11月5日読売新聞の夕刊に「遺品の思い出・・小松左京さんのハーモニカ」という記事が出ていた。
1998年浜名湖へのファンの方々との旅行で、ハーモニカをプレゼンとされた(ヤマハNoS23B)氏は包みを開けるやいなやビールで赤らめたほおを膨らませやおら「鉄腕アトム」「汽車ぽっぽ」などをふいてみせた。主旋律と伴奏を吹き分けているように聞こえた。ファンは驚いた。・・・・作品の短編小説「ハーモニカ」はコンピューターの進歩から取り残された男が、わびしさを漂わせ、古いハーモニカを奏でるところでおわる。最先端技術が登場するSF作品には人間味があふれる。33年間秘書を務めた乙部順子さんは「ハーモニカ」が原点にあったのかもしれませんね。
読んでみたいと思って図書館で本を探しました。
コンピュウータートいうものが生活の中でなくてはならないものとなった今、ふと机の引き出しの中からでてきた懐かしいハーモニカがもたらす人間のぬくもりみたいなものが短い小説の中に描かれている小説でした。
いい読後感の小説でした。
ハーモニカの立場からすれば、(ちょっと変な立場ですが、)ノスタルジック、で後ろ向きな扱われ方に多少残念に思う気もないではありせん。もっと、日本のいい音楽の中でいい使われ方、あわよくば音楽の中で主役として活躍してほしいと思います。その可能性があることを証明してくれていますねこの小説は。