ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

宗谷本線秘境駅紀行 その5

2016-01-30 18:38:55 | 北海道内の旅行・風景
1日目 午後4時。

旭川行き普通列車で雄信内方面に戻ります。
列車本数の少ないローカル線の駅を巡る場合、このように上下の列車を組み合わせて効率よく行動するのが、秘境駅ファンにとって常識のワザなのです。
すぐに隣の雄信内駅に停車するも、やはりひとけは無く利用客もゼロ…(^_^;)。
そして次に目指すのは雄信内駅の隣の駅。既に辺りは薄暗くなり始めており、少し不安ですが…。

午後4時15分、日没が心配になりつつも下車。

…ホームがあまりにも小さいため、1両編成ですら盛大にハミ出て停車。しかも床はペラペラの木の板、除雪もされておらず…。
またハイレベルな駅の予感がしますよ。


乗客3人の列車、ディーゼル音を唸らせながらゆっくりと去って行きました。相変わらず真っ白ですね(^_^;)。

宗谷本線 糠南(北海道天塩郡幌延町大字問寒別小字川口)



いや~こぢんまりした駅だこと。ここは全国の秘境駅ファンには超有名な場所で、宗谷本線の真打ちともいえる駅。ホームに降りたとたんにいきなり洗礼を受けました(笑)。
なお、駅名表の「おのっぷない」の表記が上書きされて白くなっているのは、隣にあった伝説の秘境駅「上雄信内(かみおのっぷない)」駅が2001年に廃止されたため。

駅周辺、もちろん何も無いし、ひとけもゼロ。



家が全く見あたりません。遠くに人工物が見えると思ったら牧草ロールのカタマリでした。ここら辺は牧場の敷地になっているのでしょうか。
恐ろしいほどの静寂ですが、遠くから微かに牛の声が…。どこだろう。


さて、駅周辺のこんな光景はもう見なれましたね。もはや驚きもしません。
この駅の究極とも言える驚愕ポイントはコチラです。

ホーム横に設置された物置。これは除雪用具箱ではありませんよ。
…そう、そのまさかです(笑)。

スチール製の扉をガラガラッと開けると…!!



時刻表とビールケースが!これは椅子か!?

…そうなんです。この駅、信じられなくて笑っちゃいますが、
待合室が
ヨド物置!!!


こんな質素な駅は他に存在するでしょうか?
先ほどの安牛駅と良い勝負…、いや、それ以上かもしれませんね…。
ともかく、失礼しまーす。
うっわ!せまいwww


列車本数は上り2本、下り3本。ダイヤ改正後は更に1本減るという噂も…。まさに風前の灯といえますね。
ちなみに去年の12月24日、ここ糠南駅で秘境駅マニアによるクリスマスパーティーが開かれ(笑)、北海道新聞に取り上げられるなど多少の話題になりました(^_^;)。

物置の壁はもちろんペラッペラ寒さをしのげるワケがない。
室内(?)はやけに充実しており、駅ノートの他にいくつか本が。


「和田式センター数学1・A」「どこかで誰かと(永 六輔)」「日本の神々」「痴漢電車 粘着の生下着」「情報A、B」 「ワンダーフェスティバル2012 公式ガイドブック」「われらの北方領土」…
…なんだこの独特なチョイスはwww

よりによって一番ビミョーな情報の教科書を置くあたり、もはやネタとしか思えません(笑)。
この駅ツッコミどころ多すぎでしょ…。(^_^;)

日没せまる中、駅周辺を散策。

雪まみれになりながら近くの細い道に出るも、車は全く通りません。森の中へと続いていますが、どこへ通じているのでしょうね…。

すぐ近くの踏切より駅を眺める。

あぁ~、どんどん暗くなってきたよ…。

あのですね…。実を言いますと、次に糠南駅に停まる上り列車が無いので、これから隣の「問寒別」の駅まで歩いて脱出する予定なんですよね…。
これほどまでの無人地帯だとは思いませんでした。何とか暗くなる前に人里へ出なければ…。

集落へ続く道(たぶん)

