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ホルマリンのマンネリ感

北海道在住、ホルマリンです。旅行、怪しい珍スポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、昭和レトロなどなど…。

円形校舎 旧室蘭絵鞆小学校(前編)

2025-04-23 00:01:41 | ホルマリン漬け北海道 歴史編


旧室蘭市立絵鞆小学校は、絵鞆半島の同市祝津地区に明治25(1892)年開校。
平成27(2015)年に閉校するまでの122年間で計11,000人超の卒業生を送り出してきた歴史ある小学校です。
現在も残る旧校舎は、鉄の町・室蘭での高度経済成長期の人口増加に対応するため、昭和33(1958)年と同35(1960)年に1棟ずつ建てられた鉄筋コンクリート造3階建ての円形の建物。
円形校舎は昭和30~40年代に全国で100棟ほど建設されましたが、2棟が仲良く並ぶ姿で現存するのは全国でも室蘭絵鞆小と小樽市の旧石山小の2か所のみ。大変貴重なものとなっています。

閉校後、室蘭市は東側の「教室棟」を保存、3階に体育館のある西側の「体育館棟」は耐震性に問題があるとのことで解体の方針を出しました(2014~19年)。
しかし貴重な2棟の存続を望む声は多く、市民団体が実施した保存活動のクラウドファンディングには1,000万円を超える支援が集まりました(19年)。
市は解体を撤回し、現在「教室棟」は市、「体育館棟」は一般社団法人の所有となっています。



体育館棟の耐震補強工事が行われたのち、22年4月から2棟の一般公開がされており、現在は3~10月の土日祝日に見学することが出来ます(教室棟は入館無料で自由に回れますが、体育館棟のみ入館料500円でツアー形式)。
今回の写真は2棟の保存か、それとも体育館棟の解体かで揺れる2019年に特別開放された時に撮影したものです。


重厚感ある外観はこれまで何度か撮影していたので、校内に入れるのがどれほど嬉しいことか。
円形校舎2棟に挟まれた中央玄関から校内へ。さすが築60年とあって、ドアなどの設備から歴史の重みを感じます。



ずっと見てみたかった円形校舎の中心部。
平面図を見ていただければ分かるかと思いますが、美しいらせん階段と円形の廊下を中心に、教室が放射状に配置された大変ユニークな構造です。じっくりと撮影するカメラマンたちでにぎわっております。


教室の中へ入ってみました。
窓に向かって広がっていく扇形で、よく「バウムクーヘンを切ったような形」と例えられます。
それにしても黒板が小さいですねー!教師の方々、使うの中々大変だったのでは?



美術室だったかな?別教室には机も残っており、どのように配置されていたかが分かります。
教師と黒板を囲むようにこちらも扇状になっており、真四角の教室で育った私にとっては随分と新鮮です。


この円形校舎を設計したのは、日本全国で学校や病院などの円形建築を手掛けた建築家の坂本鹿名(かなお)氏。
円形校舎は狭い敷地を最大限に生かし部屋数を増やせること、建築面積が小さく資材や総工費を抑えられること、扇形の教室は日当たりがよく教師の目がよく行き届く等のメリットがあります。
鉄鋼、製造業などの産業発展で、昭和27年には児童数が1000人超のマンモス校となっていた絵鞆小。木造校舎からの建て替えにあたり、限られた敷地面積の中で円形校舎という選択に至ったのでしょう。
室蘭の繁栄を物語る貴重な建築物といえましょう。



とある教室の黒板には、閉校時に生徒が書き残したと思われるメッセージがそのまま残されていました。
「こわさないでー!」「えとも小最高」などのかわいらしい書体が泣かせます。
この他、校内のあちこちに当時の生徒たちの作品や掲示物が残っていました。





らせん階段を上り、教室棟の屋上部分に来ました。
展望回廊のようになっており、窓からは祝津地区の住宅街や港、白鳥大橋などが見えます。
壁には「絵鞆っ子広場」の文字とともに、生徒による宇宙や大自然の壁面イラストが。


天井には小さな穴がいくつも開けられていて洒落た印象です。
美唄の旧・沼東小学校で見た採光窓でしょうか?塞がれてしまったのか、日光は入っていません。
賑わうらせん階段には「ここで鬼ごっこしたよ!」などと楽しげに語る卒業生らしき大人の姿もありました。貴重な証言です。

