いせ九条の会

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自衛隊員が誇りが持てる海外活動は/山崎孝

2008-04-23 | ご投稿
 4月20日の朝日新聞の記事「現役自衛官板挟み」の中で、《ある幹部隊員は「これが国の機関(裁判所)のすることですか。こんな判断はしてほしくなかった。違憲と言われても、派遣は国が決めたこと。自衛隊員は国のために命をかけて命令を遂行している」と憤りを隠さない。》と書かれていました。

 この幹部隊員の、自らの任務の意義を否定されるような事態に直面した気持ちはわからないでもありません。しかし、自衛隊員にこのような気持ちを味わわせた責任は、むろん裁判所ではなく、国民の多数の反対を無視して、憲法に違反する政策を実行した自民党、公明党の連立政府にあります。

 日本の過去を見れば、兵士が命をかけて戦った日中・太平洋戦争は間違いだったとわかった歴史があります。この時の責任は軍部、政府、政治家、新聞などのマスメディア、そして戦争政策に同調した多くの国民にも責任がありました。

 自衛隊をイラクに派遣する政策に賛成したのは、新聞社では読売新聞、産経新聞などでした。改憲に賛成する立場の知識人やジャーナリストも賛成しました。国民はどうか、朝日新聞社が2007年3月に行なった世論調査の中でも、「イラク特措法」の延長については、賛成19%、反対は69%で、多くの国民は政府の政策に同調しませんでした。事実をしっかり見て付和雷同しないことが大切だと思います。

 多くの国民から支持され、自衛隊員が誇りを持って取り組める海外活動は、PKO協力法に基づく後方支援、人道支援、災害救援・復興活動などであると思います。自衛隊の海外活動はこのような活動に限定すべきだと思います。