試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3600形モハ3603+モハ3602[3608F] 1次車 朱帯色 (KATOカプラー化,モハ3602 ランボード波打対策施工)

2018-12-21 22:59:50 | 京成線:3600形
難航。

マイクロエース製京成3600形3608F朱帯色登場時仕様(1次車:3608F)の第二次整備を開始する。
入場順はモハ3603+モハ3602→モハ3607+モハ3606→クハ3608→クハ3601に仮決定した。
モハ3606(動力ユニット搭載車)とクハ3608,クハ3601は別工程が加わるため無難な選択だと思う。


京成3600形モハ3603 1次車 朱帯色 登場時仕様(3608F)。

3608F全車の共通施工項目は側面行先表示器基準幕化である。
モハ3607,モハ3603は上記にKATOカプラー化が加わるだけで然程時間を要さないと考えた。
M1車は経年と共にランボードの波打ちが生じてしまい流し込み接着剤にて修正を行っている。
既に京成3600形3618F芝山色(3618F-2),3658F現行色中期仕様(3658F),芝山3600形3618F(3618F-1)は全M1車の対策を済ませた。
現状では形態を保つモハ3602も何れ発症する恐れがある。
そこで既存編成と同様の措置を施し事前対策とする。


入工中のモハ3603。

入場順はあくまで仮決定であり時間次第ではモハ3607までの入場を考えていた。
モハ3606の動力ユニット整備は極力1両でやり過ごしたい。
3600形の側面行先表示器基準幕化はHゴム支持再現の都合により側面窓セルを取り外さずに行える。
モハ3603の整備工程は2項目に限られ何れも過去に施工した内容であった。
よって先発入場はモハ3603としモハ3602のランボード波打現象事前対策に余裕を持たせる。
手早く作業を終わらせモハ3607を含めた3両を同日竣工させる算段だった。


基準幕化された側面行先表示器(海側)。

ところがモハ3603は貫通扉窓セルが無いメーカーエラー品を引き当ててしまった。
連結部は走行時に目立たない箇所だが出場当初から瑕疵を抱える状態が気に食わない。
解消には保管品やジャンク車両で貫通扉窓に相当する透明部品を探るしかない。
これには現物合わせが伴い作業遅延は確実となった。
早くもモハ3607の入場は断念に追い込まれている。
貫通扉窓セル捜索は先送りとし側面行先表示器の基準幕化から取り掛かった。


存置されるカプラースプリング(成田寄)。

在籍編成では側面行先表示器へのステッカー貼付を見送っている。
そのため基準幕が印刷されていない京成形式は全て青マッキーで行先表示器を塗り潰してきた。
3600形は透明セルのままであり京成形式らしさを演出するには欠かせない工程と言えた。
側面窓セルの行先表示器裏面は凸形成形が成されている。
このお陰で側面窓セルは撤去が不要となった。
青マッキーは細字側を用いるため予め車内天井をマスキングテープで養生する。
大雑把に青色化した後は車外から塗り漏れを確認するだけである。
車体への小細工は1工程に限られKATOカプラー化へ移った。


カプラースプリングを押し込むKATOカプラー(上野寄)。

マイクロエース製品のKATOカプラー化はカプラースプリングを組み込む必要がある。
カプラースプリングを存置しない状態ではKATOカプラー全体が下垂してしまい走行中の解結に至る。
KATO製品でさえ同様の方式を採り入れており定番工程と化した。
かつてはカプラースプリングの取り扱いに苦慮していたが現在は精密マイナスドライバーしか用いていない。
カプラーポケットの先端へカプラースプリングを斜めに据え置く。
そして横方向に向けたKATOカプラーを押し込み基部の凸形成形下段でカプラースプリングを圧縮する。
この状態のままマイナスドライバーにてカプラースプリング端部を凸形成形上段へ移動させKATOカプラーを回転させる。


