付け焼き刃の覚え書き

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「その無限の先へ2」 二ツ樹五輪

2024-08-21 | 異世界転生
 ありとあらゆる願いが叶うといわれる『迷宮都市』に辿りつき、冒険者としての第一歩『トライアルダンジョン』を記録更新はもう無理という史上最速でクリアしたツナとユキ。前世が女で今世は男ということから来る性同一性障害に苦しむユキに、ダンジョンマスター杵築新吾は5つの試練を与えるから、それを1つクリアする毎に段階的に身体を女性に戻していこうと約束した。
 その最初が新人戦での勝利。デビュー1年以内の冒険者が3人組となって先輩冒険者に挑む恒例行事だが、昇格がギリギリになった2人には3人目を組む相手がいない。もうみんな決まっているのだ。さらに彼らの対戦相手として名乗り出てきたのは、迷宮攻略の最前線のエース、〈朱の騎士〉アーシェリアだった……。

「ダンジョンマスターもできることをやろうとしているだけだよ。無限回廊の先に何があるか知らないけど、……多分、この人にはあんまり時間がない」
 飄々とした態度でツナたちに接してくるマスターだが、その内面はもう壊れかけているとユキは気づいた。体感時間では25年ほどだが、迷宮内では時間が流れない。知る者はほとんどいないが、杵築新吾のパーティーはもう何百年と攻略を続けていて、元々の人格を忘れつつあった。

 MFブックス版の4巻相当まで。
 この作品の方向性を決定づけた3人目のメンバー、武闘家サージェント登場。登録1年足らずで中級に手が届きそうという有望株なのに性格は温厚、前世は圧政に反抗して立ち上がったレジスタンス指導者にして殉教者。そんな優良物件がぎりぎりまで売れ残っているには理由があって……という、もうこの人が出てくればいろんな意味で安心かつすべて台無しです。
 この話の登場人物、カポエラパンダからスキンヘッド兎男までみんな個性的なんだけれど、頭ひとつ飛び抜けてるよ。

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