街灯が…無いですよ。
こちらの道も深い森の中へ続いている模様。
やばいやばい、集落までどのくらいでしょうか?道順も不安だし…。


雪がしんしんと降り続き、相変わらず牛の声だけがはるか遠くから聞こえます。ブキミに光る街灯が僕を更に不安にさせる。
うわ~、参ったな…。道北地方の日没の早さを完全にナメてました。


とりあえず駅へ戻り、物置の中で駅ノートを書く。
扉を閉めてしまうと真っ暗で何も見えないので…全開に。やっぱりヨド物置は人の入る場所じゃないですよ…。

日没迫る中、物置の中でこの文を書いている。周囲は完全に無人地帯で街灯もなく、ただただ不安。
無事に問寒別の集落まで出られるだろうか?

寒さによる震えと不安のせいで字がグチャグチャになりながらも記入。なにやらサスペンス映画さながらの文章になってしまいました(笑)。糠南駅に行けば、僕のこの鬼気迫る文章を見る事ができますよ。


自身の計画の適当さにより、またもや危機的状況に陥ってしまった。

2016年冬の旅のハイライトが、早くも訪れようとしていた―。


次回!

ついに日没、ガチ遭難寸前!!
集落へ無事到着できるのか…!?寒すぎて身体に異常をきたす!!

続く。
コメント (2)
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宗谷本線秘境駅紀行 その4

2016-01-26 11:11:56 | 北海道内の旅行・風景
1日目 午後3時

普通列車 稚内行きに乗車中。
乗客はやはり少なく4人ほど。皆さん心なしか、雄信内駅からひとり乗りこんできた僕を珍奇の目で見ていた気がする…(^_^;)。
列車内は暖房が効いており、ずっと極寒の中にいた僕にとっては束の間の休息です。
…しかしもう次の駅で降りなくてはなりません…(笑)。再び極寒の中へ。

午後3時2分、温まる間もなく下車。


宗谷本線 安牛(北海道天塩郡幌延町字開進)



列車を降りたとたんに鼻を突く強烈なバイオトイレの臭い(笑)。ここも近くに汲み取り式トイレがあるのでしょうか。
しかもホームは申し訳程度にしか除雪されておらず、積雪のおかげでものすごく狭い(;一_一)。先程からの大雪のせいでいきなり足首まで真っ白に。

ホームからの眺め。…やはり何もない。


ポツンと置かれた待合室は貨車(車掌車)の廃車体。しかもボロボロ。



…こういった駅舎は道内には比較的多いですが、いくら何でもココは酷過ぎるのでは…(^_^;)。塗装が浮いてパリパリになっていますよ。薄い鉄板の部分なんてサビすぎて破れそうです。

この駅、さっきから中々のレベルですね。
こんなにみすぼらしい駅は初めて見ました(笑)。

待合室の中へ。



壁が腐りかけている…。耐久年数ギリギリのようですね~大丈夫なんでしょうか。
列車本数は上り3本、下り3本。次の列車は1時間後ですが…ちょうどいい感じですね、この駅に関しては(^_^;)。

ここにも駅ノートが。

最終の書き込みは1月6日でした。やはりここも全国からの訪問者が多いようです。
…どんな駅にもファンは必ずいる。

駅前通りへ。

完 全 無 人 地 帯 です(^_^;)

数年前は廃屋と数軒の民家が並んでいたようですが、もはやここも人が去ってしまった後なのでしょうか。
数百メートル続く1本道からは、ただただ雪原が広がるのみ。
大雪の中をしばらく歩いて見ましたが、道路には車の通った跡すらありません。

無人地帯に取り残された駅


…真ん中に写る黒い箱が、先ほどの腐りかけの待合室。改めて駅の立地に驚かされます。
この駅の現状は雄信内駅以上に危ういですね。いつ廃止されてもおかしくないです。

やっと建物があると思ったら…廃墟。

これは廃校跡でしょうか?雪に埋もれており近づくのは不可能でした。


こちらは牧場設備の残骸でしょうか。駅前通りから見えるものといえば、廃校とこれだけ。

T字路に出るも…何も無し。

車通りは比較的ありました。皆さん無人地帯に突っ立っている僕を不審そうに眺めています…。
車が通るたびに雪が巻き上がって周囲が真っ白になるので、ヘタに道路に立っていると後続車にはね飛ばされかねない(汗)。
…秘境駅巡りも命がけですね(^_^;)。


おぉ~い!誰かぁ~!!

