改めて VIBRATE / PHIL SOUSSAN

以前も紹介したことのあるこのアルバムですが、あれから2年近く経った今、改めて聴いてみるとやっぱりスルメだったことに気付く。いや～正直初めて聴いたときはホントつまんないと思った。どの曲もおんなじような感じ、という当初の感想はそんな意味で間違いはないんだけど、何度も聴いているうちにそれぞれの曲に独特の味があることに気付くんです。なんだかんだ言いながらほとんどの曲のサビ頭に入ってたりしてね。
それぞれの曲の持つ雰囲気は重たい。だけどなんかこう、ほっとする温もりがあるんですね。音使いは時々ハードロックぽかったりするんですけど、どっか陰がある。陰といっても「暗い」というんじゃなくて、自然体で肩肘張らずにもっちゃりと自分の好きな音楽やってるっていう。シュールなんだけどクスッとしてしまうギャグを売り物にする微妙に明るいお笑い芸人のような、とでも言いましょうか、脳天気さはないんだけどちょっと知性の入った明るさ。それだけに豪華ゲストプレーヤーもゴリゴリと前面に出てくるような押し付けがましさがなくて、PHIL SOUSSANの進む道をサポートするプレーヤーでしかない。
それだけに飽きのこない、21世紀風の極上AORアルバムになっているんです。
試聴できないのが残念ですけど、聴けば聴くほどいいアルバムです。お一つ、いかが？

VIBRATE/PHIL SOUSSAN
PHIL SOUSSAN(vo,b,g)SHANE FONTAYNE/RICHIE KOTZEN/STEVE LUKATHER/WHITEY KIRST/TREVOR LUKATHER(g)DAVID PAICH/JEFF BABKO/STEVE PORCARO(keys)GREGG BISSONETTE/SIMON PHILLIPS(ds)TEDDY ANDREADIS(harmonium)