ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

レンタカーで四国一周7日間 その6

2018-05-31 23:31:48 | 旅行(道外)2018~2019
2日目 午前11時半。


道後温泉を堪能し、おみやげも買い込んですっかり観光客気分のホルマリン。
このまま次の目的地である宇和島市へ向かおうか、それともその前に四国屈指の絶景と言われる四国カルストへ寄り道しようか迷いました。
例によって、今回の旅も細かいスケジュールは全く決めていないのです(^_^;)

カーナビで所要時間などを調べた結果、まずは四国カルストの方へ向かう事にしました。
せっかく今日はこんなに晴れているのだから、天気の良いうちに絶景を拝んでおきたいと思いまして。
ここからの所要時間は2時間30分ほどとのこと。再び深い山間部へ向かっていく事になります。
行くぜ!!

砥部陶街道

中央分離帯に、愛媛県砥部町名物の砥部焼(とべやき)の陶磁器がズラリと!!
平岸のリンゴ並木みたいなものでしょうか(笑)。
事故で突っ込んだらエラい事になりますね(^_^;)。

国道33号線の高規格区間を抜け、三坂峠へ。


新しめの道路を初めて時速80~90キロで走りましたが、いや~、N-BOXちゃん(レンタカー)、中々いいね。
軽自動車なのにストレスなく高速走行が出来ます。騒音も全く気にならず。
最近の軽自動車はみんなこうなのでしょうか?
そして未だにガソリンが3分の2以上残っている事に驚き。これは給油時の燃費計算が楽しみですね。
だんだんとN-BOXちゃんに愛着が沸いてきました(*^_^*)。

八十八か所の「大宝寺」近くのコンビニで昼食を済ませ、車はさらに山奥へ。
いよいよ四国カルスト台地へと通じる山道が始まりました。

平日のせいなのか、あまり車通りの無い山道をウネウネ登って行きます。
休憩で道の途中に車を停めた時、既に周囲には絶景が広がっていました。


こんな景色見たことない…。
なんだろう、こっちの地方は暖かい気候ゆえなのか緑の濃さが全然違う気がします。
そして、昨日の徳島県でも見たような斜面に張りつく集落
一度カーナビの謎な指示のせいで集落の中に迷い込んでしまったのですが、急斜面でUターンするときに車ごと転げ落ちるかと思いましたよ(笑)。


ここまで片側1車線の道路が続いていて安心していたのですが、奥へ進むにつれて、ついに魔の1.5車線が現れてしまいました(^_^;)。
あれれ~、四国カルストは気持ちの良い高原が一面に広がっていると聞いているのですが、さっきからどんどん山が深くなっていますよ。

車通りはそれほど無いものの、昨日と同じように対向車が来た時には道を譲って、譲られてのどちらかです。
そして薄暗いヘアピンカーブが延々と続き、軽自動車といえども車幅をそれなりに気にします(^_^;)。
あぁ~、こりゃ自分の車(普通車)だったらどっか擦って死んでたわ…。


軽のレンタカーを選んだ自分に感謝しながら道をしばらく登り続けてゆくと、道路に覆いかぶさっていた木々が次第に少なくなり、きれいに晴れ渡った空が見えてきました。
これは…目的地は近いか?

最後の坂道を登りきると、木々が無くなって一気に視界が開けました。


午後2時15分、姫鶴平展望台に到着!


これが四国カルストかー!!!


地芳峠を経由し、愛媛県、高知県にまたがり約25キロ続くという四国カルスト。
山口県の秋吉台、福岡県の平尾台と並ぶ日本三大カルストの一つで、3か所のなかで最も標高の高い場所にあります。
そのため、高原からの景色はご覧の通り。晴れているので相当遠くの山々まで見渡せます!(*^_^*)
風はほとんどありませんが、標高が高い故に涼しくて気持ちがいいです♪


カルスト台地を突っ切るように県道383号線が延び、高原の向こうへと続いています。
日本百名道」にも選ばれている道路で、バイク乗りには憧れの道となっているようです。


で、「カルスト」って何ぞや?と申しますと、石灰岩などの岩石で構成された台地が、雨水や地下水によって浸食されて出来た地形のことを指します。大地に飛び出た白い石灰岩柱が独特な景色を作りだしているのが特徴です。
細い道路を進んでゆくと、いくつもの大小さまざまな石灰岩がすぐ脇まで迫ってきます。


すごーい!石灰岩にょきにょき!!
太陽の光を反射して白く輝く岩の数々。高原じゅうに大小の岩が点在するさまは、何やら動物のコロニーを想起させます。
すぐそばには風力発電の風車もそびえ……、って、この風景、けさ見た夢の風景と激似です(^_^;)。
ペンギンだと思っていたアレ、実は石灰岩だったのか…?
という事は、この先にはハゲワシが?(笑)




このあたりは乳牛の放牧地としても有名な場所で、高原のあちこちに黒い牛たちが。
その風景から、四国カルストは「日本のスイス」とも例えられているようです(*^_^*)
それにしても、放牧は春から秋にかけて行われるようですが、牧場主はどこに住んでいるのでしょう?
農業用倉庫のようなものは高原内にありましたが、住居のようなものは見当たりませんでした。
まさか麓の集落から通っている?