どこを見回しても真っ白。現在、安牛駅の利用者は本当にいるのでしょうか??
これ以上探索しても何もないので、駅へ戻ります。雪も強くなってきたし。


安牛駅、間違いなく「いま最も廃止に近い駅」と言えるでしょう…。あと何年持ちこたえられるか。
それにしても。


こりゃヒドい…。

海が近いわけでもないのに、この異様なサビ具合は何故なんでしょうね。ここまで補修されないのは、やはり駅の将来も長くないからなのでしょうね…。
待合所から外を眺めていると、程なくして列車の明かりが。

16時2分 旭川行き普通列車

ほとんど定刻どおりでした。近年のJR北海道はいろいろと言われていますが、この大雪の中での定時運行は凄いと思いますよ。
薄暗くなってきましたが、本日最後の秘境駅へと向かいましょう!(^O^)/

次回!安牛を越える衝撃待合室が登場!
板張り極小ホームに●●!

続く。
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宗谷本線秘境駅紀行 その3

2016-01-25 01:14:04 | 北海道内の旅行・風景
1日目 午後1時45分。

雄信内駅から人里求めて歩きます。




廃墟が1、2軒あるだけで、あとはご覧の通りに何もナシ。70年代の航空写真には多くの住宅が連なっていましたが、とっくに全ての人が去ってしまった後のようです。こちらのサビサビの櫓のようなものは給水塔の跡でしょうか??
…なお、素手でカメラを持っていたのですが寒さで手が痛い。とうとう耐えられなくなり手袋履きながら撮影続行。撮りづらいおかげで構図がメチャクチャですが許して下さい(笑)。

しばらく歩くとT字路が。

やはり住宅はひとつもありませんが、たまに車が通りますのでようやく人に会えたといった感じです(^_^;)
青い橋は天塩川に架かる「雄信内大橋」です。

橋の上より天塩川を望む

ここまで完全なる無人地帯ですが、どうやら川を挟んだ向こう側に「雄信内」の集落があり、そこから辛うじて駅の利用者が居る(らしい…)。
なお、駅の読みは「おのっぷない」ですが、集落の読み方は「おのぶない」らしいです。ややこしいですね…。

旧・雄信内小学校(廃校)

雪に埋もれた校門跡、かろうじて学校名が顔を出していました。廃校後は集会所として使われていたようですが、現在はどうなのでしょう…。
かつて訪問された方の写真を見ると奥に体育館のようなものがあったのですが、解体されてしまったようです。

村の記憶がどんどん消えていく…。



…人々に棄てられた空間の中で、唯一この駅だけが生きている。
しかし、もうじきこの駅も静寂に飲み込まれてしまうのではないか。




駅へと戻ると、いつの間にか駅前通りが除雪されていました。駅前に車が止まっているのにお気づきでしょうが、どうやら待合室の隣にJR職員が常駐しているようです(冬期間のみ)
あまりに静かなので気づきませんでした…(^_^;)。

ずっと訪問したかった駅にようやく降り立つことが出来た。いつまでも残ってほしい。
駅ノートを手に取り記入します。手がかじかんでいるので上手く書けない。
字がぐちゃぐちゃで他の人は読めないでしょう。
…しかし、これは自らがこの駅を訪れた証拠として残せればいい。次に来たときの自分が読めればそれでいいのです。
まぁ、それがいつになるのかは分からないけども。



次の列車まで時間が残っているので、駅ノートを読ませて頂きます。
やはり駅舎が目当てで旅行途中に立ち寄ったり、秘境駅巡りの一環として全国からわざわざやって来る人も多いようです。
その他にも「動物事故で列車が止まってしまったので、ここで時間をつぶした」、「バイク旅行中に駅寝をしに来た」などと様々な書き込みがある中で、ある一文がひときわ印象に残りました。

