ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

北海道昭和残照(3)ランプ城

2023-05-23 22:38:36 | 北海道内の旅行・風景



崖の突端に建つ魔女の館?

急斜面の住宅街を突き当りまで進むと家々が途切れ、草むらの中に延びるけもの道が。
いざなわれるように進んでいくと左手に海を見下ろすことができ、本当にこの一角だけが崖に突き出していることが分かる。





派手なピンク色の割れた看板、年季の入った住居のような建物に身構えてしまうが、ここは堪えて扉を開けてみよう。
御年92歳!(訪問時)の女性店主と、不思議な雰囲気の娘さんが静かに出迎えてくれるはずだ。
私を歓迎するかのように、色とりどりのステンドグラスのランプやオペラのBGMが入れられると、そこはもう異界の飲食店。







海を望める窓際の席に案内してもらい、看板メニューのオムライスセット(500円)をいただく。
自家製と思われるポテトサラダと、こちらは市販品と思われるコーンポタージュ付き。
おばあちゃん家のオムライス、という表現がぴったりの素朴な味だ。



食後にお菓子の盛り合わせと大きなデコポンを出してくれ、思わず童話に出てきそうな場面だな、と思ったが、店主はとても気さくで良い人。
時おり口をおさえて高い声で笑うのが可愛らしくもある。

店内は少し年季が入って埃っぽいけれど、世界中の風景写真や不思議なアンティーク雑貨、来訪者が感想を書き記すアルバムのようなノートが置いてあって楽しい。
最近はテレビやネットのおかげで、内地からやってくるお客さんも居るらしい。



このお店は約60年前、旦那様(故人)が海を見下ろせる立地を気に入り、岩場を削って建てたのだとか。
本物の岩が配置された旦那様こだわりの空間には、かつて使用していたという大広間の跡。
その先にはいびつな形の小さな扉があり、出てみるとぐるりと海が見渡せるベンチが。
昔はもっと賑わっていたのかな。



普段は店主の使い(?)のネコさんがいるらしいのだが、この日は体調不良とのことで出会えず。
また来てみよう。

(2021年訪問)
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北海道昭和残照(2)かに太郎

2023-05-21 11:52:06 | 北海道内の旅行・風景


数年前まで廃墟だと思っていたこの建物、実は現役の店舗である。
500円で美味しいかにめしが食べられる穴場である。

この日もあまりのひとけの無さに「やってないかな?」と不安になりながら中を覗くと、
薪ストーブの前にポツンと座る店主(訪問時83歳)が。
「寒くてごめんね。かにめししか出来ないけど……」。
静かな店内に案内してもらう。





円形の建物と大きな窓のおかげで、電気が無くても明るい店内。太平洋が一望できる。
「太陽が出ていると暖かくて気持ちが良いんだよ~」と店主。

薪ストーブの燃料なのか、敷地の外や店舗内の大部分に材木が積み上げられている。これはご愛嬌だ。



創業50年超。かつては奥様と経営されていたそうだが、数年前に亡くなってからはおひとりで切り盛りされている。
早朝に室蘭からやってきてごく少量を仕込み、無くなり次第終了、というスタイル。



味の染みたタケノコが乗ったかにめし。味噌汁付きで500円で、これがまぁ美味しいこと。
年季の入った器もまた味わい深し。
雑然とした店内に不安になりつつ、ご飯をかき込んで味の良さに驚く、これが「かに太郎」体験だ。



かつてはあらゆるカニ料理を提供していたようだが、現在はかにめしのみ。
お値段は据え置きのようだ。

なお、店主がご高齢のため提供できる量が限られており、午前11時の開店から早ければ1時間少々で終了してしまう事もあるそう。
常連客もいるため、細々と続けているとの事。にじみ出る人柄の良さが魅力的な店主であった。



(2020年訪問)
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北海道昭和残照(1)濁川温泉新栄館

2023-05-18 22:35:41 | 北海道内の旅行・風景



大雨の中、友人に導かれ辿り着いた秘境の湯屋。
左の建物から明治、大正、昭和と増築が繰り返されているらしい。



呼び鈴を鳴らし、小窓から薄暗いカーテンの向こうへ小銭を渡す。
かなり高齢と思しき主人、ほとんど手しか見えなかった。
趣深い廊下は少し傾いていて強度が心配になる。









木造屋根の浴室へ入ると、コンクリートの床に深く掘られた浴槽が三つ。
床全体が温泉成分ででこぼこになっている。洗い場などという気の利いたスペースは無い。
パイプで源泉を直接引いているらしく、手前の浴槽になるほど熱い。
穴だらけの天井から雨漏りしないのかと見上げてみたが、応急処置のビニールシートが辛うじて受け止めていた。