後編に続く。
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おもしろ公園ぐらんぷり2024 第8回(最終回)

2025-03-21 18:19:48 | 北海道内の旅行・風景
年を跨いでしまって早3か月……。
諸事情により更新が滞っていたこのシリーズも、ついに最終回です。
白老町で見つけた何とも愛くるしい遊具を紹介しましょう。



第8回:ひとりぼっちの怪獣発見!
(萩野大町公園:白老町字萩野79-122)

白老町の少し寂れた萩野地区の住宅街。
国道36号から1本裏道に入り、狭い生活道路を進んでいくとドーンと目に飛び込んできます。



巨大怪獣のコンクリ遊具!

およそこんなコミカルな遊具があるとは思えぬ道の先にあるので、インパクトは相当なもの。
小さな公園の入り口に鎮座しているのでかなり大きく感じます
隣の国道は数えきれないほど通ったことがあるのに、これまで全く存在を知りませんでした。



公園内にポツンと一匹。公園も寂れてしまっており、利用者はあまり多くは無さそう……。
かつては古い大型ブランコや鉄棒などがあったようですが、老朽化で撤去済み?何もありません。





久々のインパクト大な大物公園遊具。
我慢できなくなり、大人げなくすべり台になっている背中に上ってみました。誰もいないからいいでしょ(^^)。
見てもらえば分かる通りかなり年季が入っており、手や足を掛けると表面のコンクリがペラペラと剥がれてしまいます。
大きく開いた口の中にはペットボトルが詰め込まれていました……。

それにしても、これは怪獣?恐竜?種類は何なのでしょうね~。
歯は無いので草食獣かな?



調べてみると、この怪獣すべり台は1975年8月25日に設置されたという記載がありました。
既に50年近く前の遊具です。
横っ腹にある扉のようなものは用具入れか何かかなと思ったら、どうやら昔は体内に入れたようですが古くて危険なので塞がれた跡のようです。



現在、この怪獣は一緒に遊んでくれる友達はいるのでしょうか?
ひとりぼっちで忘れられているような印象を受けます。
そしてこれまで紹介してきた古いタコすべり台たちと同様に、この怪獣も先は長くないような気もします。
皆さん、ぜひこの愛くるしい怪獣に会いに行ってみてください。
もちろん壊さないように、ご自身もケガをなさらぬよう優しく触れてあげてくださいね。

(2024年訪問)

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おもしろ公園ぐらんぷり2024 第7回

2025-03-14 23:53:11 | 北海道内の旅行・風景
苫小牧市と同じ胆振管内の東側に位置するむかわ町恐竜の町です。
2003年に町内の穂別地区から発掘されたハドロサウルス科の「むかわ竜」化石は、国内最大級の全身骨格化石として世界的に注目されています。
白亜紀には海だったという同地区は、そのほかにも状態の良い海と陸の古生物化石が多く見つかっており、町内の穂別博物館でその成果を見ることができます。
そんなこともあって、町内、特に穂別地区にはあちこちに恐竜を模したオブジェや遊具があります。

・森の中に巨大ホッピー!
(ほべつ道民の森 勇払郡むかわ町穂別108番地2)




穂別博物館から徒歩5分程度の場所にあります。
1977年に発掘された白亜紀の首長竜「ホベツアラキリュウ(通称ホッピー)」がモチーフになっているようです。
かなり規模の大きいアスレチック遊具で、顔の部分までは長い階段で上ることが出来ます。
高所恐怖症には中々厳しそうです(^^;)。でも子供たちには人気の様子。

ちなみにホベツアラキリュウの化石は全身骨格として国内2例目で、道内では初。博物館創設のきっかけになりました。
博物館エントランスで全長8メートルの迫力ある化石を見ることができますよ。


公園すぐ近く(博物館の真向かい)にあったベンチはよく見ると海生哺乳類のデスモスチルスのをモチーフにしているようで、こちらもレア。油断できませんね。
その他にも、道民の森はタイムトンネルがあったり、恐竜オブジェや本物の化石が置かれた野外博物館が楽しいので要チェック。

・穂別中心部のミニ恐竜たち
(ホッピー公園とふれあい公園 勇払郡むかわ町穂別)



穂別地区のメインストリートにある小さな「ホッピー公園」の恐竜オブジェたち。ステゴザウルスと……ティランノサウルス??(注:オブジェの前の説明版ママ)
公園入口の車止めアーチもトゲトゲしていて、どことなく恐竜チックなのが可愛い。



