巴里の中心で、ワンとさけぶ

笑いながら一気に読んでください! 愛犬・ラブラドールとのドタバタ巴里暮らし

負けない強さを教えてくれた人

2011年02月13日 09時06分25秒 | Weblog
 昨日の記事の続きのようなものですが、娘が勉強にも「よ~し!」と思いはじめたのには、実はきっかけがあるのです。
 去年の秋、ある日本人親子のパリガイドをしました。お母様は私と同い年、娘さんは建築を専攻していて、サヴォア邸など近代建築の巨匠ル・コルビュジエの建造物(わかったように書いてますが、私はこの分野まるで無知なので、行きたい場所リストをもらってから、慌てて調べました!)を見学するのが目的の旅でした。
 明るくて、とてもにこやかなおふたりでしたが、娘さんは幼い頃に受けた手術の医療ミスにより脚に障害がありました。階段の多いパリのメトロでの移動は難しいということだったので、移動はチャーターした車やタクシーでした。
 お母様の話では、当初は下半身がまったく動かなくなってしまったそうですが、リハビリを重ね、やっと、ゆっくりの歩行ができるところまで回復したのだそう。そして以後、後ろ向きな感情はきっぱり捨て去り、前だけを見つめて歩んできたとのこと。たとえ障害があっても隠れてほしくないから、学校の運動会などにも堂々と出させるようにした、とおっしゃっていました。
 で、この就職難の時代ですが、娘さんは日本人なら誰でも知っている一流企業にこの春入社するのです。内定も早く昨年の夏にはもらっていたようです。出来る人材はたとえ、その人に身体的な障害があっても”即戦力”になるならまったく問題にはならない、というお手本を見せてもらったような気がします。
「建築が好きで、それをひとすじに学び、追求してきたのがよかったんだと思う。だからあなたも馬が好きなら、それをずっと貫くといいわよ」というアドバイスを娘は彼女からいただいたのです。で、「お姉さんはスゴイ! 私もがんばる!」となったわけ。
 この親子が笑顔を忘れずに乗り越えてきた壁の数々を考えたら、うちらの異文化との戦いなんてたいしたことじゃないな……、とホント思いました。
 強くて、素敵な日本人親子に出会えたことに、今も感謝をしています。

*写真はただのイメージ。馬の背中から見たパリのアレクサンドル3世橋です。