KATOカプラー化されたFS-513非動力台車。

この方式を採り入れてから作業が高速化された。
ピンセットで押さえる必要は無くカプラースプリングが何処かへ飛び去る危険も廃された。
KATOカプラー化は労する工程ではなくなり時間が読み易い作業へと変わっている。
側面行先表示器基準幕化も3600形ならではの構造に助けられ本来であればモハ3603を竣工させられた。
しかし行く手を阻んだのは貫通扉窓セルである。
最終手段は面一化を放棄し凹面のまま適当な透明セルを直接貼り付けるしかない。
取り敢えず手持ちの部品から転用出来そうなモールドを持つセルを探った。




転用されたマイクロエース製3200形用貫通扉窓セル(成田寄)。

極力凹面取付は避けたくHゴム支持窓も捜索対象にしている。
しかし3600形の貫通扉窓寸法に合致する部品は現れなかった。
最後に目に止まったのはマイクロエース製3200形元モハ3239現行色だった。
元モハ3239は部品取用途で導入したジャンク車両である。
貫通扉窓は妻面窓と一体成形された妻面窓セルをモハ3603に当てたところ見事に嵌まってくれた。
3200形用妻面窓セルから貫通扉窓部だけを切り出す。
嵌合には頼れないためセル代の三辺へゴム系接着剤を薄く塗布し車体に固定した。




モハ3603朱帯色(3608F:側面行先表示器基準幕化)。

貫通扉窓セルを捜し当てるまでに30分以上も費やした。
考えもしなかったメーカーエラーに足を引っ張られモハ3603朱帯色(3608F)の竣工は大幅に遅れている。
結果はそれなりの見附へと至り及第点を与えても良いと思う。
但し貫通扉を有する部品取車は元モハ3239だけのはずである。
まだ未入場の3648F現行色8両編成仕様(3648F)も残されており安心は出来ない。
側面見附は行先表示器が基準幕化されたのみに映るが色数が少ない分効果的に見える。


入工中のモハ3602朱帯色登場時仕様(3608F)。

モハ3603での遅れを引き摺ったままモハ3602(3608F)が入場した。
ランボード波打現象事前対策は既存編成と同様に行えると思っていたがここでも想定外の事例が待っていた。
そうとも知らず作業は短時間で終えられるKATOカプラー化から開始している。
分解して真っ先に確認したのは妻面窓セルだった。
貫通扉窓の存在は入場前に確認を済ませ問題無しと判った。
引っ掛かったのはその形状である。


正規の貫通扉窓付妻面窓セル(成田寄)。

モハ3602の成田寄妻面窓セルは妻面窓を含む一体成形だった。
明らかに形状が異なっており何故この様なエラーが生まれたか非常に不思議である。
貫通扉窓が無かったモハ3603は誤って成田寄に上野寄用窓セルを取り付けたらしい。
上野寄用窓セルは貫通路を避けるよう門形成形がなされている。
3200形用貫通扉窓を取り付ける猶予が残されてたのは幸いだった。
クハ3608,クハ3601ではライトケースの遮光テープ本数に違いが見られた。
6両中2両がメーカーエラー品に相当しており出荷検品体制の強化を図ってもらいたい。


固定対象に挙がったパンタグラフ踏板(成田寄)。

KATOカプラー化は難なく終了し車体関連の作業に着手する。
先に側面行先表示器基準幕化を施し屋根板周りを確認した。
するとモハ3602はパンタグラフ踏板の嵌合が甘いと判った。
パンタグラフ踏板は3脚嵌合だが全て両端が浮き上がってくる。
車体内側の流し込み接着剤塗布跡は僅かに留まり断面まで浸透しなかったと思われる。
予定には無かったパンタグラフ踏板の固定化を余儀なくされた。
中央の嵌合脚を先に溶着させ上野寄,成田寄方向へ伸ばしながら各脚を固定した。
なお流し込み接着剤は車体取付口側から投入している。