こちらは「ホッピー公園」から少し歩いた「ふれあい公園」の遊具。
よく見るとティラノサウルスの形をしていますね。
目などは無く、口を開けたシルエットのみのデザインですが、それでもティラノと分かる秀逸なデザインですよね。
正面から見たらちゃんと立体ですよ。



隣にはむかわ竜かステゴザウルスか、ともかく草食恐竜と思われるすべり台も。
これまでの恐竜遊具たちとタッチが異なりますが親しげのある顔をしています。
この他、噴水にアンモナイトや古生物の壁画があったりなど、恐竜好きの子供には楽しめそうな公園です。


さて最後に。穂別地区を出まして……。


・減るだけじゃないタコすべり台
(福住たこ公園 勇払郡むかわ町福住2-74)




さて今回もタコすべり台。当ブログ3回連続の登場ですね。
愛称が「タコ公園」というのは全国各地に数多いと思われますが、こちらの公園は正式名称が「たこ公園」という少し珍しいパターンです。
そしてこのタコ、これまで当ブログに登場した個体と比べて作風というか年季が違うことにお気づきでしょう。
実はこちらは2021年設置の新参タコなのです!


遊具にくっついた銘板にも「2021年10月」の表記が確認できます。
この公園にも長らく旧型のタコすべり台が鎮座していました(撮影しに行かなければとダラダラしているうちに消えてしまったのは内緒)。
老朽化で撤去されてしまったものと思われますが、その後は「たこ公園」の名にふさわしいよう、安全面に配慮した新たなタコすべり台が新設されたのです。
公園施設などを手掛ける東京のメーカーが設計したもので、表面はなめらかなモルタル重ね塗りとし、高さや傾斜、子供たちの動線に配慮したデザイン。
個性には欠けますが、なんとも親しみやすく優しげなシルエットではありませんか。

この「タコすべり台の更新プロジェクト」は同社が全国で手掛けているもので、道内で似たような時期だと北広島市の「やまぶき公園」の例もあります(改修前は2015年に訪問していました)。
タコすべり台は永遠ではないですが、無くなるばかりでもないのですね。少しうれしい。


次回で「おもしろ公園ぐらんぷり2024」、最終回です。
苫小牧市のお隣の白老町にいる愛くるしい遊具を紹介します。

(すべて2024年訪問)
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おもしろ公園ぐらんぷり2024 第6回

2025-02-24 18:54:24 | 北海道内の旅行・風景
今回は、私が現在住む苫小牧市の個性的な遊具たちを紹介しましょう。


・光洋1丁目公園のタコすべり台
(苫小牧市光洋町1丁目)


さて今回も登場しました、私の大好きなタコすべり台。苫小牧にもあるのですね。
私の知り得る限り、市内で唯一の生息個体です(かつて勇払にも1基あったようですが、訪問を後回しにしてる間に撤去された模様)。
100円ショップのすぐ裏。国道36号からも目を凝らせばピョッコリと頭が見えますよ。



他の遊具やベンチなどの設備は新しめで小綺麗なものが設置されていますが、このタコのみが古参といった雰囲気。
恐らく地域住民に愛されているので残されたのでしょう。公園の愛称は「タコ公園」で間違いなし。



鉢巻とおめめが付いた可愛らしいデザインですが、前回の千歳市・とみおか公園ウィンク顔と比べると無表情で愛嬌は控えめか。
例によって塗装が傷んでおり、果たして安全性は大丈夫なのかと思わず心配してしまいます。
化粧直しをして末永く残ってほしいものです……。
(2021年撮影)


・とまチョップの遊具
(オートリゾート苫小牧アルテン 苫小牧市字樽前421-4)


苫小牧市の公式キャラクター・とまチョップを模したぐらぐら遊具(←名前知らない)です!
キャンプ場や温泉施設などがある、市内西部のオートリゾート苫小牧アルテン敷地内に2023年に設置されました。
日帰り温泉施設・ゆのみの湯すぐ裏手の広場にあります。
東京の遊具メーカーの特注品なのだそうですよ。
レア度MAXなので、とまチョップファンのみならず一見の価値ありですね。
(2023年撮影)


公園じゃないけど…美園小のドラゴン?
(苫小牧市美園町4丁目26-2)


