ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

三十路記念の旅 西と南の果てへ その9

2024-02-17 01:35:28 | 旅行(道外)2020~
3日目 午後1時 ~おじぃの宿~

アーケード街でのお土産選びにゴーヤチャンプルー。
石垣島ですっかり沖縄旅を満喫しているが、もともと本日は与那国と波照間とのインターバル的な位置づけなので、午後の予定は全く決めていなかった。
せっかく晴れているので美しい石垣の砂浜でも見たい。
空港で入手した無料ガイドブックをめくっていると、ぼんやりと聞き覚えのある地名が目に入った。

島南部のフサキリゾートとその中にあるフサキビーチ。
ここ、14年前の沖縄修学旅行で宿泊した場所ではなかったか。
特徴的なパラソルと桟橋。確か夕方の自由時間に友人らと砂浜を散策し、南の島の夕陽に感動した記憶がある。間違いない。
そして沖縄料理のバイキングで人生初の海ブドウを食したのもここだったはず。

石垣島での一番の思い出を辿りに、ここへ行ってみよう。



石垣港バスターミナルから路線バスに乗り20分ほど、「フサキビーチリゾート」で下車し、リゾートのエントランスに到着した。
このあたりはいかにも南国らしいリゾート施設が点在しているが、ここはひときわ立派だ。
入り口に立っていたボーイに聞いてみると、隣接するフサキビーチは宿泊客以外でも利用可能で、リゾート内も自由に散策して良いとの事。
豪華なフロントに恐縮してしまうが早足で通り過ぎる。



ビーチを目指し外へ出ると「アクアガーデン」と「ビーチサイドプール」が一面に広がり、見事なまでに完璧な南国リゾートの景色に感動してしまった。夢の中にいるみたいだ。
ここは友人グループや恋人と宿泊したら一生の思い出になるだろうな。
私と同じバスで下車したサンハットにサングラスのTHE・バカンスなカップルが宿泊手続きをしており、とても楽しそうだった。





プールサイドから、ついにお目当てのフサキビーチへ。
白い砂浜、エメラルドグリーンの海。一気に沖縄の旅らしくなった。
やはり14年前に訪れたのはこの砂浜だった。





印象深かった桟橋とパラソル。ここも大変「映える」風景だ。
友人らと歩いた時も天気は晴れていて、雲の切れ間から海に夕陽が降り注いでいた。
そして砂浜にいた女子たちの写真を撮ってあげた気がする。
思い返せば私もちゃんと青春していた。


砂浜に面した宿泊エリアも少し見物させてもらう。
1棟1棟が独立してコテージのようになっており、宿泊サイトなどで調べてみると目が飛び出るほど料金が高い。
高校生の私はこんな豪華な場所に泊まらせてもらったのか……。両親への感謝と申し訳なさでいっぱいになる。

時々、ゴルフカートのような送迎車とすれ違い、旅行ガイドやインスタから飛び出て来たかのようなグラサンの女子グループが楽しそうにしていた。
やはり小汚いバックパック姿の私はここには似つかわしくないな。
宿泊者でもないのに長居するのは気が引けるので、この辺で失礼することにした。
またいつかお付き合いしている人と来たいな。




午後2時半のバスで終点のフェリーターミナルまで引き返し、そのまま待合室のベンチで3~40分ほど爆睡してしまった。
どうやら昨日の与那国島一周の疲れが残っているようだ。

まだ夕方だが、予定より少し早め、予約している宿へチェックインさせてもらうことにした。
観光地化が著しい石垣島はリゾートホテルしか無いと思っていたのだが、旅行前に調べてみると意外にもバックパッカー向けのゲストハウスやドミトリー(相部屋の宿泊施設)がそれなりにある。料金も1500円台からと格安だ。
今回の旅では石垣島はあくまで島旅の拠点。宿泊場所の条件は「フェリーターミナルに近いこと」だけだったので、格安宿で旅費を浮かすことにした。
ただ、さすがに相部屋は気を使って疲れる……という事で、カプセルホテルとドミトリーの中間のような施設を見つけたので連泊で利用させてもらう。共有のシャワールーム付きで宿泊費は1日2000円。


午後5時、フェリーターミナルから徒歩圏内の宿泊施設に到着し「すみませ~ん」と声を掛けるも、奥の宿泊スペース以外消灯されていて、スタッフが誰もいない。
ロビーで食堂も経営されているようだが、厨房も無人だった。
予約サイトのじゃ●んに載っていた携帯番号に掛けるとオーナーと思しき男性が出て、どうやら近くに別館(本館?)があり、こちらには常駐していないようだ。
宿泊手続きのためにこっちへ来てもらうことになった。

数分待って現れたオーナーのおじぃは島人らしく浅黒く日焼けしているが、人のよさそうな笑顔がまぶしい。
棚に置かれている宿泊カードに名前を書いてポストのようなボックスに投入し、これでチェックインは完了。入館時は対面での手続きがそもそも不要だったらしい。
「おにいさんは現地精算?カード支払い済み?」と聞いて来たので宿泊者情報を把握していないようだ。少し心配になる。


そして半個室のベッドが並ぶ宿泊部屋も利用方法が独特。
ホワイトボードの一覧を頼りに使っていないベッドを自分で探し、利用中である旨ボードに自ら記入する。
清掃がいまいち行き届いていない感じもあるが、安いのでここは目をつぶろう。

とりあえず自分のベッドは確保できたようなのでくつろいでいると、入り口の方から「すみませ~ん」と微かに聞こえる。
ついさっきの私と同じ状況か。おじぃはまた別館に戻ってしまっているようだ。
いつまでもおじぃが現れそうにないので私が様子を見に行くと、私の向かいのベッドで寛いでいたと思しきおじさんも出てきた。
どうやらこのおじさんは長期滞在中で、宿の独特のルールをよく分かっているようだ。チェックインの説明はおじさんに任せて一件落着した。

おじさんに少し聞いてみると、彼も当初は利用法が分からず混乱したようだが、寝泊まりするうちに「徐々に全貌が分かってきた」という。
話しているうちに小柄な別のおじさんが現れたのだが、聞くと彼はここのスタッフ。
宿泊者と一緒に寝泊まりしながら、ここの管理を行っているそうだ。なんじゃそりゃ。面白すぎる。


午後6時。おじさんにこの周辺の食事処を訪ねると「よければ一緒にご飯行きます?」と夕食に誘ってくれた。宿から10分ほど歩いたところにある定食屋でサンマの塩焼き定食を頂く。

おじさんは若そうに見えたが、年齢は60台半ば。
仕事を早期退職し、独身で資産も十分にあるので老後の生活を自由に楽しんでいるようだ。
東京在住で、石垣島に来た理由は「寒い冬が嫌だったから」。
格安航空ピーチの最も安い便で往路、復路それぞれ選んだところ、日程は1か月に。
今日で滞在2週間ほどらしいので、東京へ帰るまであと半分くらいか。
日々ジョギングや銭湯、新しい食事処を開拓したりと気ままな毎日のようで羨ましい。次は沖縄本島へ行きたいと仰っていたので、こういった何も背負わない老後生活も楽しそうだ。

帰り道もおじさんとの会話を楽しみ、途中コンビニで石垣島のご当地乳酸菌飲料「ゲンキクール」を購入した。
石垣市内の「八重山ゲンキ乳業」で生産しているもので、紙パックの見た目は生クリームだが、カツゲンと森永マミーを足して薄くしたような味であった。

次回、波照間島、渡れるか?
続く。
コメント
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