ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

大樹町・旭浜のトーチカ郡

2018-05-07 02:57:24 | ホルマリン漬け北海道 トワイライトゾーン


十勝地方南部、太平洋に接して位置する広尾郡大樹町といえば、先日、観測ロケットの打ち上げ(結局延期になっちゃったけどね)で話題となった「宇宙のまち」であるが、街の外れの旭浜には、ちょっと他の地域では見られないような異様な風景が広がっている場所がある。
太平洋戦争末期に建てられた10基近くのトーチカ(※)がそのまま打ち棄てられ、今も波に洗われ続ける海岸。
波打ち際に沿って、いくつもの荒れ果てたトーチカが点々と、砂に埋もれかけながらも残っているという、我々廃墟・遺跡マニアにとっては垂涎の戦争遺跡海岸といえよう。

※トーチカ:軍事的に重要な地点を守るため、コンクリート等で造られた小型の防衛用陣地

調べてみると、ここ大樹町を含む十勝の太平洋沿岸は海岸近くまで水深が深く、戦時中はアメリカ軍の上陸有力地点として警戒されていたという。
今も海岸に残る旭浜のトーチカ郡は、旧日本軍の命令により、太平洋戦争末期の昭和19年に建てられたものの一部だという。
最終的には約40基ほどが建てられたが、結局は一度も使用されることなく終戦を迎えた。
その後、護岸工事等により失われてしまったトーチカも数多いが、現在、大樹町では旭浜とその内陸部に15基のトーチカが現存確認されているとの事。今回は、海岸沿いに残る1号~8号トーチカまでを見て来た。
以下、訪問記録である。


2017年6月某日。
…いきなりだが、目指す大樹町、札幌からだとともかく遠い
連休が取れなかったため、仕事終わりの夜9時半に、そのまま車に寝袋を積んで出発。
暗闇の中、まずは襟裳岬方面を目指して日高地方を南下する。

人っ子ひとりいない漁村と漆黒の太平洋に恐怖しながらも、新冠→浦河→様似と進んだ所でこの日はタイムオーバー。既に深夜1時半である。
不気味に波の音だけが響く無人の海岸駐車場に車を停め、そのまま車中泊。


翌日、濃霧の丘陵地帯を進み、朝9時にようやく襟裳岬突端へ立つ。
浦河以南へ来たのは初めてであったため、中々に達成感がある。
ずっと気になっていた「風の館」など観光もしつつ、のんびりと襟裳岬周辺を堪能した。


結局、目的の大樹町旭浜へ到着したのは、同日の午前11時半
漁港から少し外れた所に海岸へ降りる未舗装路をようやく見つけ、思い切って突っ込む。
砂利が深くなってきたので車で進むのを諦め、さて、トーチカ地帯めがけて歩いていくか!と降り立ったのが上の写真だ。


地図で確認すると、現在地からトーチカ郡までは微妙に離れているようで、ひとまず砂利の中をザクザク進んでゆく(一応、車が通った跡がある)。
ジムニーかランドクルーザーだったら突破できそうなのだが、私のハッチバック車だったら車高が低いので即アウトだ。

5分ほど歩くと、護岸工事で綺麗に整備された箇所が現れ、そこに残る最初のトーチカが見えてきた。

8号トーチカ

ここから海岸沿い(豊頃町方面)に向かって、順番に7号、6号…と番号が付けられているようだ。
この8号は海岸にある物の中でも比較的内陸側に位置し、土台も高い。半分宙に浮いた状態になっているのは波によって削り取られた為であろう。
小さく開いた長方形の穴が「銃眼穴」とよばれるもの。

すぐ先には7号と6号トーチカが見えており、このまま波打ち際を進んで行きたいのだが、本日は中々に海が荒れており、狭い海岸に終始波が押し寄せている状況。
実際、2つのトーチカは先ほどから若干波に浸かっており、このまま近くを歩いていけば波に足を持って行かれかねない。

少々危険と判断したので、この先、やや高くなった防波堤部分を慎重に進んで行く事にした。
危険な秘境をいくつも探検した身ではあるが、波の高い海沿いを歩くのはさすがに怖い。