「かつて通学で毎日この駅を利用していたが久々に訪問した。数十年経った現在もあの頃とまったく変わっていなくて安心した、感動した」と。


そういえば、駅舎内にもこんな落書きがありました。

なつかしき故郷 H1.8.7

彼らの帰る場所はまだ残っているのでしょうか。
この地に帰ってきた者たちを温かく迎え入れるのは、もはやこの駅舎だけなのでは…。
雄信内駅、いつまでも残って欲しいと願う者は秘境駅ファンだけではないでしょう。


かつて多くの乗客が利用したであろうベンチ…。
今では物好きな旅人たちが来るのを静かに待つのみだ。

午後2時55分。

次の列車がもうすぐ来ます。やはり長年の憧れの場所だったので、時間が過ぎるのもあっという間でした。
…来れてよかった。

結局、駅での滞在中に列車が通過する事はありませんでした。
宗谷本線ってこんなに本数少なかったっけ…と考えていると、向こう側から警笛が。



結構な雪が積もっているのでラッセル車来るか?と思っていたのですが、待っていた普通列車でした。
心配になるくらいの積雪を自らぶっ飛ばしながら、駅に近づいてきます(^_^;)。
…いや~、北のローカル線はたくましい

雄信内駅はいつまで残っているのでしょう?
いつかもう一度ノートを読める事を願って、1両の列車に乗り込みました。
次なる秘境駅へ!

次回!もはや廃駅…。
無人地帯に残る腐りかけの駅舎!

続く。
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宗谷本線秘境駅紀行 その2

2016-01-22 16:09:32 | 北海道内の旅行・風景
宗谷本線 雄信内(おのっぷない)
…北海道天塩郡幌延町字興部


ずっと来てみたかった念願の駅舎。




格子窓が古めかしい。貼り合わされた木材の年季の入り具合も凄いですね…。
雪が酷くなってきたので、待合室へと入ってみます。



…素晴らしい。
広々とした待合室には立派な長椅子がひとつ。反対側には木の板で目張りされた切符売り場とおぼしき跡。かつては有人駅で、多くの利用客で振るわっていたのでしょう…。


現在、この駅に停まる列車は上り5本、下り5本。これでも宗谷本線の秘境駅の中では多い方だと思われます。1日の利用者はどのぐらいなのでしょうね…。
そして切符売り場だった台の上には、ローカル線の駅には定番の「駅ノート」が大切に置かれていました。駅を訪問した旅人たちが、このノートにそれぞれの想いを自由に綴るのです。
真ん中のノートは、いま人気のサイト『正々堂々と秘境駅に行ってきた』の管理人さんが置かれたものだと思います。字が綺麗で氏の人間性の良さが伺えました(^-^)。

…秘境駅で過ごす中での楽しみのひとつが「駅ノート」を読むひとときなのですが、これらは後でじっくり読ませていただきます。


…ノートをよけると感動しました。
まるで隠されていたかのように姿を現したのは「受け取り口」の溝。窓口はベニヤ板で塞がれてしまっていますが、これは窓口だった立派な証です。
駅員とお客さんは、この溝を介して小銭と切符のやりとりを行っていたのです。…恐らく、かなりの年月にわたって。

黒ずんだカウンター跡を見ていると、かつての利用者の姿が幻影となって浮かび上がってくるようです。
それはまさしく時間旅行と呼ぶにふさわしいもので、この駅に降りた者だけしか体験する事の出来ない贅沢な心地よさ。最高です。(*^_^*)


駅前に出てみます。




…これが見たかった。

あまりの風格に言葉を失う。こんなに年季の入った駅舎はそう見られるものではない。
建てられた時代は正式には分かっていないようですが、噂によると1953(昭和28)年ごろの建物だといいます。他の駅が次々と壊されていく中でよく残ったものです。

裸電球、ひびわれた壁、くすんだ木板…。最近は「白滝シリーズ」秘境駅の駅舎が注目されているようですが、僕はこの「雄信内駅」が最も雰囲気あると思います。

…なお、駅舎の横にある傾いた緑の小屋はトイレでした。
利用しようと中に入るとものすごい匂い(;一_一)。しかも便器にポッカリと巨大な穴が開いていて違和感が。まさか。
穴の中を恐る恐る覗きこんでみると……。

Oh…。
ボットン便所…!


