付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

★出力・容量より技巧

2023-09-03 | 雑談・覚え書き
 なんかコンピュータRPGの影響か、最近の小説の魔法使いとか魔術師は、生まれた直後から意識があって魔力を増大させたり、スゴい魔法スキルを覚えて大暴れというのが定番スタイルですが、力押しばかりが強くても面白くありません。
 魔力消費の少ない、ちょっとした魔法を工夫と技量で絶大な効果を生み出してしまう話をいくつか。

殺戮のための超・絶・技・巧』 竹本健治(1988)
「破壊力に眼を奪われて、思い違いをしてたんだ。サイ数値も我々の予想よりはるかに低い。だからチェックにもかからなかった。……ただ、奴には桁はずれのテクニックがあったのさ」 
 「100万分の1(パーミリオン)のネコ」と呼ばれる彼女は、存在自体が極秘扱いとされる凶悪犯罪者を狩ることを任務とする女性スナイパー。目的も方法も謎というテロ事件の主謀者“大鎌”を追って見棄てられた鉱業惑星グラビアに降り立ったのだが……。



スレイヤーズすぺしゃる①』 神坂一(1989)
「魔道士の真価は応用力にある。一見なんでもない凡庸な術でも、使い方しだいでは絶大な効果を発揮する」 
 姉の「世界を見て来い」の一言がきっかけで旅にでた、自称「天才美少女魔道士」のリナ・インバースは確かに凄腕の魔道士で、山を吹き飛ばすような大魔法から低レベルの魔法の応用まで自由自在。盗賊と見るや、問答無用でシバキ倒してはお宝全部独り占めが彼女のスタイルだ。


魔術師クノンは見えている』 南野海風(2021)
「嫌だ! 先生の小細工が好きだ!」
「ほんとに好きっていうなら小細工って言うな! 二度と言うな!」
 
 盲目で陰鬱な少年クノンが魔術の取得と侍女の影響で変に陽気でナンパな紳士になっていき、今までの反動か周囲もツッコミが難しい言動で周囲を振り回していく成長譚。ポジティブ過ぎる侍女イコとのコンビネーション、ひどいことを笑顔でさわやかに言い放つ主人公との会話が愉しいです。

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