数社でボツになった漫画シナリオ

超美少年の愛(性同一性障害)は修一に恋していたが、ある切っ掛けを機に超美少女に変身して修一と・・・。

愛が行く(239)   アリュールの美女

2023-01-30 11:46:56 | 漫画のシナリオ
(239) アリュールの美女

四百字詰原稿用紙換算11枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあります。季節は常に真夏である。


登場人物

河原静香(34) 170㎝。髪を夜会巻きにした清楚な美人。写真集の出版社の社長。

出版社の女子社員三人(各27)準美人。

近藤進(35)大人しそうなサラリーマンだが気持ちの悪い(常軌を逸した)目をしている。


N=ナレーション



   快晴の空の絵に河原静香のN『ああ、胸がときめいちゃう・・・』『一冊目の写真集が大ベストセラーになって以来、いつか彼と会えるのを夢にみていた』

   尚も空の絵にN『テレビで試合をみて圧倒的な強さに一目ぼれしたのもあるけど』『倒産寸前の会社を一発大逆転で救ってくれたお礼をどうしても言いたかった』

   ビジネス街の外れに建つ三階建ての縦に細長い小さなオンボロビルの一階に「曙出版」と看板が出ている以前の会社の絵にN『メーカーの取り説やカタログなどを編集してた小さな出版社を亡き父から引き継いだがーー』『私を入れて社員四人の赤字続きの会社で毎日廃業することばかり考えていた』

   同、社内。机を四つ向かい合わせに並べた社内で静香を含め四人の女が暗い表情でパソコン作業をしている絵にN『そんなときに知り合いのカメラマンの川上さんから、なかよしクラブの写真集の出版を依頼されて業績が劇的に好転し
た』

   再度空の絵にN『写真集があれほど売れるとはまさに青天の霹靂』『同業他社から妬まれるほど売れに売れて、なかよしクラブの人気の凄まじさを思い知らされたーー』

   ビジネス街にある一階にスタバが入った全面ガラス張りの十階建ての立派なオフイスビルの全景。

   同ビルの出入り口に人がちらほら出入りする活気のある絵にN『おかげでこんな立派なビルが建ち家賃収入だけで充分やっていけるようになった』

   豪華な一階ロビー内、出入り口から少し離れた所に立ってガラス越しに外を眺めてる静香の後ろ姿に出入りするビジネスマン達が目を奪われてる絵。

注、髪を夜会巻きにした静香の服装は腋ぐりの大きいノースリーブに膝丈のタイトスカートで、いかにも仕事ができそうな雰囲気を漂わせている。

   静香の少し後ろにあるソファーに掛けた近藤進(35)が狂気が滲んだ目で静香の後ろ姿を凝視している。

   尚も静香を凝視する近藤の不気味な目のアップ。

   焦がれるように外を見てる静香の美しい横顔の絵に彼女のN『それに今回の写真集も発売初日で五百万部を売り切って更に増刷中で、この勢いだともう一つビルが建っちゃいそう』

   豊かな胸のふくらみを横からアップで描いた絵にN『ああ、早く岩城さんに会ってお礼を言いたい』

   尚も外を見てる静香の形好いふくらはぎのアップに彼女のN『感謝の気持ちをこの身体で返せるものなら返したいけど、こんなトウが立った女じゃ食指が湧かないかしら・・・』

   パツパツに張りつめた尻に薄っすら下着のラインが透けて見える絵のアップにN『それにしても・・・』

   髪を夜会巻きにした美しいうなじのアップにN『なぜ川上さんがうちみたいな小さな会社に仕事を回してくれたのか不思議でならないーー』

   ほんのり頬を染め、
静香(ひょっとしたら私に特別な感情をもってるのかしら・・・)N『河原静香。34歳。 170㎝。出版社の社長』


   ビルの最上階の角にある静香のオフイスを外からの視点で描いた絵。

   同、オフイス内

注、ゆったりした広い社内は整然と片付き、入り口付近に応接セット。その奥に机が四つ向かい合わせに置いてある。広い給湯室には大きな冷蔵庫と高価なデロンギのコーヒーマシン(ECAM35035W)、電子レンジが置いてあり、椅子も何もかも高価な事務機器で揃えてあり出版社とは思えぬハイセンスな社内である。

   給湯室のコーヒーマシンの絵に女子社員達の声、
  「社長はもう岩城さんと会ってるかしら」

  「今頃スタバでお茶しながら積もる話をしてるんじゃないかな」

   椅子に掛けたA、B、Cがアイドルに会うかの如く興奮し、
B 「ああ、我が社の救世主様に早く会ってお礼をいいたいわ」

C 「写真集が爆売れして給料が手取り十八万から一気に五十万になったのは岩城さんのおかげだものね」

A 「こんな立派なビルが建ったのも岩城さんのおかげ。尽くすから彼女にしてくれないかな~」N『静香の人柄か、自由闊達な社風のようだーー』


   同、一階フロアー

   修一がアパッチに乗ってビルの側にやってきたのをガラス越しにみて歓喜の色を浮かべ、
静香(あっ、岩城さんだ!)