え~、平成生まれのホルマリン、ボットン便所は初体験です…(^_^;)。なかなか凄い光景でカルチャーショックでした…(笑)。
いやー凄いね~雄信内駅。すべてにおいて時が止まっている。

駅前の光景。

唯一見える建物は廃墟です…。道の先に何かあるようには見えません。
相変わらずのひとけの無さですね…(^_^;)。

待合室で冷た~い弁当を食べ、しばらく雪がやむのを待ってから探索に出発です。




駅前通りを進むとすぐにT字路となりますが、道の先を見ても何も無し。家が2軒建っていると思ったら、やはりどちらも廃墟。左の1件は商店を営んでいたようですね。


T字路のもう片方の道路を進んでみても…この光景。車も全く通らないんですが…。
どうなってるの雄信内駅!?何て場所にあるんだ…。

農業用の施設?やっぱり廃墟。


…人はドコ?

次回!もう少しだけ雄信内駅。
周辺は完全にゴーストタウンと化していた!

続く。
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宗谷本線秘境駅紀行 その1

2016-01-21 17:27:04 | 北海道内の旅行・風景
JR北海道の鉄道事情が大きく変化しようとしています。

まずは何と言っても北海道新幹線の開業ですね。これにより津軽海峡線(青函トンネル)を走行する在来線はすべて廃止され、新幹線車両と貨物列車の走行のみに限定されます。
これにより、北海道~本州間を結んでいた往年の寝台特急がいくつも廃止に追いやられたのは皆さんもご存知の通り。

さらにもう一つ。国鉄民営化より長らく続いていた赤字状況を改善する目的で、JR北海道は利用者の少ない路線の駅や便数を廃止する「合理化策」を発表。これにより、2016年3月のダイヤ改正と同時にローカル線の普通列車本数は15%減、俗に「秘境駅」と呼ばれる過疎駅の9駅が廃止されてしまいます。
これは政府からの安全対策資金1200億円の支援が決定したことにより始まった施策であり、来年度以降も本数の減便や駅の廃止が進められることは十分に考えられます。JR北海道の計画によると、今後3年間で道内の無人駅を対象に廃止を実施していく可能性があるとのこと。
…つまり、北海道の秘境駅が危ない!!

ここ十数年で立派な地位を確立した「秘境駅訪問」というカルチャーですが、実をいうと僕もライトな秘境駅ファンでありまして、かれこれ6~7年前(当時高校生)に札沼線・豊ヶ岡駅室蘭本線・小幌駅を訪問したことがあります。
当時から憧れであったのが宗谷本線のハイレベルな秘境駅たち。荒涼とした廃村や牧草地にたたずむ年季の入った駅舎。中には潰れかけの「小屋」としか呼べないようなモノもあります。そんな秘境駅の写真をホームページで眺めては憧れの感情を抱いていたんですね。
さすが広大な北海道、鈍行列車だけでは1日で辿り着けないというあまりの遠さのおかげでダラダラと訪問できずにいたのですが、今回の合理化策を聞いてようやく焦り始めました。
僕の行きたい秘境駅たちは今回の廃止駅には該当していないのですが、あの素敵な駅たちがいつまで存在しているか分からない。ただでさえ列車本数が少ないのに、減便によって訪問は更に困難になるだろう。
…今のうちに行くしかない。
待ってろ!宗谷本線!

