
架空の話ですが深刻です。
高齢者問題の解決策として、75歳以上の高齢者で、申請すれば安楽死の権利を得ることができる法律(プラン75)が国会で採択されたという設定です。
78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は身寄りのないひとりもの。健康で身体は丈夫、ホテルの客室清掃員に従事。しかし、高齢を理由に解雇されます。生きていくための次の仕事として夜間交通整理員以外に見つからず、生活保護を受けるのに抵抗のあるミチは、プラン75の申請手続きをします。
役所の窓口で無料の「埋葬合同プラン」について説明する職員、岡部ヒロム(磯村勇斗)。他人とまとめて火葬・埋葬されれば、葬式や墓の費用の心配がないコースでした。そんなヒロムの窓口に幸夫(たかお鷹)が現われます。幸夫は20年間も音沙汰のなかったヒロムの叔父でした。
既に父親を亡くしており、叔父との交流を持とうとするヒロム。しかし、プラン75を心待ちにしていた幸夫は、75歳の誕生日に申し込みをします。多少の動揺を見せながらも、死に場所の施設に向かう幸夫。
死に場所の施設で診察台に横たわるミチ。酸素マスクからガスが流れれば、眠りに落ちて死亡するはずでした。隣の台で静かに死んで行く幸夫。だが、手違いからミチの
マスクにはガスが流れませんでした。
幸夫はせめて火葬は合同ではなく身内で行おうと奔走します。そして生き残ったミチは施設を抜け出し、・・・・。