貫通していなかったランボード取付口。

ようやく本工程のランボード波打現象事前対策に入れた。
ところが此処でも不運が重なる。
ランボードは5脚嵌合で各々屋根板に差し込まれていた。
しかし車体内側は4箇所しか嵌合口が存在せず途方に暮れた。
ここで同一車体のモハ3652現行色中期仕様(3658F)を入場させモハ3602と比較した。
モハ3652を参照したところ側面行先表示器左側付近の嵌合口が行方不明だと判明した。
取付口は車体断面の途中まで開けられている。
ランボードの撤去は考えておらず車体内側から貫通させられるか試行した。


ランボード波打現象事前対策が完了したモハ3602 (モハ3652,モハ3602:3658F,3608F)。

モハ3652に従えば姿の見えないランボード取付口は車体天井の丸形モールド部中央に位置するはずである。
大凡の箇所を定め爪楊枝を押し当てる。
少しずつ移動させながら爪楊枝を当て続けるとようやく僅かな凹みが生まれた。
ただ爪楊枝では貫通まで持ち込めずニードルに持ち替えた。
凹みをニードルで貫いた後に捲れたプラスチックを削ぎ取る。
取付口は四角形が正規の形状だが流し込み接着剤さえ投入できれば構わない。
無理な拡大は行わず丸形のままとした。


昇降試験中のPT-48形パンタグラフ(上野寄)。

ランボードの固定方法はパンタグラフ踏板と変わらない。
元々は3600形既存編成のランボード波打現象解消方式でありこれをパンタグラフ踏板に応用しただけだった。
但し事前対策であり必要以上にランボードを変形させない事が注意点となる。
丸形で存置した取付口も関係し流し込み接着剤投入時はランボードを垂直方向から押さえるのみとした。
結局モハ3602の取付脚類は全て溶着に頼った。
同様の対策を施すモハ3606は展開が異なると願いたい。




モハ3602朱帯色(3608F:側面行先表示器基準幕化,パンタグラフ踏板・ランボード固定施工)。

PT-48形パンタグラフは上昇,下降姿勢共に問題無い。
既存編成では避雷器のぐらつきが目立ったがモハ3602は上野寄,成田寄双方ともしっかり固定されていた。
よって固定は行わず製品原形を維持している。
大迂回を経てモハ3602朱帯色(3608F)が竣工した。
まさか2両続けて計画から外れるとは考えてもいなかった。
既にモハ3603の入場から約130分が経過しておりここで力尽きた。
この調子ではモハ3607とモハ3606の入場を分離した方が無難だとさえ思える。


モハ3603:貫通扉窓追設施工。


モハ3602:正規妻面窓セル装着車。

さすがにモハ3603の貫通扉窓エラーは焦った。
同じ京成形式の元モハ3239から移設が図れたのは偶然ではないかもしれない。
様々ないんちき手法で誤魔化す手段を採ってきたがモハ3603ほど嵌まった事例は記憶に無い。
原形のモハ3602に対しても引けを取らなく見える。
固定方法こそ異なるものの製品仕様まで戻せたと言っても過言ではないだろう。
最後まで部品探しを諦めなかった賜物かもしれない。




モハ3603+モハ3602 (3608F:KATOカプラー化)。


3500形モハ3504+モハ3503 (3504F:サックスブルー成形カプラーアダプター装着車+サックスブルー成形カプラーアダプター装着車)。

3608Fはカプラーアダプター及びアーノルトカプラーが黒色成形品へと改められた。
サックスブルー台車+KATOカプラー+黒色成形カプラーアダプターの組み合わせは初登場である。
3500形3504F朱帯色後期仕様(3504F)はサックスブルー成形カプラーアダプターのまま出場させた。
3504FのカプラーアダプターはKATOカプラー化により違和感を弱められたと思っていた。
記録では判り難いがモハ3603+モハ3602はカプラーアダプターが埋没しFS-513非動力台車が更に浮き立って見える。
成形色変更の理由は不明だが今後も継続採用してほしい。
この記事についてブログを書く
« 京成3600形3608F 1次車 朱帯... | TOP | 京成3600形モハ3607,クハ3608... »