7号トーチカ


6号トーチカ

いずれもコンクリートは欠け、土台は浸食により傾いてしまっている。また、砂に埋もれかけているので、入口から中に入る事はできなさそうだ。
なお、2基の銃眼穴はそれぞれ向かい合わせに設置されていた。



2基の横を足早に通り過ぎると、海岸部分が若干広くなったので、ホッとして防波堤部分から降りる。
先を見渡してみると、この先の5号、4号、3号、2号…のトーチカが並んでいるのがボンヤリと見える。
波飛沫のせいで霧がかっており、まるで蜃気楼のような不思議な光景だ。


この辺は波が来ていないので、ようやくトーチカに近づく事ができた。
…にしても、玉砂利が数多く含まれた粗悪なコンクリートだ。さらに、コンクリートが欠けて内部の木材が見えている箇所すらある。
調べたところ、当時は資材不足により、予定されていた鉄筋コンクリート製は叶わずにコンクリートと木枠を用いての施工となってしまったようだ。当然、あまり質の良い防衛設備とは言い難い。

5号トーチカ

トーチカの建設は日本軍だけでなく、地元住人も動員されて行われたそうだ。
造られた物の中には丸太を組み合わせた木製トーチカもあったという。
なお、現在ではこのように構造物丸出しの状態だが、完成当初は土や砂に埋まった状態だったらしい。
年月の経過による風化でこのように構造物が露わになっているわけである。


外側から銃眼穴を覗いてみる。
10年以上前に探索した方のレポートでは内部に入れたようであるが、年月が経った今では半分以上がすっかり埋まってしまっている。

4号トーチカ



海岸には、こちらも粗悪なコンクリで造られた円形の構造物も埋まっていた。下水管か?
また、例に漏れず漂着物がかなり多く、散策してみると中々楽しい。

3号トーチカ


2号トーチカ

先述した10年以上前のレポートと比較すると、付近の地形もだいぶ変化しているようだ。
レポート内の写真では、トーチカのすぐ側まで土手が迫っていたが、すっかり波によって削り取られ、トーチカのみポツンと取り残された状態になっている。


他に比べて、こちらは辛うじて砂に埋まりきっておらず中に入る事ができそうだ。身をかがめて、狭い入口から早速入ってみる。
通路は逆コの字型に折れ曲がり、その先の小さな部屋へ繋がっていた。
この構造は、万が一の時に爆風を食い止めるためと思われる。




通路の天井は薄い木製の板。故に、中へ入った途端、木造家屋のような木の匂いがうっすら漂う。
そして部屋の中心部には、上部へとつながる四角い穴のようなものが。空気穴だろうか?


銃眼穴から太平洋を望むと、今まで感じた事のない高揚感が。
部屋自体は思ったほど狭くはないので、閉塞感というか窮屈な感じはあまりしなかった。

1号トーチカ

最後に現れたこのトーチカも、10年程前は土手と繋がっていたようだが…。
現在は上部にかぶさる土がその過去を静かに証明する。

最初の8号トーチカからここまで、1キロ少しの距離だろうか。
この先、海岸は当縁川支流にいったん分断されるが、その向こうに2基のトーチカがあり、少し離れた場所には更に3基のトーチカが存在しているというが、今回の探索はここまでとする。
この先の5基の探索記録は探してもあまり見当たらないが、到達困難なのか場所があまり知られていない為なのかは不明である。

なお、海岸から少し内陸側の山林にも2基が確認されており、うち1基は平成20年に発見された比較的新しいもので、見学コースも整備されているそうだ。


1号トーチカ付近より、辿ってきた方向を振り返る。
波が荒くなってきたようで、序盤に見たトーチカ達は軽く波を被っているようにも見える。
なんとも荒涼たる光景であると共に、傾いた人工物が海岸に埋もれる様は、何やら『猿の惑星』チックだ。
こんな風景、ここ旭浜以外では見られまい。

※参考
大樹町公式ホームページ
イン ジ エア

完。
(2017年6月訪問)
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山の上の遊園地

2018-04-12 19:04:17 | ホルマリン漬け北海道 トワイライトゾーン
2017年4月末。もう1年前の探検記録となる。
私が激務のコールセンターで業務に追われているうちに、季節はぐるっと一周し、いつのまにかまた同じ時期になっていた。
この記録をもっと早く皆さんにお届けしたかった。