2016年 1月13日(水) 札幌駅


北海道新幹線開業まで あと73

…さて、今回の旅では「北海道フリーパス」という乗車券を利用します。

連続する7日間で道内の普通列車、急行列車、特急列車自由席、JR北海道バスが乗り放題。特急指定席も6回まで利用することが出来ます。料金は26230円。
使用期限1週間というのは多少長いのですが、実は宗谷本線のほかにもいくつか行きたいところがございまして。
3日間の交通費だけで既にモトが取れるので、これは相当お得な乗車券だと思いますよ!
これでダイヤ改正前の北海道内をいっぺんに見てくる予定です!(^-^)

7時48分発 特急スーパー宗谷1号

すべての旅はこの列車から始まる。さっそく指定席券を取っているので優雅に乗り込みます(笑)。
…いや~、ホルマリンらしからぬ贅沢な鉄道旅ですね…(^_^;)


今年の北海道は雪が少ないと思っていましたが、札幌を出ると真っ白でした。
列車も雪を巻き上げながら豪快に進みます。

ただただ快適な旅ですので、あまり書くことがありません(^_^;)
しかし、雪の影響なのか列車に遅れが出てきましたよ…。

純白の塩狩峠を越える


峠を越えるとさらに雪がひどく…。

複線の駅で久々に列車とすれ違ったと思ったら、あちらからやってきたのは雪で真っ白になったラッセル車。ありゃりゃりゃ、こんな天気で秘境駅に降りるのは不安だぞ…。

ここで交換列車の遅れにより、しばらく停車。既にダイヤより15分ほど遅れています。
…参ったな……。次の列車の乗り換え時間が1分しか無いというのに…。
まぁ単線(線路が1本しかない)の路線だし、こっちの列車が着くまで交換待ちで動けないでしょ…などど考えながらも落ち着けません(^_^;)。


天塩川、凍ってるじゃん…(汗)。

12時15分ごろ、幌延駅に到着。
ここで反対方向の普通列車に乗り換える予定なのですが…。
急いで列車を降りると、向こう側のホームにちっぽけな1両編成が!!いた、あれだ!
待ってぇー!乗りまーす!

ダッシュで跨線橋を駆け上がり反対のホームに辿り着くも、列車のドアは閉まっており今にも発車しようという状況。
車両に近づき自分の存在をアピールすると、運転士さん小窓を開けて「乗ります?」と怪訝そうな顔。
…このあたりの幌延~音威子府間は地元の人もあまり利用しないような過疎区間。まさか特急列車からの乗り換え客がいるとは予想外だったのでしょう(笑)。
あははは、すばらしい(*^_^*)。

名寄行き普通列車(約15分遅れ)

乗客は僕を含めてわずか4人。しかも一人は巨大な旅行カバン、使い古したボロボロの時刻表を片手に持っていたので明らかに旅行者。地元の利用者は後ろに座っているおばあさんと、素朴な女の子だけか。

列車は相変わらずの大雪の中、ちっぽけな過疎駅をいくつも飛ばして進みます。この辺の駅は利用者が少ないので普通列車すらも滅多に止まらないのです。
よって訪問できる駅も必然的に限られてくる。

12時36分。
列車が止まった最初の駅で、ついに下車しました。

…真っ白だな!寒い!!

案の定、降りたのは僕ひとり。向かいの特急列車から駆け込んできて、すぐに次の駅で降りる僕は相当な好き者に思われたことでしょう(^_^;)。


あまりの雪の多さに不安になった僕をひとり残し、雪まみれの列車は警笛を鳴らしてさっさと発車していきました。
…次の列車は2時間後ですよ…。どうするホルマリン、この寒さに耐えられるか(^_^;)


宗谷本線 雄信内(北海道天塩郡幌延町字興部)



札幌を出発して早5時間。ようやく最初の秘境駅ですね。実は個人的に道内で最も降りてみたかった駅でした。長年の夢がついに叶って感無量です(^-^)。
降り続く雪が音を吸い込んでいるのか、びっくりするほどの静寂です。本当に何も聞こえません。


線路の先を見ても林が延々と続いているだけで、ひとけは全くありません。

さてさて、僕がこの駅を訪れたかった一番の理由、それは周辺のロケーションももちろんですが、駅には欠かせないあるものを見たかったからなんですね。
静寂の中に、それはドッシリと存在していました。


あまりにも古い駅舎が。

続く。
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