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ホルマリンのマンネリ感

北海道在住、ホルマリンです。旅行、怪しい珍スポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、昭和レトロなどなど…。

北の京芦別(営業終了) 後編

2019-01-31 18:21:51 | ホルマリン漬け北海道 珍スポット編
前編はこちら

※2010年訪問記録に加筆・修正。ホームページ過去記事を復刻させました。写真も当時撮影のものですが、カメラ不調により露出過多になっています。
※当施設は現在、営業を停止しています。



会話のほとんどない昼食が終わり、みんなで外の「十二支庭園」を散歩することに。
広さ1万平方メートル、北海道産鉱石3千トン以上使用の壮大な日本庭園を抜ける。




ゲートをくぐり、干支の漢字が掲げられた12本の鳥居を抜けると、「十二支庭園」に到着。年季の入った八角堂を中心として、円形状に干支の神様が奉られている。
……人がまったくいないなぁ。


それぞれの干支のゾーンは池に浮かぶ島のようになっていて、小さな橋を渡ると祠があり、隣にはその干支の立派な石造がドドンと置かれている。蛇のゾーンには「推定5万年前の蛇の化石」なんて物もあって、(私にとっては)楽しい場所であった。


で、中心にある八角堂には聖徳太子像が鎮座している。
昔はお賽銭を入れると回転したらしいが、現在は故障中だった(泣)。

さて、いよいよこの施設のランドマーク、「北海道大観音」に向かいましょう。今まで過ごしてきたホテルのエリアと、観音様のエリアは微妙に離れており、入場料(拝観料?)も別らしいので、いったんチェックアウトして、車で向かうことにした。

チェックアウトするためにホテルのロビーに戻ると、なにやら「お祭り広場」から歌声が……。
そうだ!演歌ショーを忘れてた!!
せっかく来たんだからショーも見ないとね、という事で広場に入ってみると、そこには衝撃の光景が……。


こ れ は……。悲しすぎる……。

なんと「演歌ショー」を楽しんでいたのは、わずかに4人ほど。果たして、ステージに立つ歌手の方は一体何を考えて歌っているのだろうか?あまりにも可哀そうである。
……やはり、北の京芦別はスゴイ場所だ。


「歌謡ショー」の衝撃的な光景が頭から離れないまま、車は大観音へ。手前にゲートがあり、拝観料を払おうと止まってみると、ずいぶん前から使われていないらしく、誰もいない。どうやら観音様の中が受付らしいので、車でそのまま観音様の足元へGO~。近くで見るとデカイね~。
ちなみに、観音様の足元に広がるのは、ずいぶんと年季の入った「タージマハル風大庭園」。かつては中央に水か流れていたらしいのだが、今は止まっている。






だだっ広い受付で拝観料(500円)を払い、派手で豪華なエレベーターで一気に20階の「胸元展望台」へ。
展望台の手前のエリアには、大観音像のミニチュアのようなものが。……これがご本尊だろうか。
そして案内の矢印に沿って進むと、予想以上に小さい展望台に到着。


おおーっ、「北の京 芦別」の全体が見渡せますな~(普通の住宅も混ざってるけど)。
ちなみに、珍スポット雑誌「ワンダーJAPAN 第5号」(2007年9月発行)でこの施設が紹介された際の写真には、ボロボロのモノレールの軌道跡がそのまま残っていて、ロビーの建物から観音像の足元に向かって延びているのが確認できるのだが、今回はそのような物は全く見当たらず……。どうやら、つい最近になって撤去されてしまったようだ。
見たかったなぁ……。


うははははは。
こりゃ壮観だ。



こんなにデカイ手を間近で見られるなんて、北海道ではあまり出来ない体験である。やはり迫力満点だ。
……しかし油断すると、巨大な手が芦別の街を今にもデコピンしようとしているようにも見えてしまうので要注意(笑)。


展望台を出る。観音像の中は巨大な吹き抜けになっており、それをぐるっと囲むようにひんやりとした階段がのびている。下りていくと「如意輪観音」「慈母観音」などの派手な観音像が次々と現れる。階段を下りながら胎内めぐりが出来るシステムになっているわけだ。




足早にそれぞれの像を拝みながら下っていくと、「仏教資料館」に辿り着いた。
いろいろな仏像や七福神の像などが展示されていたが、そろそろお腹いっぱいになってきたので、軽めに見学……。

受付のすぐそばにお土産コーナーがあったので、しばし物色。お守りなどのありがたい品物に交じって、金ピカの五重塔のミニチュアがあった。土台には「芦別レジャーランド」の名前入り……って当時の売れ残りじゃん!!
値段は600円ほど(確か)で若干迷ったが、結局購入しなかった。これが観音像のミニチュアだったら即購入したんだけどな~。


以上で「北の京 芦別」のレポートは終了。いかがだっただろうか!?珍スポット特有のひとけのなさ、時代を感じる設備、ぶっとんだ雰囲気のすべてがそろっており、個人的には大満足の施設であった。おかげで充実した1日を過ごせました。……って家族の中でそう思っているのは私だけですが。
それにしても、こうやって施設を回ってみると全体的に金かけまくりな印象で、当時この施設がどれだけ期待されていたのかが伺える。そのため現在の閑散とした光景を目にすると随分と悲しい気持ちになってしまうんですな~。
ちなみに「北の京 芦別」、あまりの人気の落ち込みで、2011年に閉館の危機にさらされたが、地元の方々やマニアの応援のおかげで、現在も破格の値段でなんとか営業中だ(※注)。ここ数年で素晴らしい珍スポットが次々と消えてしまっているが、この施設はぜひこの先も消えないでいてほしいと願うばかりだ。


(※2019年補足)
当施設は2011年に経営元が変わり、「ライフステージホテル天都」と名称が変更され再スタート。
だが、その後2013年にある宗教法人が施設を買い取り、旅客営業を終了してしまう。
私が訪問した当時や「ライフステージ」時代はごく一般的なレジャー施設であったのが、完全なる宗教施設へと変化してしまったのだ。
一時は会員の子どもが学校へ行かずに施設内で「特別教育」されているという、何やらアレな問題で話題となった。
それ以降、すっかりこの施設の話は聞かないが、2019年現在どのような状態になっているのかは謎である。

完。
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北の京芦別(営業終了) 前編

2019-01-30 18:35:40 | ホルマリン漬け北海道 珍スポット編
※2010年訪問記録に加筆・修正。ホームページ過去記事を復刻させました。写真も当時撮影のものですが、カメラ不調により露出過多になっています。
※当施設は現在、営業を停止しています。



遠目から見えるカオスな光景が充実した1日を予感させてくれる、
ブッ飛び和洋折衷健康ランド。



この場所は北海道最大級の珍スポットとして、札幌市の「滝野霊園」「レトロスペース坂会館」に並び、マニアには超有名な場所である。
ここは簡単に言うと宿泊可能なレジャーランドなのだが、その広い敷地内には、高さ88メートルの巨大観音像、五重の塔ホテル、三十三間堂風ホテル、ギリシャ神殿風&日本庭園風の天然温泉、パークゴルフ場と十二支庭園、巨大日本庭園など、なんでもありな見所がギッチギチに詰まっている。
1970年に、炭鉱の閉山により元気のなくなっていた芦別市に活気を取り戻そうと、市内の商工業者が「芦別レジャーランド」として開業したこの施設。当時は北海道唯一のモノレールまであり大人気だったというが、現在は……かなり寂れているらしい。
そんな「北の京 芦別」ずいぶん前から行きたかった場所だったのだが、ついに2010年のGWに、なぜか家族を巻き込んでの日帰り探訪となったのである。それじゃ、レポートをどうぞ。


芦別市に入り、巨大観音像(かなり遠くからでも見える)を頼りにして到着。駐車場は、GWなのに(だから?)車はまばらであった。まぁ、まだ時間も早いしな。
ちなみに、この細長い建物が「ホテル三十三間堂」である。


入り口は、ホテルとは打って変わってギリシャ的というか・・・。横のドームとあわせて、珍スポ愛好家にはおっぱい宮殿と呼ばれている(笑)。近づいてみるとかなりボロい。
そして入場料。なんと最盛期は1人1500円だったものが、600円に値下げされていた。……相当危ういらしい。

入ってみると昭和の香りがモワ~ン。受付を済まして、奥の「お祭り広場」へ。


大広間のような場所には、案の定、人がまばら……。持参した弁当で宴会をしているグループの姿も(こんな使い方されてていいのかよ……)。
広場内にはいろいろな屋台のブースがあったが、ラーメン屋のブース以外はすべて閉鎖中だった(夜になったら営業するのかもしれない)。

のんびりした後、母と妹は温泉へ。父はここで休んでいるというので、僕は1人で探検へ。


ロビーには、たくさんの絵画のレプリカ、そしてなぜかベンツのクラシックカ―が置かれていた。非常に場違いである。
その他、小さなお土産コーナーもあった。北の京芦別の絵がプリントされたキーホルダー(後に貴重な品になりそうだ)が非常に魅力的だったが、今回は購入はパス。


ベンツの奥には「プレイランド」(ごく普通のゲームコーナー)。かつては個性的なゲーム機がたくさん置かれていておもしろかったらしいが、今はすべて奥の方に追いやられて「立入禁止」になっていた(泣)。
そしてその上にはなんと、かつてのモノレール乗り場の跡が!!上がってみたかったが、バリケードが作られていて無理だった。車両とか残っているのかなぁ…。
ちなみにこのモノレール、ここから観音様までの300mほどの距離を結ぶ小さなものだったようである。宿泊費、参拝費とは別料金で、なんと餅のおまけが付いていたらしい。90年代に廃止された物と思われる。


