沖縄・台湾友の会

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米上院外交委員長を収賄で起訴。金丸信を思い出した   ウクライナ支援追加予算審議が停滞という大詰めのタイミングで

2023-10-07 14:21:09 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)9月25日(月曜日)
         通巻第7922号 
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 米上院外交委員長を収賄で起訴。金丸信を思い出した
  ウクライナ支援追加予算審議が停滞という大詰めのタイミングで
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 米連邦議会下院でマッカーシー議長へ身内の共和党議員たちが造反。トランプ支持の共和党内熱狂組(およそ14名)が、ウクライナ支援追加予算を含む審議を中断させ、10月1日から一部の予算執行ができなくなる。
 そこに降って湧いた事件だ!

 9月22日、ニューヨーク州連邦地裁大陪審はボブ・メネンデス上院外交委員長とその妻を収賄などの容疑で起訴した。メナンデス上院外交委員長は、エジプトのビジネスマンから便宜をはかることと引き替えに金塊や多額の現金などを受け取っていた。FBIの六月の操作で現金や金塊が見つかっていた。金塊の一部は妻の銀行の貸金庫にあった。

 メナンデス議員の起訴は2015年の汚職事件についで二回目である。このときは捜査の立証が完全に成立せず、有罪から逃れた。

 今度は一年におよぶFBIの内偵の結果の起訴である。メナンデスの自宅から48万ドルの現金と10万ドル相当の金塊、メルセデスベンツの高級車などが賄賂の証拠として押収された。まさに民主党のカネ好き体質を象徴するようで、「外交委員会委員長」の特権的タイトルが虚栄のシンボルに映る。「ミニ・バイデン」か。

 米国のエジプト援助は年間13億ドル前後、イスラエル援助とは比べものにならないとはいえ、この援助審議のキーパーソンがメネンデス上院議員だった。かれは地元でも評判が悪く、「金塊ボブ」とか「腐敗男」と言われ、「ニュージャージー州は貧しくなったが、奴は豊かになった」」などと言われていた。

 起訴事実を否定しているメナンデス議員は「外交委員長のポストを容疑が晴れるまでおりる」とし、代理をベンジャミン・カーディン上院議員(民主党、メリーランド選出)が務める。カーディン議員は三期目のベテランでバルチモア出身。知日派としてもトモダチ作戦などを展開し、22年にはハガティ議員等と訪日して岸田首相と面会している。

ニュージャー州民主党は議員辞職を求める声が強くなっている。バイデンも、彼を斬らざるを得ないだろうが、メネンデス上院議員を解任できるのは州法によりニュージャージー州知事である。

 メナンデスはキューバ移民の子、セント・ピーターズバーグ大學に学び1986年にニューアーク市長、92年下院議員、2006年から上院議員。ヒスパニック系議員として初めて外交委員長をつとめ、とくにトランプ政権時代に政権と対立した。

 バイデン政権下ではウクライナ支援外交を舵取りしてきたが、共和党の反対で審議が遅れてきたうえ、この事件でウクライナ支援追加予算は否決される様相となった。
 このニュースに接して金丸信を思い出した。