※2016年訪問、2024年再訪。前編はこちら。
さて「外部遮へい壁」と「アニュラス」の中へ入り、いよいよ原発の核の部分、原子炉である。
原子炉容器が実物大の大きさで再現されており、黄色く光るのは「ペレット」から成る「燃料棒」を束ねた燃料集合体の数々である。
この燃料集合体が、原子炉容器の中には157体入っているという。
原子炉の中で燃料集合体のウランが中性子を吸収し、核分裂の連続反応を起こすことで大量の熱が発生する。冷却水が温められ320度の熱水となり、これが蒸気を発生させて発電機のタービンを回すのが原子力発電の仕組み。
原子炉の中では「核分裂を体験しよう!」ということで、足でウランを踏むと弾けて次々と核分裂が起こるバーチャル体験があった。すごい展示だ。
原子炉容器の隣には、こちらも実物大で再現された蒸気発生器の模型。
この中にある配管に熱水が流れ、二次冷却水を蒸気にする仕組みだ。
発生器からタービンに繋がる蒸気管(放射性物質が漏れないように多重構造になっている)もあった。
順路に従って進み、ここからは作業員の放射線管理について紹介するコーナー。
被ばくを防ぐため、管理区域を汚染可能性レベルで細かく分けたり、入退域を細かくチェックしていたりなど作業ルールを学べる。
管理区域内に入る際の作業員の装備である。
専用の作業着に着替え、立ち入り許可カード、表面汚染検査の測定器や時間管理できるポケット線量計などが必需品だ。
お次は原発の安全運転を担う中央制御室である。
3交代制の24時間体制で各設備の監視を常時行い、核分裂から発電までの全てをコントロールしている。
とまりん館内のここはタッチパネル型のゲームに参加できるミニシアターになっており、10分程の上映で原子力発電の流れを楽しく学ぶことができる。
「ウラン」「プルトニウム」などの表記が次々と流れてくるシアター上映はなかなか非日常的だ。
中央制御室の隣で怪しく光っていたのは使用済み燃料ピット。水深12メートルある専用プールで燃料集合体を冷却、貯蔵している様子が再現されている。
保管の取り扱いはすべて水中で行うので、放射線はプールの外へは漏れず作業員の人体に影響はない。
使用済み燃料に加え、取り扱いに特に注意せねばならないのが放射性汚染物質。展示の最後には低レベル/高レベル汚染物質の廃棄方法を解説している。
放射能レベルの低い「低レベル放射性廃棄物質」は圧縮しドラム缶に詰め、発電所内に一時保管したあと青森県の廃棄物埋設センターに運ばれ埋設処分される。アスファルトで固めた液体や、布、紙など可燃物を焼却した灰、裁断したビニール・ゴムなどの不燃物が含まれる。
使用済み核燃料から発生した廃液は「高レベル放射性廃棄物」であり、こちらはガラス原料と融かし合わせステンレス製の容器の中でガラス固形体に。30~50年ほど地上で貯蔵し冷却した後、300メートル以上深くの地中(岩盤)で「地層処分」されるという。
この他、3号機の再稼働後に予定されているプルサーマル発電(使用済み燃料からプルトニウムを取り出しリサイクル)についてもパネルで紹介されていた。
施設の最上階4階はガラス張りの展望ラウンジとなっており、積丹半島の青く輝く日本海などを望める。
双眼鏡が常設されているが、残念ながら山の陰に隠れ、泊原発本体はここからは見えなかった(寿都町あたりまで南下すれば割とよく見えたはず)。
2階には小さな図書コーナーがあり、原子力エネルギー関連の書籍がかなり充実していた。
またプール棟も併設しているようだが、2024年現在、休止中であった。
完。
さて「外部遮へい壁」と「アニュラス」の中へ入り、いよいよ原発の核の部分、原子炉である。
原子炉容器が実物大の大きさで再現されており、黄色く光るのは「ペレット」から成る「燃料棒」を束ねた燃料集合体の数々である。
この燃料集合体が、原子炉容器の中には157体入っているという。
原子炉の中で燃料集合体のウランが中性子を吸収し、核分裂の連続反応を起こすことで大量の熱が発生する。冷却水が温められ320度の熱水となり、これが蒸気を発生させて発電機のタービンを回すのが原子力発電の仕組み。
原子炉の中では「核分裂を体験しよう!」ということで、足でウランを踏むと弾けて次々と核分裂が起こるバーチャル体験があった。すごい展示だ。
原子炉容器の隣には、こちらも実物大で再現された蒸気発生器の模型。
この中にある配管に熱水が流れ、二次冷却水を蒸気にする仕組みだ。
発生器からタービンに繋がる蒸気管(放射性物質が漏れないように多重構造になっている)もあった。
順路に従って進み、ここからは作業員の放射線管理について紹介するコーナー。
被ばくを防ぐため、管理区域を汚染可能性レベルで細かく分けたり、入退域を細かくチェックしていたりなど作業ルールを学べる。
管理区域内に入る際の作業員の装備である。
専用の作業着に着替え、立ち入り許可カード、表面汚染検査の測定器や時間管理できるポケット線量計などが必需品だ。
お次は原発の安全運転を担う中央制御室である。
3交代制の24時間体制で各設備の監視を常時行い、核分裂から発電までの全てをコントロールしている。
とまりん館内のここはタッチパネル型のゲームに参加できるミニシアターになっており、10分程の上映で原子力発電の流れを楽しく学ぶことができる。
「ウラン」「プルトニウム」などの表記が次々と流れてくるシアター上映はなかなか非日常的だ。
中央制御室の隣で怪しく光っていたのは使用済み燃料ピット。水深12メートルある専用プールで燃料集合体を冷却、貯蔵している様子が再現されている。
保管の取り扱いはすべて水中で行うので、放射線はプールの外へは漏れず作業員の人体に影響はない。
使用済み燃料に加え、取り扱いに特に注意せねばならないのが放射性汚染物質。展示の最後には低レベル/高レベル汚染物質の廃棄方法を解説している。
放射能レベルの低い「低レベル放射性廃棄物質」は圧縮しドラム缶に詰め、発電所内に一時保管したあと青森県の廃棄物埋設センターに運ばれ埋設処分される。アスファルトで固めた液体や、布、紙など可燃物を焼却した灰、裁断したビニール・ゴムなどの不燃物が含まれる。
使用済み核燃料から発生した廃液は「高レベル放射性廃棄物」であり、こちらはガラス原料と融かし合わせステンレス製の容器の中でガラス固形体に。30~50年ほど地上で貯蔵し冷却した後、300メートル以上深くの地中(岩盤)で「地層処分」されるという。
この他、3号機の再稼働後に予定されているプルサーマル発電(使用済み燃料からプルトニウムを取り出しリサイクル)についてもパネルで紹介されていた。
施設の最上階4階はガラス張りの展望ラウンジとなっており、積丹半島の青く輝く日本海などを望める。
双眼鏡が常設されているが、残念ながら山の陰に隠れ、泊原発本体はここからは見えなかった(寿都町あたりまで南下すれば割とよく見えたはず)。
2階には小さな図書コーナーがあり、原子力エネルギー関連の書籍がかなり充実していた。
またプール棟も併設しているようだが、2024年現在、休止中であった。
完。