   静香、髪のほつれを指先で整えながら自動ドアへと急ぐ。

   気がせくように自動ドアから外に出る。

   ビルの入り口横にアパッチを停めてる修一の背に向かって、
静香「岩城さん」と声を掛ける。

   メットを脱ぎながら優しい表情で振り向き、
修一「おや、ひょっとしたら社長さん?」

   頬を染めて上気した顔で、
静香「はい。言葉では言い尽くせないほどお世話になってる河原静香です」

   アパッチのトランクにメットを入れながら申し訳なさそうに静香を見て、
修一「社長にわざわざ出迎えてもらわんでも、ただ写真集を受け取りにきただけじゃのに」

静香「倒産寸前の会社を救ってくださった大恩人にそういうわけにはいきませんわ」

   スタバを見やり、
静香「あの、よろしかったら上にあがるまえに冷たい飲み物でもいかがですか?」

   双方、顔が付きそうな距離で向かい合って同時に、おっという表情をし、
修一「胸に顔をうずめて甘えたくなる花畑のようないい匂いじゃね」 

   ズキューンと胸を疼かせ、
静香(うわっ、いきなり胸を鷲掴み・・・)

   ぽっと頬を染め、
静香「岩城さんもいい匂い。アリュールオムですよね?」(若いのにすごくいいセンス・・・)

   照れる静香の首筋を嗅いで、
修一「当たり。静香さんはアリュールのオードパルファムじゃね?」

   嬉しそうに頬を染めて、
静香「当たりです。よくわかりましたね」(今日はエゴイストのプラチナムと迷ったけどアリュールにしてよかった)

   2人スタバの入り口に入りながら、
修一「俺は超匂いフェチじゃけんね」

   えっという表情で修一の横顔を見て、
静香(アソコの匂いも好きってこと?・・・) 
 
   ぽっと頬を染め俯いて恥じ入り、
静香(やだ、私ったら何を想像してるのやら)

   ほぼ満席の店内の絵。

   尚も同様の絵に会話、
  「私、父の会社を継ぐ前はデパートでシャネルの化粧品の販売員をやってたんですよ」

  「どおりで渋い香水をつけちょる思うたわ」

   ドリンクが乗ったテーブルに向かい合って掛け、楽しげに会話してる絵にN『香水が切っ掛けで一瞬で意気投合
して話が弾み、もはや静香は年齢差など感じなかった』

   興味深げに、
静香「岩城さんは、なぜそんなに香水に詳しいんですか?」

修一「有名な香水は一通りミニアトマイザーを買って試したからね」

   天井の絵に修一の声、
  「最終的にアリュール、ミスディオール、エゴイスト、アリュールオムの4つに絞って今のに決めたのでござる」「そうそうプワゾンにも惹かれたが俺のガラじゃないと思って断念したんじゃった」

   心から感心し、
静香「へー、女性用も試したんですか、本当に香水がお好きなんですね」(最終候補に絞った五つとも渋すぎ)

   飲み物を飲みながら、
修一「色々試した結果、トワレと違ってパルファムは付け方がむつかしい事を学んだわ」

   得たりとばかり、
静香「そおそお、そおなんです」

修一「つけ過ぎたら気分どころか体調まで悪くなるもんね」

静香「その通りです。つけ加減をまちがったらまさに香害になっちゃいますから」

   楽しげに話す修一をうっとり見て、
静香(試合では阿修羅のように恐ろしいのに・・・)

   スカートからのぞいた艶かしい膝頭のアップに静香の呟き、
   (実際はこんなに優しそうでギャップ萌えしちゃった・・・)

   スカートの奥に見える白のTバックをテーブルの下からの視点で描いた絵に静香の声、
  「ところで写真集はいつも当社から皆様に発送しますのに」

静香「なぜ今回は、わざわざ三冊だけ受け取りにこられたんですか?」

修一「新メンバーの三人には俺から直接手渡して喜ぶ顔をみたかったから」「仲間の喜ぶ顔をみるのが俺の生きがいじゃけんね」

   静香、眩しそうな目で修一を見つめる。

   優しい表情で頷き、
静香「そおいうことでしたか・・・」(私もそんなふうに想われたいな)

   腋ぐりの大きいノースリーブの腋から乳房の麓が見える絵のアップに静香の声、
  「御三方にとって初めての写真集だからきっと喜ばれますよ」

   楽しそうに話してる静香を、修一が思案顔で凝視する絵にN『話してて静香が清廉な心の持ち主だとわかり、この人を守ってやりたいと思った』

   尚も思案顔で、
修一「あのね・・・」

   テーブルの下の二人の脚の絵に会話、
  「差し出がましい事をゆうが、もし気に障ったら聞き流してくだされ」

  「なんでしょうか?」

修一「今回の写真集は一千万部突破するのは確実で、もう一つ二つビルが建つじゃろうね」

   驚き、
静香「予約だけで三百万部を超えたからいつもと様子が違うとは思ってましたが・・・」

修一「じゃが、儲かっても、もうビルは建てるなと言ったら不快かね?」

静香「えっ?・・・」と意外そうな顔で修一を凝視する。

         つづく


コメント
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