さて、とある山の頂上近くに、巨大な遊園地の残骸がそのまま残っている情報を耳にし、訪問してみる事にした。
正式には完全な廃墟ではなく、採算がとれず営業休止…の状況らしいのだが、詳しい状況は曖昧でよく分からない。


色あせた看板に導かれ、住宅街から山の頂上へ向かう細道へと入る。
ひとけの無い道路を延々と登っていくと、道の脇に「あと○○メートル」という看板がポツポツと現れてくるようになった。

私は自然と、過去に読んだ『山の牧場』という怪談話を思い出した。
特に幽霊などは出てこないのだが、主人公が山の中腹にある謎の廃墟へ迷い込むというストーリーだ。
あの話にも「あと○○メートル」と書かれた看板に導かれ、細い山道を車で登っていく描写がある。
いやがうえにも気分が高まる。

標高が上がるにつれて、道路上に雪や氷の山が多くなってきた。
雪解け水で道はドロドロ、折れた木の枝もあちこちに散乱している。
これ以上車で進むのは困難と判断し、車を乗り捨て徒歩で登ってゆくことにした。


シャーベット状態の残雪の上をザクザク歩いていくと、視界がひらけ、ローラーコースターの残骸と思しきレールが姿を現した。
周囲を見回してみると、その他にも色々な遊具がそのまま残されていて、想像以上に見ごたえがありそうだ。




恐らく、どの遊具も雪融けでようやく姿を現したといった感じだろう。
所々にいるキャラクター達は無人の空間で見ると少し気味が悪い。


傷んだプレハブ小屋を覗いて見ると、マスコットの生首が少し埃をかぶって放置されていた…。
何て素敵な光景だろう…。まさか道内で遊園地の残骸を見られるとは思わなかった。




まぁ、一応は休止中の状態との事なので、残留物はかなり多め。
しかしどの遊具もすっかり傷んでいるため、補修費用も馬鹿にならないだろう。容易に営業再開するのは困難と思われる。
いずれはこのまま解体の運命か…?




遊園地の真ん中には、ご覧の通り立派なメリーゴーランドも残る。
元々はネットやブルーシートでしっかり保護されていたようだが、今やすっかりほどけて放置状態だ。
…それにしても、朽ちたメリーゴーランドとは何とも独特な雰囲気を醸し出すものである。






これらだけでも充分に満足だが、「ホラーゾーン」「わくわく恐竜ランド」といった更に凄そうな場所への案内看板を見つけ、もう少し奥へと進んでみる事にする。


雪に埋もれた細道を苦労しながら進んで行くと、木造の小さなバラックがズラリと並んだ広場に出た。
小屋の脇には鳥かごや餌の袋が……。どうやら「ふれあい動物園」的なコーナーだったと思われる。


窓は木の板で目張りされ、容易に内部を覗く事ができない。
果たして、動物たちは…?ふいに緊張が走る。
バイオ○ザードに出てくるゾンビドーベルマンを思い出しつつ恐る恐る覗いてみたが…。
よかった、動物たちは無事に運び出されており、どの小屋も空っぽだった。




ふれあい動物園の広場から少し坂を登っていくと、最後のハイライトである「わくわく恐竜ランド」に辿り着いた。
カラフルな恐竜の巨大オブジェがいくつも置かれている。
…●●山の上にこんな楽園があったなんて知らなかった。




どの恐竜たちもかなりの大きさ。遊具と比較してみてもその大きさが分かるだろう。
ブラキオサウルスの頭が枯れ木の間から見えた時は、小さい時に読んだネッシーやらモケーレ・ムベンベやらのUMA捜索記を思い出させ、なにやら未開の地を歩く探検家の気分になれた。
夏場に来たらもっと気分が高まるに違いない。


これほど様々な恐竜たちがあちこちに居るなんて、子供たちは大喜びだったに違いない。
残念ながら、恐竜たちの中には雪の重みで胴体からボッキリ折れて、ハリボテが露わになっている個体もいた。


山の斜面のいちばん高い所には、ご覧の通り立派な観覧車が静かにそびえ立っていた。
山頂に向かう道路からも遠目に見る事ができるが、ここまで辿り着くのはなかなか難しい。
もちろん動いているはずもなく、ぶら下がるゴンドラだけが微かに揺れていた。

