女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

現場実習の記憶

2013-04-03 | インポート

中村です

最近、立場や役割について考えることが多い。考えている中でフッと思い出した
遠い記憶

新入社員だった頃の話
アパレル会社に総合職で入社した私は、一年間大丸心斎橋店のショップで販売の
現場研修を受けることになった。そこは売上は社内でNO1。かつ店長がきついこと
で有名だった。

実習先が決まった時、

先輩や同期達からは「中村ちゃん、大変やけどがんばりな」と言われ、

実習期間中、やたら人事の人が「近くまで来たから・・・」と売り場に顔を見せたのは、
一番きつい現場に入れて中村がつぶれてないか心配で見に来ていたということを
後になって知った。

思い出してみれば、確かに厳しい店長だった。


予算必達
お客様との約束を守る
仲間を守る



これらに関しては、スタッフに対してはもちろんのこと、会社に対しても大丸の管理
職に対しても一切妥協なかった。
テナントで入っているメーカーの販売員が百貨店の管理職に文句を言うなんて


あり得ない



ところが、私が百貨店のフロア担当課長に理不尽なことを言われたと知った時、血相
を変えて事務所に乗り込み、

「ウチの中村さんに余計なこと言ったら私が許さん


とやりやった時はびっくりした。と同時に、


「ここまで言ってくれるんだから、しっかりせな


と気合が入った。



実習生の私のことをどのように受け止めていたか?と言うと、

実習初日、私とパートのおばちゃん販売員を残して休憩に行くぐらいだから、
ウエルカムだったわけではない。
※この様子はずいぶん以前このブログで紹介しているので興味のある方は読んでみて!

はっきりこうも言われた。


「最初中村さんを売り場で受け入れてほしい。と言わ
れた時『NO』と答えた。もともと社内で一番きつい予
算をやっとの想いで達成してきたのに、半人前の実
習生を受け入れ、かつ一人分の予算追加なんてとん
でもない中村さんには何の責任もないけど、みんな
歓迎する気持ちになれない



入社したての私は当然そんな事情は知らず。「迷惑掛けてんのや・・・」と一瞬
申し訳ない気持ちになった。


その後、店長に実習中繰り返し言われたことが、

「私らは販売員。服を売ることが仕事やしそれしかできへん。中村さんは、売り子
になるために入社したんと違う。本社へ帰る人や。ここに来た以上、ここで見たこ
と、聞いたことをしっかり本社に伝え!それがあんたの役割や。」

そして、実習を終えて本社に戻る際の送別会でこう言われた。

「自分が会社から『口うるさい販売員』と思われてるのは知ってる。でも、現場の
状況を理解しようともせず、理想を押しつけようとする本部の言うことを素直には
聞き入れられない。私らもあかん。わかってる。だから、あんたらが本社に戻って
売上につながるような企画や方針をだしてほしい。そしたら私らおとなしく言うこと
聞くから

売上予算必達
でもブランド力を高めるために「お直しをしてまで商品を売るな
が当時の本部の考え。でも、ふくよかな人向けのブランドだったこともあり、実際多く
のお客様がお直しを必要とする。
中には、ウエスト、スカート幅、丈など複数箇所をお直しし、お直し代が数千円になる
場合もある。それでも、予算達成には「お直し(が必要なお客様)」が必要だった。


綺麗ごとで予算達成は無理ブランドイメージを守るなら(現場に)武器
がほしい

という考えは理解できた。

本社に戻ったら現場との架け橋になるのが自分の役割だと思うようになった。


店長から教えてもらったのは、販売のテクニックではなく自分の役割
仕事の意味

今思うと、「偏った考え」もあるが、店長がいなかったらなんとなく販売実習の時間を過ご
していたはず。


「部下の役割」や「仕事の意味」を教えるのが上司の仕事

肝に銘じていこう