この先にある「天狗高原」に向かって、細い一本道がひたすら続きます。
景色を楽しみながらノンビリ進んでいると、石灰岩の影から野生動物がチョロっと出てきました!
コロンとした小型の哺乳類で、目の周りが黒かったのでタヌキかと思いましたが、妙に鼻が長い。
これは…え~っと、アナグマかな??


坂道のてっぺんまで登りきり、再び車から降りて高原を見渡してみます。
いやホント、なんて気持ちのいい場所なんだ…。
これはレンタカーじゃなくてエリオくん(愛車)と来たかったですなぁ。

車の脇でボーっとする私に興味を持ったのか、一頭の牛がノソノソ近づいてきました。
うはははは、驚くかな?とライトをパッシングさせてイタズラしてみたのですが無反応でした(^_^;)。

高原を突っ切ると「カルスト学習館」がありました。

せっかくなので、中へと入ってみることに。
この辺の散策ルートについて調べたかったのもありますが、何といっても先ほどの動物が何なのか分かるかも…と思いまして。

入り口から入ると、いきなりガラスケースに入った剥製たちが。そしてその中に、すっかりくたびれたタヌキの剥製が…。
いや、似てはいるけどタヌキとはちょっと違うんだよな~。

剥製を見ていると、隣の事務所から作業服を着たおじさんが出てきました。
どうやらこの施設の案内係をされている人のようです。
北海道から来たと告げるといつも通りのビックリな反応をされましたが、つい先日も北海道の学生が自転車でやってきたとの事でした(*^_^*)。
自転車とは…、あの狭い峠道を延々登って来たんでしょうね…。感服しますm(__)m

案内係のおじさん、地図を開いてカルスト台地の散策ルートを丁寧に解説してくれたので、ついでに先ほどの野生動物についても聞いてみました。
やはりこの辺には固有種のアナグマがおり、私がさっき見たのもアナグマだと思うとの事でした。
館内を案内され、展示されているアナグマの写真を見てみると…。
うっははwさっき見たのと同じだ!

通常、アナグマは夜行性であまり姿を現さないそうですが、この辺のアナグマは警戒心が弱く、日中でもノソノソ道路に出てくるらしいです。

外のバルコニーへと案内してくれました。



この辺りは標高1400メートルあるらしく、なんと四国の半分が見渡せるらしいです。
四国最南端の足摺岬も、鋭く尖った室戸岬も、私がこれから向かう宇和島方面もみんな見えます。
山の向こうにうっすらと海が見えましたが、気温が低い時にはもっとハッキリと海面を見ることが出来るといいます。
反対に、天気が悪い時には高原全体が雲に覆われて真っ白……。

おじさんは麓の集落から、毎日車で30分ほどかけてここまで登って来ているといいます。
指さす方を見下ろしてみると、確かにはるか下の方に家々がポツポツと見えました。


ここからは本当に何でも見えるんだなぁ……。


思わず「素晴らしい場所ですね」とつぶやくと
本当にここは素晴らしい場所。いつも静かだしね…」と嬉しそうな笑顔を見せていました。
この高原を心から愛しているんだな、というのが、その笑顔から充分に伝わってきました。

そしておじさん、まるで自分に言い聞かせるように
人間、今みたいな静寂な時間も必要ですよね…」とポツンとつぶやく。
一瞬、コールセンター時代の激務を想い出して何かが胸にヂクッと刺さりました(^_^;)。

何やら私はあの職場を辞め、ついに心が安らぐ楽園に辿り着いたんだなぁとしみじみ感じました。



「カルスト学習館」のすぐ隣には宿泊もできる「天狗荘」があるのですが、その駐車場にはこんなものが。
愛媛県と高知県の県境です!県境の無い北海道民にとっては何とも新鮮な光景ですね~!(*^_^*)
あまり気付きにくい場所にあるので隠れ記念撮影スポットといったところでしょうか。
…にしても、いつの間にか高知県に入っちゃったんですね私。四国上陸2日目にして、既に4県ぜんぶに足を踏み入れた事になります(笑)。


次回!2日目ラストです。
山を下りて辿り着いたのは…。南国の小さな城下町でした。

続く。
コメント (2)
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