無人の遊園地というのは、何故こうも気味が悪いのだろう…。

この場所からは、山の麓に広がる街がずいぶん遠くまで見渡せる。
もう何時間1人でいるのか分からない。
さすがに少し怖くなり、私は麓の街を目指して、山の斜面を下り始めた。

完。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハヨピラ(後編)

2016-12-17 17:46:50 | ホルマリン漬け北海道 トワイライトゾーン


ハヨピラ ~平取UFO伝説~ (前編はコチラ

基地へ通じる階段は…残念ながら途中で閉鎖。

フェンスを見てみると、上部から落下してきたと思しき石のカタマリがたくさん。
どうやらこの辺りは崩壊が一段と著しく、公園だった頃には既に立ち入りが禁止されていたようです…(^_^;)
仕方なく金網越しに基地の建物を見てみると、やはりこちらも結構な崩壊具合。
丸い印はどうやらUFOの着陸地点を示す目印だったそうな。昔の写真を見てみると鮮やかな的のようなマークが確認できますが、すっかり色がくすんでしまっています。

巨大モニュメントへと到着。

…UFOを指さす長老のような人物が描かれていますが、彼自体も不思議な乗り物に乗っています。そして傍らには人物を見上げる(拝んでいる?)女性のような姿。
やはり、描かれている人物はアイヌの人ではなくオキクルミカムイと考えた方がよいのでしょうか…。


モニュメントのある部分は展望スペースになっていたようで、小さな見晴らし台の痕跡がありました。当時より伸びてしまった木々が多少邪魔ですが、確かに眺めはそれなりに良いです(前編の冒頭の写真)。
なお、ここから急斜面を登るとテッペンの基地まで行けそうな雰囲気でした。
枝をかき分けて少し登ってみると、何やら橋のようなコンクリートの人工物が…。

頑張れば基地付近まで近づけそうな雰囲気でしたが、見た感じかなり険しそうな道のりで
進む気になれず、撤収(笑)。

皆さん、最近こんな感じばっかりでスミマセンね(^_^;)。
ちなみに基地まで近づいた方の画像を拝見したのですが、ガランとした内部には鉄製の階段があるだけで特に何もなく、階段の先にはサビサビの小さな展望空間があるだけのようです。
ハリボテ感が否めませんね…。


不思議なオブジェが到るところに…。

飛行機でしょうか?忘れられた空間の中で立ち続けるさまは不気味というか何というか。


こちらは祭事用の台?それとも何かが撤去されてしまったあとの名残でしょうか。
到る所で足元に転がっているコンクリートの破片は不思議な形をしていたり、アイヌ文様のような物があしらわれていたり…。


ひと通り探索を終え、階段を下まで降りてゆくと、敷地の端に別の空間へと続く通路がある事に気付きました。
恐る恐る進んでゆくと…何やら神聖な場所が…。




「蝦夷 オキクルミカムイ 始祖」
…スゲェ。もしや謎の研究団体・CBAは宇宙の研究を行う傍ら、この地に伝わる神様・オキクルミカムイを崇めていたのか?もしやCBAの正体は宗教団体??
あまりにも謎すぎる。


カムイを守るように石段の前に鎮座していたのは、なんと狛犬ならぬ狛ヒグマ!!!
4月に千葉県でラブラドールレトリバーの狛犬を見ましたが、それを超えるレア度ですな。


え~…、肝心のオキクルミカムイ像は何ともシロウトくさ……、いや、味のある出来栄え。
長年風雨に晒されているせいでヒビが入っていますが、崩壊する可能性はまだ低そう。


…ところで、像のある広場にて何かを燃やしたような痕跡を発見しました。
わざわざ立入禁止のこんな場所でモノを燃やすとは…。
まさか何らかの儀式が未だに行われている!?

そういえば、この場所を探索した方の情報を集めてみると、オキクルミカムイの像には真新しい花が供えられている時もあるようです。
不自然に草が刈られた通路はその参拝者によるものでしょうか??


