金沢から北上していく旅。
最初に訪れた町は、新潟県十日町市。
友人のくみさんの家で、のんびりと
豊かな時間をいただいた。
くみさんの庭に実ったブルーベリー、
私のために2日ほど摘まずにおいてくれたので、
楽しいその摘み取り作業を。
もちろんつまみ食いしながら、
2時間かけて、大きなカゴいっぱいの収穫。
十日町は、日本有数の豪雪地帯。
2m~3mもの積雪量、
4月になっても雪が残る環境ながら
そんなことが信じられないほど、
夏には豊かな田園風景が広がっている。
棚田で有名な、星の峠。
この美しい風景を見下ろす場所で、
くみさんが用意してくれたお弁当を広げる。
雨上がり、楽しげな鳥の鳴き声を聞きながら、
自家栽培の野菜とおいしいご飯を頬張った。
空気もおいしいし、最上のランチ。
くみさんは、県内外でキルト教室を開催したりしながら、
夫君と一緒に畑を耕したり、
庭で花やハーブを育てたり、
豊かな生活をおくるお手本のような人。
畑では、あらゆる夏野菜が実っていた。
なかでもカボチャの種類が豊富なこと!
その造形美、色彩美にほれぼれする。
滞在中にたっぷり頂いた新鮮なお野菜は、
ほんとうにおいしかった。
体の全細胞にしみ渡っていくような滋味があった。
少しずつ開墾して今に至る、という広い畑は、
先だっての集中豪雨により、
収穫目前のスイカ畑がごっそり流されたそうだが、
2日後に下の方で発見、ツルごと持ち帰り、
土に植えたら、見事、根がつき、スイカが収穫できたそうだ。
その蘇生したスイカを、ありがたく頂いた。
厳しい自然環境の中で、
人もたくましいが、スイカもたくましい。
それは最高に甘くて、生命力あふれる味だった。
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そのスイカ畑の横で、ふわっと咲く巨大な花、
「花オクラ」。
オクラの一種だけど、花を食すのだとか。
ネバネバして、不思議な食感なのだそう。
世の中にはいろんな食べ物があるのだな、と実感。
これも旅の醍醐味。
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畑の奥には、豊かな森が広がり、
その中に、石仏が三十三体、小道に沿って鎮座する。
近辺の住民によって守られてきた石仏群。
一軒の家が一体を担当し、管理しているのだそうだ。
春になって、雪の中から現れ、
地域の営みを見守って下さっているのだろうな。
この仏様の頭上の苔は、
あと数年したら、どんな髪型になっているのだろう。
その経過を見守りたい好奇心にかられる。
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十日町の魅力は、こんな素朴なものだけにとどまらない。
この町も含め、越後妻有一帯で
三年に一度開催される、世界的アートイベント
「大地の芸術祭」の本拠地なのである。
来年がその開催年にあたるが、
その狭間の年の夏にも
常設はじめ、小規模な展示が行われている。
これは、茂みの中に突如現れる、鏡の家。
空の色や光の方向が変化すると
一緒に変貌していく不思議な家。
これは、一見ふつうの民家だが、
家の中の、木材という木材すべてが
細かく彫刻されている。
床も、柱も、梁も、椅子も、すべて。
凄まじい作品。
私は5年前の芸術祭に少し関わったこともあり、
自然の中に置かれた現代アート作品が、
時の経過とともに、自然に馴染んでいく光景に
感じ入ってしまった。
山あいの、小さな町に起こる出来事。
ご縁がなかったら、一生気づかなかったかもしれない。
数年前までは、東京行きの特急電車で通過する町だった。
ご縁ってやはり不思議。
くみさんの庭のカエル君も友達になったし。
来年の夏は、田んぼの中のカエル君も
待っててくれるだろうな。
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写真で
回復をカンジました
草だらけの畑で申し訳ないです(^^ゞ
まぁ、こんな風にできることしかできませんが、
星を見に、雪を見に、アートを見に、
畑の野菜を食べに、温泉に入りに
ちょくちょくいらっしゃってくださいね!
花オクラ食べさせてあげる時間もなかったので、
ちょっと鮮度は落ちますが
送ってみるので
茹でてポン酢で召し上がってください♪
続きの旅の様子も楽しみにしています(^^)
星、蛍、雪、温泉、おいしい野菜、山菜 . . .
これだけあれば、他に何もいらないですね。
なんて豊かな生活。
人々もあたたかいし。
また遊びに行かせて下さいね。
花オクラ楽しみにしています。