFS-513動力台車(成田寄)。

マイクロエース製動力台車にはタミヤ製グリスを添加している。
今回はグリスの保管状況が悪く暖房機の側にあった。
粘度が極端に下がったグリスは厄介だった。
適正分量が掴み難くどの程度塗布すれば良いか判らなかった。
艶の無いギアはグリスで保護されると表面の仕上がりが変わる。
これを頼りにギアボックス全体へ馴染ませた。
恐らくモハ3602のタミヤ製グリス投入量は過去最少だと思う。


整備工程を終えた動力ユニット。

各部品の整備が完了し動力ユニットを組み立てた。
津川洋行性ホイールクリーナーでの踏面清掃が最終工程となる。
ホイールクリーナーに載せた動力ユニットだが上野寄FS-513動力台車の清掃で不具合が生じた。
解消したと思われた段付加減速が再発してしまった。
各所への対策を遡り到達したのは導電板整形だった。
モーターカバー側に反らせた導電板は動力台車との接点を遠ざける原因にもなっていた。
再度整形を行い台車集電板と接触する導電板の角度を起こした。
その結果動力ユニットは快調さを取り戻し症状の完全解消に漕ぎ着けている。


ランボードを撤去したモハ3602。

動力ユニットの整備が完了した。
日付を跨ぐまでにはまだ時間が残っている。
このままランボード波打現象修正に取り掛かった。
モハ3602のランボード固定は車体中央部を除く4点止めだった。
流し込み接着剤は多目に投入されており車内側の取付口は原形を留めていない。
溶着滓は全て縫い針で突き崩し長方形へ復した。


波打ちが判り難くなった再装着後のランボード。

ランボードも取付脚に溶着時のプラスチック滓が付着した状態で撤去された。
全てクラフトナイフの背を用い形を整えている。
車体へランボードを仮敷設し妻面方向への移動代を確認した。
後は片側毎に取付脚を再溶着させるのみとなる。
モハ3658で採用した取付脚を浮かせた位置からの流し込み接着剤投入にしている。
これにより固着待ち時間は殆ど掛からなかった。




モハ3602(動力ユニット整備,ランボード波打現象修正施工)。

モハ3602のランボードも俯瞰での波打ちを抑えられた様に見える。
駆動不調の改善とを併せ納得して竣工を迎えられた。
3658Fは芝山3600形3618F前期仕様(3618F-1),3618F-2と仕様が統一され再出場している。

そして一連のマイクロエース製動力ユニット整備もモハ3628(3668F)の入場を待つだけとなった。
3600形以降に増備した編成からは動力ユニット整備と同等の工程を回着時に組み込んでいる。
経年対策を主眼に置いた動力ユニット整備はモハ3628が最終入場車となる。
不調の兆しが見られるため早期に整備を行う方向とする。

※ランボード反転取付判明→修正済。

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