これにて平取町の不思議スポット、ハヨピラの探索は終了です。
探索中は誰とも会う事はありませんでしたが、敷地内の様子を見るに、この場所は現在も静かに生き続けている気がします。
CBAの正体、そしてこの場所で何が行われていた(いる)のかは結局明らかには出来ませんでしたが、今回については謎は謎のまま、ひっそりとさせてあげようじゃありませんか。

ハヨピラ~平取UFO伝説~
完。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハヨピラ(前編)

2016-12-04 22:54:51 | ホルマリン漬け北海道 トワイライトゾーン

ハヨピラ ~平取UFO伝説~





苫小牧市から車で下道を30分ほど。平取(びらとり)町は日高地方の西に位置する、人口5000人少々の静かな町です。古くからアイヌの伝説が数多く残る地域ですが、それと共に、町の外れにとある摩訶不思議なスポットが存在している事はあまり知られていません。
かつて、私の父が仕事で平取町を訪れた時、山の中腹部分にボロボロの倉庫のような建物があるのに気づきました。地元の仲間に「あの建物は何だい?」と聞くと、信じられない事に「宇宙人基地の廃墟だよ…」との答えが。
その時の父は鼻で笑ったそうですが、実はこの情報、ガチである。
調べてみると、昭和42年に「CBA(Cosmis Brothergood Association)」なる謎の研究団体(現在は消滅)が、宇宙人との交流のために基地を建造。閉鎖されてしばらく経つ現在も放置されたまま残っているという驚くべき事実がありました。

果たして、CBAなる団体はなぜ平取町に基地を造ったのか??
そしてその基地は今どうなっているのか?
謎に包まれた珍スポットの全貌を確かめるため、私は平取町へと向かいました。


10月某日、午後1時。
札幌から車を走らせること約3時間、平取町へと到着です!(^-^)
大学時代、アイヌの歴史調査で一度訪れた事がありまして、件の基地は町の外れからバッチリ見えました。
当時の記憶を頼りに町中を抜けると…見えました。
険しい山の斜面に建てられているので、遠くからでも目立つんですよね(^_^;)

山の麓の入り口へと到着。

道路に面して、ご覧の通りに怪しげなゲートが建てられています。
かつては「ハヨピラ自然公園」として町民に開放されていたとのことですが、施設が荒れ果ててしまった現在は危険なため、立ち入り禁止区域となっています。


ゲートの前には、一応キレイな案内板が設置されていました。
「ハヨピラ」とはこの山の呼称らしいのですが、その由来は「武装した・崖」という意味のアイヌ語のようです。
案内板によると、ここハヨピラはアイヌの方々にあらゆる生活の方法を伝授したとされる神様、オキクルミカムイが降臨した土地とされているらしいのです。
どうやら謎の団体・CBAは、このオキクルミカムイの伝説をUFOに乗った宇宙人説と捉えて基地を造ってしまったようです(^_^;)。
その後、団体が解散後は平取町が公園として整備していたようですが、今はすっかり廃施設となって今に至る…というのがココの経緯。


見れば見るほど不気味なゲートですね…。この先がヤバそうな場所という雰囲気がプンプンします(笑)。上部には「HAIOPIRA」の表記。
ゲートはしっかりと閉じられていますが、横の草むらが普通に開けているので難なく突破できます。…ということで侵入。
ずっと気になっていた内部へと、いよいよ立ち入ります。


ゲートの向こうには、車が1台通れるほどの道が伸びていました。
少し薄暗いですが、立ち入り禁止の割には随分と歩きやすいですね…。今も整備されている?


公衆トイレの残骸や巨大なゴミ箱など、公園時代の雰囲気が生々しく残っていてこれまた不気味。
電柱や電線なども残っており、電気もしっかり引かれていた模様。


しばらく道を進んでゆくと視界が開け、ハヨピラ自然公園の全貌が。


う~ん、何やら森の中の古代遺跡を探索しているかのような気分。
石を並べて造られた急な階段がピラミッドのよう。
そして階段のてっぺんに建つ台形状の建物が、町中からもよく見える基地の本体(?)です。


階段の中央部分には、巨大な円形の花時計があったようですが、今や草ボーボーで見る影もなし…。


階段を登った先には、何やら怪しげなモニュメントが見えます…。


UFOを指さすのはアイヌの長老?それともオキクルミカムイでしょうか?
そしてその下のタイル画、よく見てみると…巨大UFOが!!!