壁に掲げられた温泉登録証の日付を見ると昭和10年……。
地元の酒造会社から寄贈されたであろう戦前の鏡も右横書きである。



まるで東北地方の温泉宿のような趣。

(2019年訪問)
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北の島旅 礼文・利尻島へ(その3・最終回)

2023-05-12 00:41:31 | 北海道内の旅行・風景


2022年9月4日

開けっ放しの窓から涼しい潮風を浴び、最高の目覚めだ。
ただ、気持ちの良い昨日の快晴とは打って変わりどんよりとした曇り空。そのうち雨も降り出すという。
本日はレンタカーを半日借りて島内一周を予定している。景色が良くないのは残念だが、まあ何とか楽しめるだろう。


午前9時半ごろ、宿の朝食を頂き、オーナーのおじさんの車で鴛泊の町まで送ってもらう。
本来はチェックイン/アウト時のみの送迎サービスだったのだが、いくらかのガソリン代で朝、夕方の送り迎えを特別に了承してもらった。ありがたい事この上ない。

面積183キロ、周囲63キロある利尻島は仙法志の宿~鴛泊まで片道30分少々かかる。
気さくなおじさんとは移動中の車中で話がはずみ、利尻島の「シリ」はアイヌ語で「島」を意味することや、島内の電力事情=本土と独立して島内で発電しているため、胆振東部地震ではブラックアウトの被害を免れたらしい=などを教えてくれた。


奥尻島、焼尻島など、北海道に「尻」が付く島が多いのはそういう事だったのか、と友人と納得しているうち、昨日降り立ったフェリーターミナル前に到着し降ろしてもらう。
おじさんはこの後、宿の近くで経営している物産店での仕事があるという。いやはや、忙しいのにも関わらず送って頂き申し訳ない。


昨日は上陸早々に車に乗ってしまったのでゆっくり見物できなかったのだが、改めて見るターミナル周辺はおしゃれな飲食店や雑貨店などがあり、昨日の礼文島よりも開けている印象だ。
間近にそびえる利尻富士も迫力満点である。

午前11時、ターミナル前のレンタカー店で予約していた軽自動車(ダイハツミライース)を受け取る。
夕方5時までの利用で料金は9800円。まずは友人がハンドルを握る。

沓形(くつがた)にある利尻ラーメンの店に行ってみよう、と反時計回りに車をスタートさせると、すぐさま強めの雨が降ってきた。
ほぼ正午ぴったりにありつけたお目当ての利尻ラーメン(焼き醤油)は利尻昆布をたっぷり使用した出汁であっさり系。
人気店舗らしく、ハイキングや観光などで来たであろう島外のお客さんでにぎわっていた。


おじさんが送ってくれた道を反対方向に進み仙法志へと戻り、午後1時、島の最南端に近い仙法志御崎公園へ。
雨が本降りで風もあるため景色を楽しむ余裕がほぼなく、普段は絶景であろう高台からの眺めもこんな感じである。

公園の突端にあるおじさんの土産物店に寄りご挨拶。昆布など豊富にそろった海産物のお土産をそれぞれ買い込んだ。
普段は隣接した海上プールでアザラシへの餌やり体験もやっているそうで、地味に楽しみだったのだが今日は悪天候で無しとのこと。残念だ。

温泉好きの友人が、おじさんに島内おすすめの温泉を聞く。
2か所ほどあるらしいが、そのうち沓形の「利尻ふれあい温泉」が茶褐色に濁った「金の湯」で泉質が良いのだとか。
よし、今日の最後の目的地はそこに決定だ。


運転を私にチェンジし、島の東側を北上するも相変わらずの悪天候。
あの北海道銘菓「白い恋人」の缶にプリントされた利尻富士の風景が見られるという「オタトマリ沼」および「白い恋人の丘」は車から出る気にもなれず。雨に霞んで山も見えないため、運転席からの撮影に留めた。
その後「姫沼」付近にも足を延ばしてみたが、沼まで遊歩道を歩かなくてはならぬようでこちらもすぐに引き返してしまった。
観光らしい観光をしないまま鴛泊へと戻り、ガソリンスタンドへ入ると本土民は皆びっくりの島価格で思わずパチリ。

さて、もう一度沓形に向かって探検の締めに温泉だ。
とその前に、私が利尻島で最も寄りたかった場所へ寄り道させてもらった。


・ミルピス商店(利尻町沓形新湊153)


ごく普通の民家の敷地内に向かって案内看板があり、少し躊躇してしまった。
一軒家の一角に看板が掲げられた販売所への入り口があった。

ミルピスとは、1965年にここの家主(牧場経営)が生み出したオリジナルの「乳酸飲料(乳酸菌飲料ではない)」。
牛乳と乳酸をベースに砂糖、クエン酸、香料を混ぜて作り出し半世紀以上。この民家が全国で唯一の生産場所であるという、(利尻島以外では)知る人ぞ知る激レアドリンクなのだ。