ロビーに貼ってあったポスター。なんとあのお祭り広場では、ゲストを呼んでのショーが毎日開催されているという。本日も、演歌ショーがこのあと開催されるらしい。
次回開催の演歌ショーには、大江豊(さんまのからくりテレビで有名に)や、森山愛子(王様のブランチでレポーターとして登場)など、意外と(それなりに)有名なゲストの姿も。これが入場料を払えば無料で見られるというのだから、なんともぜいたくなものだ。


このロビーは、2つのホテル(五重の塔、三十三間堂)に直接つながっている。
まずは五重の塔へGO!



壁に十二支の説明が張られた豪華な廊下を行く。最上階が展望台になっているらしいので、古くて頼りないエレベーターで移動。

そして……。エレベーターの扉が開いた瞬間、目に飛び込んできたのは……。


なんじゃここは~~!?
……まさかこんなことになっているとは思わなかったので、ドアが開いた時にこのハデハデな巨大布袋様が現れた時の驚きと言ったら相当なものであった(笑)。


しばらく写真を撮りながら豪華な像の数々を見て回る。ここは休憩室のようだが広い部屋には誰もおらず、自分のカメラのシャッター音だけが響き渡る。一人でこんな不気味なオブジェまみれの部屋を探索するのは気持ち悪かったが、ステキな時間であった。
階段があり、登ってみると渡り廊下のような中二階で、こちらには(比較的)まともな像の数々。しかしどれもスゴイ色だ。


ここから外に出るドアがあったのだが、この日はなぜか鍵がかかっていて出られなかった。仕方なく、窓から外を眺める。五重の塔の傷んだ屋根や十二支庭園、さっきまでいたロビーの巨乳な建築物が見えた。意外と複雑な構造をしているのが分かる。しかしココから見るとずいぶんボロボロだな……。


五重の塔を降り(まだ午前十時だからか、どの階も真っ暗で誰もいなかった)、次は三十三間堂へ。
(補足)五重の塔は10階建てで、部屋にも豪華な装飾品が飾られていて、豪華な雰囲気らしい。宿泊料金も破格だったとのことだ。


1階は金ピカの豪華すぎる廊下で、休憩場所にはなぜか兜がズラリと並んでいた。
2、3階はすべて客室で、見所がなさそうなので、スルー。「お祭り広場」に戻ることにした。

広場に戻ると、母と妹が入浴から戻ってきていた。この施設には、「ギリシャ神殿大浴場」と「日本庭園大浴場」があり、男女が日替わりで入浴できるシステムになっている。本日は男がギリシャで女が日本庭園らしい。個人的にギリシャの方に入ってみたかったのでこれは嬉しい。
早速2人に「日本庭園大浴場」の感想を聞く。受付でもらったパンフレットによれば、「清流を彷彿とさせる渓谷と風情を感じさせる、鉱石2000トンを使用した、壮大なスケールの和風大浴場」と書いてあるが、2人によると
薄暗くてよく分からなかった
とのこと(笑)。
さて、父と一緒に「ギリシャ神殿大浴場」に行ってくるか。


ロビーの階段を下り、床がガムテープで補修された廊下を進み、いよいよギリシャ風呂に入浴~。

このギリシャ風呂は、パンフには「古代ギリシャの大理石彫刻を随所に配置した洋風大浴場。王様・王妃の気分でごゆっくりと汗をお流しください」とのことだったが、まず第一印象は
なんか薄暗い。

たしかに大浴場は全体的に白のイメージで、立派な彫刻もふんだんに配置されているのだが、そのすべてに年季が入っていて「ギリシャ神殿」と言うには少し微妙~……。写真も撮りたかったのだが、場所が場所なだけに撮影はしなかった(全然人いなかったけど)。
ちなみに、大浴場の外には普通の露天風呂もあり、こちらは源泉100%天然温泉である。湧出したのは2007年と結構最近だ。

という事で、入浴終わり。わずか600円の入場料でこの奇天烈な浴場と天然温泉を体感できるのはすばらしくお得だと思います(父は「もう行かなくていい」って言ってますけどね~)。


「お祭り広場」に戻り、家族みんなで昼食タイム。この時点で、僕は「北の京 芦別」の超絶珍ワールドをしっかり満喫し、テンションMAXだったのだが……、
あれ?なんか皆やけに暗いよ??
もうね、家族3人から感じられるのは「なんというところに来てしまったんだ……」という負のオーラばかり。母に至っては魂の抜けた顔をしている!!
……やはり、この施設の本当の面白さを理解できるのは、僕みたいな筋金入りの珍スポヲタだけなのか!?(←そりゃそうだ)

続く。


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