こちら小学校の敷地内で、生徒以外は使用できませんがせっかくなので紹介させてください。
仕事の外回りで偶然通りかかり仰天した物件です。
校舎の前に、タイヤをふんだんに利用してつくられたドラゴン2本足のタイヤ星人らしきものがいます。





グラウンド側に回ってみますと、こちらにも大型のタイヤでつくられたヘビと思しき生物と……。
あと1頭は何の生き物か分かりません(^^ ;)。向かい合って置かれています。ヘビの表情が不気味です。





よく見てみると、ドラゴンの隣には4本足のトカゲ?なんとも愛嬌ある表情の生物もいます。
これらの遊具、デザインしたのは学校の関係者の方でしょうか?誰か情報求む。
なお、写真はすべて学校敷地外から撮影しております。敷地内には立ち入らないようお願いいたします。
(2024年撮影)

次回は、苫小牧市と同じ東胆振地域のむかわ町。恐竜が有名な町の遊具たちを紹介します。
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おもしろ公園ぐらんぷり2024 第5回

2025-02-10 00:38:53 | 北海道内の旅行・風景
このシリーズも諸事情により更新がストップしておりました。
タイトルに2024とありますが、まだ2024年度ということで大目に見てください(笑)。

今回は恵庭市、千歳市にある2つの個性的なすべり台を紹介しましょう。


・まさに新鮮?●●●すべり台
(ひがし公園 北海道恵庭市島松東町3丁目4)



札幌市の隣、恵庭市の閑静な住宅街にある公園です。
こちらに素敵で珍しいすべり台があるとの事でやってきました。

小奇麗なごく普通の公園遊具たちと一緒に、広場にドドンと鎮座していたのは……。



おさかな型のすべり台♪





これは初めて見るタイプですね……。それにしても、なぜ魚?
無機質というかシンプルというべきか……。
あまり可愛らしさが感じられないと言うと怒られるでしょうか(^^;)。
コンクリート製と思しきボディは所々ヒビが入っていてお疲れのようですが、頑丈そうです。
ヒレの部分の階段もガッチリ立派なつくりです。



このお魚、種類は何でしょうか?金魚?もしくは海水魚の何かか……。
あと、生気のない目をしていますが生きているのか、それとも水揚げされた後なのか……。
子供たちに好かれているのかも気になりますね(失礼)。


・当ブログ久々のタコすべり台!
(とみおか公園 千歳市富丘4丁目11−45−197)



千歳市の住宅街、幼稚園のすぐ隣にあるこちらの公園にはおもしろ公園遊具の定番、タコすべり台があります。
タコすべり台を愛してやまない私。10年近く前の2015年札幌近郊タコ調査をしましたが、当時は自転車だったため千歳までは来られるはずもなく、ここは初訪問です。



私が最も大好きなねじり鉢巻きとおめめがあるタイプ。
ウィンクしているのが可愛らしいですね。





なかなか立派なサイズのタコですが、近づいてみると全体的に色がくすんでおり、ヒビ割れを補修した形跡がありかなりお疲れのよう。
全国に存在するタコすべり台は1970年代に設置されたものが多く、この個体もそのうちの一つと思われます。



こちらのタコの特筆すべき点は吸盤の造詣がリアルということ。
スロープを上るための足掛かりになっているのが面白いですね。

あらかた写真を撮った直後、ちょうど隣の幼稚園から園児の集団が整列しながら出てきて、すべり台の前に並んで写真撮影を始めました。
ちょうどよかった。不審者に間違われる前に撤収しましょう……。



実は全国のタコすべり台は、前述のように設置から年数が経っているものが多いことから、老朽化で撤去される事案が多くなっています。
実際この企画を展開するにあたり、数年前から目星をつけていたタコたちを訪問しようとしたところ、いつの間にか撤去されていた物件が2~3か所あってショックでした……。
先ほど園児たちがすべり台の前で写真撮影をしていたのは、単にあの幼稚園の恒例行事(クラス写真的な)なのか?それとも……。
あちこち傷んでいるタコさんのあらぬ未来を想像して心配になってしまうのでありました。


ちなみに公園の入り口には、こちらもかなり古くからありそうな素敵なコンクリ像がありますので、こちらも必見です。





次回は私が現在住む苫小牧市の個性あふれる遊具たちを紹介します。

(どちらも2024年訪問)
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