急な階段を登って中腹部分へ。傾いた「ヘビ注意」の看板に少し身構えます。
そしてココにもUFOが。


コンクリ製のUFOオブジェ、ずいぶん長いこと風雨に晒されているようでボロボロでした。
どんなカラーに塗装されていたのか気になりますね…。

次回…オキクルミカムイ登場!
続く。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

我路 円形校舎 (後編)

2016-06-19 17:14:53 | ホルマリン漬け北海道 トワイライトゾーン
大変お待たせいたしました。円形校舎探索、後編です。



廊下に残るコンクリート製の水飲み。

排水口には来訪者のタバコが山盛りに…(^_^;)。やはり結構な人の進入があるようですね。
やけに多かったですが、肝試しに来てココで一服したのか、オバケに怯えてお供え物のつもりで置いていったのか…。

そして…いよいよ教室へ。



見た事もない形の教室には、木製の棚と木の枠(机の前側?)がポツンと残るのみ。
それにしても、黒板はどこにあったのでしょう??出入り口の間にあったとしたら小さすぎて使い勝手が悪い。
側面の壁に横長の板が付いていた形跡がありますが、ここがメイン黒板であったとしても座席の配置が難しい。
考えれば考えるほどヘンな形ですね…。


残留物を探し求めるように、円形に並んだ教室を一つ一つ回ってゆく。
ガラスの無くなった窓から陽の光が差し込む光景が、何とも綺麗ですね。

螺旋階段を降り、2階へ。

螺旋の中心にはガランとした円柱状の空間があり、小窓から内部を覗く事が出来ました。
何があったのでしょうね??


とある教室の窓から1階の屋根部分に出る事が出来たので、kiichiさんに続いて外へ出てみます。
周辺の森はすっかり雪が溶けているのに、ひんやりした校舎の屋根部分にはシャーベット状の残雪が。
水に沈む草や木の枝が、何やら氷漬け標本のようで幻想的です(*^_^*)。

…春はまだこれからですね。


木製のドア枠や小棚など、3階と比べて備品が多く残る2階。
薄暗いのに加え、水浸しの1階が近い事もあってかひんやりとした空気が漂います。
苔むした壁や床が美しい。



階段を降り、水浸しの1階へ。

予想以上に浸水していますが、冒険大好きkiichiさん、果敢に挑みます(笑)。
奥へ行くごとに深くなっているようで、彼の立派な長靴でも少し進んだだけで限界(^_^;)。水深50センチ以上はありますね。
安っすい短めの長靴で来てしまった私はおとなしく見学…(笑)。
ぬかるんでいるので気を付けてくださいね。

実はこの水浸しの1階、円形校舎の内部で一番ともいえる幻想的な光景が見られると、廃墟マニアの間では有名なんです(*^_^*)。
勇気を振り絞って水たまりを進んだ者しか見られない神秘
kiichiさんから写真を頂いたので、特別に掲載させて頂きましょう!


(kiichiさん撮影)

教室一面に広がる水面に、朽ち果てた窓からの日差しが降り注ぐ…。
探索者が立てる静かな波が、水面に映る窓の姿をユラユラと揺らす。

目の前に広がる「静」の光景に「動」が加わる瞬間だ。
細かな波紋と同調して、自らの心臓の動きが早くなる。

次第に大きく聞こえるその音はまるで、眠りから覚めた廃墟の鼓動のようだ。


…なんて思っていたのかどうかは分からないけれど(笑)
kiichiさんが満足げな顔で引き返して来たので、そろそろ探索も終わりにしましょうか。



みんなの 声が 聞こえる…。



けれど、その声は もう 過去のもの。



あなたも もう 帰っちゃうの…?



小学校の面影がほとんど失われ、ただただ朽ち果てたコンクリートの空間が残る我路・沼東小学校。

開放的で明るい空気が故に恐怖感は特に感じられず、そこに心霊スポット特有の不気味な雰囲気はまったく無かった。


特徴的な円形の廃墟には幽霊ではなく、優麗な景色が待っていたのであった。


そして今日も、物好きな探索者たちの訪問を待ちつつ、静かに眠る。

「我路 円形校舎」探索、
完。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする