試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3600形クハ3601[3608F] 1次車 朱帯色 ライトユニット前尾灯用遮光テープ追加試行 ※メーカーエラー修正

2018-12-24 21:43:59 | 京成線:3600形
模倣。

マイクロエース製京成3600形クハ3608朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)の第二次整備前にクハ3601を入場させる。
クハ3601はメーカーエラーと思われるライトユニット前面の遮光テープ不足に気付いた。
縦方向の遮光テープが貼られておらず前尾灯点灯時に漏光が生じる弱点を抱えている。


京成3600形クハ3601 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。

ライトユニット前面への遮光テープ貼付は今LOTから採用された。
前尾灯の漏光は既存編成でも生じており変更が無ければ気にしなかったと思う。
しかしクハ3608(3608F)との違いが明らかになった。
遮光テープはスポンジ状で小手先の細工が通用すると思える。
手持ちの100円ショップで購入したクッション付テープで代用可能か試行する。
結果次第では在籍中の3600形系列全編成に水平展開が図れる発展性を含む細工となった。


入工中のクハ3601。

ライトユニット周囲へ手を加えると同時に床板も分解する。
並行して脱落気配のある種別表示器用プリズムも修正を施す。
大きくぐらつく種別表示器用プリズムは何故かライトユニットに収まったままだった。
モハ3661現行色VVVF制御車中期仕様(3668F-1)の整備入場時では床板嵌合時に外れた。
指先で触れても踏み留まるクハ3601の種別表示器用プリズムとは対照的だった。
ここも何らかの対策が採られた可能性があり構造を再確認する。


変更箇所が伺えない床板一式。

前照灯用プリズム及び種別表示器用プリズムは座席部品の取付孔で支持されている。
嵌合は1点だけでメーカーでの溶着が甘かったモハ3661は脱落へと至った。
3600形系列全編成では座席部品裏面より流し込み接着剤を投入し脱落防止策にしている。
当然3608Fでも踏襲する予定だったが一向に脱落しない種別表示器用プリズムは逆に疑念を抱かせた。
どの様な措置が採られたのか引っ掛かり遮光テープ追加試行を機に床板の分解へ踏み切らせる。
ところが座席部品を確認しても特に成形が改められた箇所は伺えなかった。


分解したライトユニット。

相変わらずプリズム類は1点嵌合のままである。
従来はこの時点で流し込み接着剤を投入していた。
今入場は解析を含むためライトユニットの撤去へと進む。
ライトユニット側面に貼付された遮光テープは座席部品との嵌合部を覆っており剥離しなければならない。
組み立てる際には再び同位置へ戻す必要があり粘着面を傷めないよう丁寧に剥がした。
埃附着と紛失防止を兼ね上段側ライトケースに貼り付けている。
ここで種別表示器用プリズムが外れない原因が判明した。
漏光対策はライトユニット内部にまで及んでおり座席部品側へ遮光テープが追加されていた。


溶着した前照灯用プリズム,種別表示器用プリズム。

種別表示器用プリズムの嵌合脚は種別表示器枠内から外れた箇所にある珍しい成形がなされている。
この直上へ遮光テープが貼り付けられ脱落を未然に防いでいた。
座席部品には種別表示器用プリズムの嵌合部を受け入れられるよう切り欠きが設けられている。
確かに前照灯への漏光を招く形状ではあるが上段側ライトケースには何も変更が見られない。
漏光対策の他に種別表示器用プリズム脱落を防ぐ狙いが隠されているのかもしれない。
結局成形は全く変更されていないと判り座席部品裏面の取付孔から流し込み接着剤を投入した。
これで今後前照灯用プリズム,種別表示器用プリズムが移動・脱落する心配は払拭されている。


クハ3608の厚みに準拠したクッション付テープ。

種別表示器用プリズムへの疑念が晴れいよいよ前尾灯漏光対策試行へ突入する。
クハ3608の縦方向に貼付された遮光テープは比較的薄い。
持ち出したクッション付テープとは4倍近い差がある。
取り敢えず製品仕様に倣いクッション付テープの薄型化を図った。
貼付位置は座席部品の前照灯用プリズム,尾灯用プリズム両切り欠き部の僅かな間しかない。
粘着力を発揮できるか微妙な幅だったが無事に貼り付けを終えた。
ただクッション付テープは非常に裁断し難く座席部品上段より張り出してしまった。


それらしく仕上がったいんちき遮光対策。

純正仕様のクハ3608は運転台側と助士側で処理が異なっていた。
運転台側:十字形,助士側:T字形に貼付されておりクッション付テープの張り出しは運転台側と近い。
クッションそのものも圧縮されるはずで構わず上段側ライトケースを組み付けた。
ライトケース前面水平方向に貼られた遮光テープの上にクッション付テープを押え付ける。
組み上げたライトユニット前面はクハ3608用床板の外観と近い仕上がりとなった。
車体への挿入も入場前と変わっておらず期待を抱いての点灯試験実施を迎えた。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:前照灯(第一次前尾灯漏光対策試行)。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯(第一次前尾灯漏光対策試行)。


クハ3608 点灯比較[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯(遮光テープ増強車)。

その結果は何とも微妙なものだった。
製品原形より漏光は減少したがクハ3608には届いていない。
期待が大きかっただけに少々落胆した。
クッション付テープの厚みに誤りは無く何が不足したのかさえ判らなかった。
不幸中の幸いでライトユニット組立時に側面用遮光テープの復旧を失念していた。
失敗に終わった第一次試作のクッション付テープを剥離し漏光対策強化を続行する。
効果の低さはクッションの反発力に拠るものと考えた。
車体との嵌合でクッション付テープは必ず変形してしまう。
この圧に耐えられる厚さが必要だと思われた。


台枠前端部まで前進したクッション付テープ。

この後は試行錯誤が続いた。
少しずつ切り出し厚を改めながら点灯試験を繰り返す。
なかなか思うような結果を導き出せずクッション付テープからプラ板への変更も考えた。
しかしプラ板では車体のライトレンズを避けるため凹形への整形に迫られる。
他に充てられる素材も見当たらずクッション付テープのまま何度も再挑戦した。
遂にクッション付テープは台枠前端部を凌ぐ厚へと達した。
この厚みは第一次試作品の倍に等しい。
更なる増加は粘着安定性を損なう危険性が高まるためこれを限界値とした。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:前照灯(第六次前尾灯漏光対策試行)。


クハ3601 点灯試験[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯(第六次前尾灯漏光対策試行)。


クハ3601 点灯比較[■ ■ ■ ■ ■]:尾灯(製品原形)。

ライトユニットの側面用遮光テープはクッション付テープの再交換が有り得るため貼付を見送った。
好結果に至らなかった場合は台枠前端に揃えた位置で断念する。
クッション付テープが台枠前端から迫り出す状態にも関わらず車体への組み込みは当初と殆ど差が感じられなかった。
そして実に六度目となる点灯試験を迎える。
半ば諦めかけたいんちき遮光対策だったが最後の最後で答が出た。
ようやく尾灯点灯時の漏光がクハ3608並に落ち着いてくれた。
使用した100円ショップのテープは相当クッションが柔らかかったらしい。
点灯試験終了後に床板を取り外すと凹形へ変形した状態だった。
なおライトレンズの圧はクッションが吸収した模様で貼付位置に変わりは無い。


遮光対策試行が完了したライトユニット。

地道な作業の繰り返しで施工内容は薄いと言わざるを得ない。
その代わり大きな結果に結び付けられた。
第二次整備はクハ3608を先発させこの間追加したクッション付テープの安定を高める。
これで漏光が再発しなければ本施工に格上げする予定である。
クハ3601へのいんちき遮光対策は今後に繋がる収穫を得られた試行になったと思う。
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