語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


春の能登路~寺社の花々

2011年05月01日 | 能登の花
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春、能登をめぐっていくと、

どんな小さな神社やお寺にも、

必ず大きな花の木が植えてあることに気づく。








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能登町にある平等寺は、「あじさい寺」として知られるが、

一年を通していろんな花が咲くお寺。

お寺のご家族が、手間ひまかけて育てていらっしゃる。

爛漫に咲く山桜や、しだれ桜の中に、

たくさんの仏像が鎮座して、華やいだ空気につつまれていた。


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地元の人々にも愛されているのだな、

と思わせる光景がそこここに。

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広い境内は美しく掃除され、

訪れる人をいつでもあたたかく待っている、

という気持ちが伝わってくる。

こちらの仏様たちは、掃除の間のお休み中。






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目にも鮮やかな春の花々と、

アジサイをはじめ初夏に向けて生育中の植物たちから

いっぱいエネルギーを補充させてもらった。







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能登路をずんずん進み、

半島の先端、珠洲市に入る。


いつも必ず立ち寄る、二三味(にざみ)カフェへ。

この一杯の珈琲のために、

ここまで足をのばすと言っても過言ではない。

地元でとれた新鮮な苺のタルトがまた絶品。


ほんのひととき、休ませてもらっていたら、

オーナーの葉子さんが、

「近くに大きな花木のあるお寺があるから一緒に行きましょう。」

と言ってくれたので、案内してもらった。


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永禅寺というその禅寺には、

今が満開のしだれ桜と

あふれ咲く、真っ赤な やぶ椿が

艶やかに交わりながら競い咲いていた。


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かなりの古木と思われる、こんもりした椿の下に、

なんと仇討ちで有名な、曽我兄弟の墓があった。

こんな奥能登に曽我兄弟の伝説があったとは . . .















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ちょうど、お寺の奥さまが草むしりをしていらしたので、

いろんな面白いお話を聞くことができた。


このお寺は地元の人たちに「蟹寺(がんでら)」と呼ばれ、

蟹の伝説を、葉子さんも子供の頃から知っているという。

昔むかし、悪さを繰り返す妖怪がいて、

ある日、行脚の禅僧がその妖怪との禅問答で勝ったところ、

蟹の正体を現して、災いとともに消え去ったという。


本堂の軒先には、木彫の蟹が張りつけられていた。

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蟹寺の奥さんは、

珠洲市のまた別の小さな集落のお寺から

嫁いで来られたのだが、

実家のお寺は、なんと蟹を神聖なものとして奉るお寺で、

そこの集落では、蟹は神さまなので、食べないのだという。

「ですからお嫁にきて初めて蟹を食べました。」

というコメディのようなお話に、

すっかり癒されてしまった。



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ほんとに 能登は大らかな空気に満ちている。


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