ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

三十路記念の旅 西と南の果てへ その8

2024-02-14 00:52:00 | 旅行(道外)2020~
2024年1月16日(3日目) ~島渡り人~

午前7時ごろ起床し宿の外に出ると、今日もどんよりした曇り空。そして風が強い。
スマホで調べてみると飛行機の運航に影響は無いようだが、強風で海が時化ているのだろう、石垣港では西表航路など欠航が出ているらしい。なお波照間航路は一部運行未定の状態。
波照間島へは明日の朝一で向かうので、何とか1日の間で天候が回復してほしいものだ。
本日はこのあと石垣島へ戻り、軽く観光してから石垣島内の安宿に泊まる予定だ。


8時15分、与那国島を発つ同じ飛行機に乗るK岡さん、N村さんと合流し、宿のおじさんの車で空港まで送ってもらう。
道中、あの小さなプロペラ機の欠航率が気になったのでおじさんに聞いてみると、台風シーズンを除き風の影響はそれほどのようだが、雨天時に霧がかかり離着陸できない状況がそれなりにあるそうだ。

そのほか宿の利用状況も聞かせてもらったのだが、国境の島である与那国島では現在、自衛隊駐屯地への増派に伴う拡張工事が行われており、石垣島や九州などから来る作業員の長期利用が大半だという。
旅行シーズンには町が公民館の体育館を開放し、来島者へはテント泊をお願いすることもあるそう。
今回はたまたま工期の狭間だったため空室があったが、2月から工事関係者の長期滞在でしばらく満室が続くようだ。
図らずも良い時期に島を訪れることができたようで運が良かった。


空港で宿のおじさんにお礼しお別れ。
K岡さん、N村さんと共に午前9時5分発のRAC742便へ乗り込む。
今回は八重山諸島がよく見えるという進行方向右側の座席を取っている。N村さんは最後部のようだが、何とK岡さんは偶然にも私の隣の席であった。2人で驚きつつ笑い合う。

飛行機は無事に定刻通りに離陸し、すぐに祖納集落と「ティンダバナ」が眼下に見えた。
楽しかったな……。





与那国島から遠ざかるにつれて次第に雲が無くなっていき、機内から八重山の島々を眺めることができた。
島の面積298.62平方キロメートルと八重山諸島で最も大きい西表島はかなり入り組んだ形をしているのが分かる。本島に隣接する2つの小島は「内離島」「外離島」という名らしい。
西表島上空を過ぎると「牛の島」と呼ばれる黒島や、2つの島からなる新城島などが次々と現れ見飽きない。
約30分のフライトはあっという間に終わった。


午前9時40分、石垣空港に到着し、到着ロビーでK岡さん、N村さんと再び合流。
名残惜しいが、与那国島でのわずかな時間を過ごした2人とはここでお別れだ。
私の旅はまだまだ続くし、2人はこのあと別々の飛行機でそれぞれ神戸と京都へ帰る。

「ありがとう」。N村さんが深々と頭を下げる。
「こちらこそ。孤独な旅になると思っていたけれど」。私もお礼を述べ、K岡さんが笑った。
一人旅はこういった思わぬ出会いと交流があるからたまらぬ魅力がある。
またどこかで会えることを願って3人は解散した。


再び一人になった私は、旅後半の拠点となる石垣市中心部へ向かうべく、空港から路線バスに乗車する。


午前10時47分、石垣市街にある終点・石垣港バスターミナルに到着した。
波照間島をはじめ各離島への船が発着する石垣港フェリーターミナルまでは徒歩数分である。
高速船に乗って波照間島へ渡るのは明日(日帰り予定)だが、乗り場など下見のため立ち寄ってみることにした。



ターミナルの乗り場ではタレントで元ボクサー、具志堅用高の銅像がお出迎え。
1955年に石垣市で生まれた具志堅氏、説明版には功績と共に「石垣市の英雄」の文字があった。
石垣島に来た際には外せない記念撮影ポイントである。


そして波照間島行きの乗り場を確認し向かってみると、未だに運行未定状態の午前11時45分発の小型船が停泊していた。
2024年現在、波照間航路は1日に3往復出ており、石垣港午前8時発と午後2時半の便は比較的大きめの高速船で運航されているのだが、午前11時45分発の真ん中の便はご覧の小ささ。
昔は全便がこのサイズだったそうだが、この小型船がまた恐ろしいほど揺れて船酔いするらしいのだ。
実際、港に停泊している今ですらも大きく上下動している。
揺れが怖いので明日の波照間航路は往復ともに大きい船を利用させてもらうつもりだ。

このあと運行状況をもう一度確認してみると、結局この日の午前11時45分発は欠航となっていた。



午前11時過ぎ。フェリーターミナルに近い中心市街地を少し散策してみることにした。
観光客向けに飲食店や土産物店が多く立ち並んでおり気分が高まる。



ターミナルから歩いて数分の場所にある「ユーグレナモール」は日本最南端かつ島内唯一のアーケード商店街。2本の通りからなり、石垣市公設市場を中心に土産物店が多く立ち並んでいる。
定番のシーサーの置物やスイーツ、アルコール類など、どの商品もカラフルで楽しい。これぞ沖縄である。
しばし友人らへのお土産探しを楽しんだ。


アーケードのすぐ近くに雰囲気の良い島料理のお店を見つけたので、ゴーヤチャンプルー定食で昼食とした。
ゴーヤチャンプルーは14年前の沖縄旅行でも体験済みだが、豆腐や卵のおかげなのかゴーヤの苦みは思ったほど強烈でなく私は好きだ。
そして一緒に調理されたスパムが美味しい。ずいぶん昔に我が家でスパムを食べたことがあり、その時は独特の塩気が苦手だったのに。これも年齢の経過による変化なのか。
沖縄にいる間にもう一度スパムを試してみよう。

次回、思い出の場所へ。
続く。