期待を胸にガラガラと扉を開けるも無人。
旅人らの思い出の写真やメッセージが貼られた飲食スペースが広がっていた。
「珍スポ」風味に私だけが盛り上がる。


肝心の「ミルピス」はというと、奥の冷蔵ケースでしっかり冷やされてストックされていた。
どうやら横の料金箱にお金を入れて持って行ってくださいというシステムのようだ。
1本350円(持ち帰りは450円)。さっそくお金を入れて1本取り出す。


味わい深い特製の瓶に入ったミルピス。牛乳が沈殿しているのでよく振ってから頂く。
おぉ!濃い牛乳のようなものを想像していたが、森永マミーをあっさりさせたような味で、のどごしが良くとても美味しい。
乳飲料が苦手な友人も美味しそうに飲んでいた。

近年はギョウジャニンニク、ハマナス、ヤマブドウなど10数種類の味があり、電話やファクスで全国からの注文も可能との事なので、気になった人はぜひ。


無事にミルピスを味わえ満足した後、沓形港近くの「利尻ふれあい温泉」へ。
確かにお湯が茶褐色で、これは空気に触れることで湯の成分が変色しているからなのだそうだ。
露天風呂からは海が一望できるのだが、残念ながら風雨が酷くなっており寒い。いまいち寛げずに終了した。

今夜は素泊まりのため、セイコーマートで夜食と酒を買い込んでからレンタカーを返却。
ターミナルで風雨をしのぎ、朝約束した時間に再びおじさんに迎えに来てもらい宿へと戻った。
フェリーの時刻表を見る限り、明日の船はなんとか出港してくれるようだ。


2022年9月5日

昨晩も夜遅くまで飲んでたはずなのだが、ずいぶん早く目覚めてしまった。今朝も曇りの朝。
本日は正午の稚内行きのフェリーに乗ると2人で決めていたので、ぐっすり眠る友人の横でだらだらしていたのだが、午前7時ごろにおじさんが部屋にやってきた。
なんでも、我々の乗船予定の船までは通常運航なのだが、その次の便は欠航。時間を繰り上げて臨時便の運航が決まっている状況なのだそうだ。
「混雑すると思うし、恐らく揺れるので朝イチの便に早めた方がいい」との事だった。

おじさんのアドバイスに従い友人をたたき起こし、慌ただしく準備して宿を後にすることに。
奥様(実は苫小牧出身なんだとか)へお礼を言ってお別れ。今日もおじさんにターミナルまで送ってもらった。

利尻島での2日間、おじさんには良くしてもらいっぱなしだった。
おじさんと仙法志の宿のおかげで、今回の島旅がより素晴らしい思い出になったことは言うまでもない。
また利尻島に来た際にはぜひ利用させてもらう旨お伝えし、しっかりお礼を伝えてお別れした。


午前8時半、無事に朝イチの稚内行フェリーに乗船。皆予定を繰り上げて乗っているのか、それなりの乗船率だった。
時刻通り出港する船の甲板に出て、少しずつ離れていく鴛泊港を感慨深く眺めた。

夏の終わりの旅の終わり、友人はZONEの「secret base~君がくれたもの~」を聴きながら思い出に浸っていたが、私は出港時の脳内テーマソングはいつもセリーヌ・ディオンの「My heart will go on」である。

幸い船の揺れは覚悟していたほどではなく、隣に居合わせた関西の老夫婦ペアとお菓子を交換したりして楽しむことができた。



2022 北の島旅 礼文・利尻島へ
完。
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北の島旅 礼文・利尻島へ(その2)

2023-05-03 02:38:12 | 北海道内の旅行・風景
午前11時。
「スコトン岬」の観光後、運転を私にバトンタッチし、島の西側にある人気の景勝地「澄海岬」へ向かった。
道道の分かれ道から内陸に逸れ、丘の一本道を20分ほど進むと、すぐに岬のある集落に到着した。


港の駐車スペースに車を停め、展望台へ向かう階段を登ってゆく。
海鳥の声だけが響く静かな港内を見渡すことができ、とても気持ちがよかった。

そして小高い丘の上まで階段を登りきり、楽しみにしていた展望ポイントへ。



入り江状になっている「澄海岬」の海は島内イチの透明度を誇るといい、展望台からでも海底が見えるほど。
道北地方でもこれほど美しい海が見られるとは知らなかった。友人と二人でしばし見惚れる。
新しそうだなと思っていた岬の地名は、香深港へフェリーが就航した1989年に町民が命名したのだとか。




