語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


春の能登路~海辺の風景

2011年05月02日 | 能登の花
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能登半島の one day trip は いつも

往きが 内陸の道、

帰りが 海沿いの道。


西側の外海に、夕日が落ちていく光景を

ずっと眺めながら帰路につく。


輪島の海のきわに作られた千枚田は、

田植え直前のこの時期、

水がたっぷり張られて、

鏡のように 空の色を映す。

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空と海の間で、お米を作るのは

どんな気分なのだろう。

小さな悩み事なんか吹き飛んでしまいそうだ。


満開の桜も、その光景を見下ろしていた。











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能登半島一帯に広がるヤブ椿は、

特に海岸線に群生していて、

長い期間咲くが、今が盛りのピークのようだ。

















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常緑の椿は、こんもりと茂り、

群れ咲いて、異界のような風景を作る。

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黄泉の入り口に来たかのようで、背筋が寒くなるのだが、

花に誘われると、取り憑かれたように奥へ向かってしまう。










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能登では、椿の下にお墓があったりするので、

死と再生を、この植物に重ねるのだろうか。












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海の道の、ゆるやかなカーブを曲がるたびに

小さな集落が現れる。

似ているようで、村ごとに個性があり、

自分の村を通る道を、それぞれ大切にしているようだ。














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色とりどりの花を植えたり、

地場のもので、工夫を凝らし、

生活している様子がうかがえる。






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美しい風景は、

一人ひとりの感性とこつこつ努力が積み重ねられ

出来上がっていくのだなぁ。

「街づくり」と銘打って、

短期間できれいに整備された街には、

こんな味わいのある美しい風景は消えてしまうだろう。





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うつろう色も、流れる風の音も、

何度訪れても、同じものには出会えない。


きっと明日には散っている花たちとの

一瞬の出会いも、眼に焼き付けておこう。














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コメント (2)
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