いせ九条の会

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日本軍は最高の栄誉を与えられていたけれど…/山崎孝

2008-04-14 | ご投稿
石破防衛相はイージス艦の事故で、野党から引責辞任要求を受けた国会の場で《普通の国の軍隊は、その国の最高の栄誉、最高に厳しい規律が与えられているが、我が国はそうではない。普通の国であれば、軍隊の中に警察が入ってきて捜査をするということは考えられない》(2月19日、衆議院予算委員会)と述べていることを私は知りました。

石破防衛相はなにか思い違いをしているようです。海上保安庁は軍事に関することを調べているのではなく、あらゆる船舶・艦船の安全航行のために守らなければならない法律違反についてです。当然のことながら海上自衛隊の操船上の誤りの如何について調べています。多くの国民は軍隊になるとこのようなことが調べられなくなるとしたら、これだけのことを考えても、自衛隊が軍隊になることを望まないでしょう。国民の多くは海外で武力行使ができる軍隊を望んでいません。

石破防衛相は軍隊は《その国の最高の栄誉》を与えられると述べました。

かつての日本は軍隊に、神であり統帥権を持っていた天皇の軍隊という名誉を与えていたために、時の政府の言うことさえ聞かずに日中戦争の拡大を主導し、中国戦線を泥沼化させました。この状況を打開する意味もあって、遂には蒋介石軍を支援していた米国に打撃を与えるために米国を奇襲攻撃して日米戦争を始めました。結果は日本を破滅の淵に追いやりました。

この歴史を石破防衛相は深くは認識していないように思われます。現在、軍事オタクと言われる石破私案をたたき台にして、自衛隊の海外派遣恒久法案が政府・自民党で検討されています。

参考 自民党国防部会防衛政策検討小委員会で2006年、当時小委員長だった石破防衛相がまとめた「国際平和協力法案」(石破私案)。国連決議や国際機関の要請がなくても多国籍軍に参加を可能にしている。検討中の案では国連加盟国の要請があればとなるようだ。

【恒久法制定へ初会合/自民チーム ISAF参加も検討】 (2008年4月11日付「しんぶん赤旗」)

 自民党は十日、自衛隊の海外派兵をいつでも可能にし海外での武力行使に道を開く恒久法の制定に向けたプロジェクトチーム(PT)の初会合を開きました。今国会での法案提出を目指します。

 会合では恒久法をめぐる諸論点を検討。(1)国連決議の考え方(2)メニュー(活動類型)(3)憲法と武器使用の関係(4)国会の同意とシビリアンコントロール―について論議しました。

 「メニュー」の中では、停戦監視活動や「人道復興支援」活動のほかISAF(アフガニスタン国際治安支援部隊)の治安維持活動への参加を検討対象にしています。

 政府・与党は当初、ISAFの治安維持活動は戦闘行為を含み憲法違反になるとして参加に否定的でしたが、民主党の小沢一郎代表が雑誌などで「ISAF参加」を表明してから歩み寄りの姿勢を見せていました。米政府関係者からも小沢氏の主張を評価する見解が出ています。

 また一月の臨時国会で与党が強行した新テロ特措法への対案として民主党が提出したアフガン復興支援法案は、アフガン本土への陸上部隊の派遣を盛り込んでいます。与党は異例の取り扱いとして同法案を衆院で継続審議にしています。

 同PTは週一回のペースで開催予定。「公明党が出てくるまでのつなぎ」(幹部)といいます。(以上)

★コメント ISAF(アフガニスタン国際治安支援部隊)は、アフガニスタンの住民を犠牲にする作戦を続けています。そのため、派遣をした国連の現在の国連総長、潘基文事務総長は2007年7月に 《米軍やNATO軍(ISAFの主部隊)の空爆で民間人の死傷者が相次いでいることについて「事故であったとしても、敵を強化し、われわれの努力を損なう」》と言わざるを得ませんでした。