正午ごろ、フェリーターミナルまで戻ってレンタカーを返却し、近くの食堂で昼食。
店主のおばあさんがおススメしてくれたホッケの開き定食を頂いた。身が厚くておいしい。

食材を届けに来ていた地元のおじいさんに話し掛けられ、心配している明日以降の運航状況を聞いてみたところ、我々が帰る明後日までは大丈夫だが翌日から欠航になるだろうとの事。
この地での長年の仕事経験で分かるようだ。有力で頼もしい情報を頂き、ひとまずほっとする。


昼食後、今度は先ほどとは逆方向、島の南部にある「北のカナリアパーク」へ向かう。
レンタサイクルを考えたのだが残念ながら出払っており、バスも来ない時間だったので徒歩で目指すことに決めた。



海に面した一本道を二人でとぼとぼ歩く。
澄んだ空と海、磯の匂い、のどかな漁村とその向こうにそびえる利尻富士……。なんと贅沢な光景だろうか。

集落の中を30分ほど歩き、急坂を息を切らしながら登ったところで、ようやく「北のカナリアパーク」へ到着した。
私が礼文島で最も楽しみにしていた光景が広がっていた。




雄大な利尻富士をバックに、年季の入った平屋建ての木造校舎がポツンと建つ。
なんとも写真映えのする風景だが、それもそのはず。
校舎は2012年制作の映画『北のカナリアたち』(阪本順二監督)のために建てられた撮影用のセットで、クランクアップ後も残され、翌年2013年から観光地として活用されているのだ。




入館無料の校舎内は、映画の資料が展示された記念館になっており、主演の吉永小百合と生徒たちのパネルがお出迎え。教室や学習机、いすなどの備品もそのまま残されている。

原作は湊かなえ。
吉永小百合演じる主人公「川島はる」は離島の小学校教師で、合唱を通じて子ども達と心を通わせていたが、悲しい事件で島を追われてしまう。
20年後、かつての生徒の一人が事件を起こしたことを聞き、再び島への再訪を決意するというヒューマンサスペンス。

「大自然に建つ平屋建ての木造校舎」というイメージに合うロケ地が無く、利尻富士が見えるこの地を選んで理想の情景をつくり上げた。
撮影は札幌、稚内、礼文島、利尻島で行われ、冬季は厳しい寒さや悪天候にも悩まされたという。






パークには美しい風景を見ながらくつろげる「カナリアカフェ」が併設しており、二人でソフトクリームを食べながらひと息ついた。

午後3時半。

路線バスを利用しフェリーターミナルへと戻り、利尻島へ渡るべく「鴛泊(おしどまり)」港行きの乗船券を購入する。
少し名残惜しいが礼文島とはここでお別れだ。
礼文島から利尻島までは直線距離で約20キロ、フェリーで40分ほど。利尻富士をバックに、乗船する「ボレアース宗谷」が入港する。


午後5時10分、フェリーは利尻島の「鴛泊」港へ。
船が方向転換して接岸するので、間近の利尻富士と豊かな自然をぐるりと窓から望むことができ、気分が高まった。
いよいよ(個人的に)一番楽しみにしていた利尻島に上陸だ。

この日はフェリーターミナルのロビーで、2日間お世話になる旅館のオーナーと待ち合わせをしていた。
電話でお話しした時から人の良さが出ていたオーナーは思ったよりも若いおじさんだった。あいさつもそこそこに、車で宿まで送っていただく。

利尻島は標高1721メートルの利尻富士を囲むように、道道がぐるりと一周している。
港から最も離れた島の南部「仙法志(せんほうし)」で宿を営むおじさんは漁師が本業で、宿ではご自身で採った海の幸を提供している。


「仙法志」の集落の中にある小さな宿に到着し、さっそく夕食。お料理はオーナーの奥様の手作りのようだ。
この日はニシンがメインの海鮮メニューで、この旅で食べたいと思っていた前浜産の新鮮なウニがたっぷり付いているのがありがたかった。あまりの甘さに友人と二人で変な声が出た。
一般家庭の食卓のような食堂スペースで、徐々に薄暗くなってゆく利尻富士を見上げながらの夕食は大変贅沢であった。
宿のすぐ裏は海なので、部屋の窓からは海が一望。静かな夕暮れのひと時を堪能できた。




日没後は道中で買い込んだ酒を片手に部屋での宴を楽しみ、午後10時、星を見るために散歩に出てみた。
利尻島の夜空がこれまた凄かった。

車や人通りが全くなく、波ひとつ無い海沿いの道は驚くほど静かだった。
漆黒の波打ち際から空を眺めると、満天の星空の中にうっすらと天の川らしきものが見え、時おり流れ星が確認できる。
たまらず二人で道路に寝っ転がり、時を忘れて星空観察を楽しんだ。

流れ星は7~8回は見ることができたのではないだろうか。
この時の夜空は、間違いなく今まで生きてきた中で一番の見応えだった。
一生忘れないであろう最高の思い出がまた増えた。

続く。
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