(172)綾乃の恨み
四百字詰原稿用紙換算10枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
綾乃(35)寿司屋の女将。170㎝。長い髪を女将さん風にゆるくひっつめて後ろでおだんごにしている。着物の上に割烹着をつけた楚々とした美人
親分(50)メガネをかけた悪相。
幹部二名(共に50)
その他子分、5名
N=ナレーション
ズボンの上にTシャツを着る修一を、綾乃が裸のままベッドの縁に座ってぼう然と見ている。
綺麗に畳んだ自分のTシャツとズボンを渡し、
修一「返り血で着物が汚れちゃいけんけん俺の服を着ろ」
怖じ気ずき、
綾乃「本気で事務所に行く気?」
修一「嫌なら綾乃は店に帰れ。俺一人で行くけん」
猜疑の目で、
綾乃「殺されるかもしれないのに・・・」
ベッドに座った綾乃の下半身のアップに彼女の声、
綾乃「見知らぬ女のために何故そこまでしてくれるのか理解できない・・・」
落胆し、
修一「ほう、見知らぬ女か?ちとショックじゃのう」と言われ綾乃が、えっという顔をする。
修一「俺はもう綾乃を俺の女じゃと思うちょったんじやが迷惑か?」
綾乃、あ然と修一を見つめる。
尚もあ然と修一を見つめ、
綾乃(なんとゆう男ぶり。こんな人がこの世にいたとは・・・)
天井或いは部屋の部分的な絵。
長い髪を下し、見違えるほど若やいだ綾乃がだぶだぶのTシャツ(ノーブラで乳首が尖っている)とズボンに着替え、恥ずかしそうに、
綾乃「どう?・・・」
修一「おおー、着物姿もええが、娘みたいに見違えたのう。惚れ直したわ」
嬉しそうに頬を染め、
綾乃「ほんとに?」(惚れ直したって事は私に一目惚れだったって事よね?)
綾乃「修ちゃんが正直な気持ちを言ってくれたから私も本心を話すね。殺されたら言えなくなるから」
Tシャツ越しに乳首が尖ってるのが伺える胸のアップに綾乃の声、
「店の経営が苦しく、魔が差して身体を許したけど尻軽女だと思われたくない・・・」
綾乃「修ちゃんを見た瞬間、運命のようなものを感じたからさせたのよ」
綾乃「私のために命を捨てられる男に出会えるとは夢にも思わなかった・・・」
修一「殺されゃせんけん、そう心配すな」と言ってクローゼットの戸を開ける。
修一がクローゼットから刀を取り出したのを見て、綾乃が驚愕する。
綾乃「・・・それ本物?・・・」
修一「藤原兼定ちゅう名刀じゃが、俺は首切りちゃんと呼んじょる」
空の絵に「ブルルル」とアパッチのエンジン音。
アパッチで住宅街を走る二人(共にメットを被っている)。修一の腰に両腕を回してしがみつき、背にうっとりしたように頬をつけ、
綾乃「もう覚悟を決めた。修ちゃんと一緒なら殺されてもいい・・・」
修一「殺されゃせんてー」
組事務所の前でキッと停車する。
注、住宅街の外れ、両隣は空き地。二階建てビル。一階は車庫でシャッターが閉まっている。
アパッチに跨ったままビルを見て、
修一「善良な人達から搾り取った金で建てたビルじゃ。よう見ちょけ」と言われ綾乃がビルを憎々しげに睨んで頷く。
組事務所前に停めたアパッチのトランクから折り畳んだ大きなビニールバッグを出す修一(ベルトに刀を差している)を綾乃が不思議そうに見ている。
バッグを綾乃に渡し、
修一「もっちょってくれ」
綾乃「はい」
修一にTシャツの上から人差し指で尖った乳首を撫でられ綾乃が「あん~」と頬を染める。
修一「いくぞ」
綾乃、意を決した顔で階段を見上げて頷く。
修一が先に立って綾乃と階段を上がってゆくのを下から煽って描いた絵。
修一、ドアの前に立って「クン」と刀の鯉口を切る。
修一、ドアをドガッと蹴り開ける。
注、室内ではメガネをかけた親分(50)が皮の椅子(横に大きな金庫あり)に踏ん反り返り、二名の幹部(共に50)もソファーに踏ん反り返っている。
親分は微動もせぬが幹部は驚愕して、
幹部「わりゃ、なんなー!」と叫ぶ。
修一、部屋に飛び込みざま、その幹部を袈裟切りで絶命させ、もう一人も首をはね飛ばす。
更にふんぞり返った親分の片方のメガネレンズを切っ先で突き刺す。
眼球の1ミリ手前で寸止めした絵のアップにN『この間、わずか1秒――』
ジャーと失禁し、
親分「ひっ、ひーーっ・・・」
綾乃、ちびってズボンを濡らす。
綾乃がちびったのを見て、
修一「(すまなそうに)すまん、綾乃にはちとエグすぎたか?」
訴える様に首を振り、
綾乃「ちがうの、違うのよ・・・」
綾乃「怖いのは怖いけど、恨み骨髄の奴らがぶっ殺されるのが爽快すぎてちびっちゃったの」
綾乃「だからそいつもズブリとやっちゃって」
修一「ふふ、まあ見ちょれ」
刀を突き刺したまま親分に、
修一「一言でも声を発したらズブリじゃけんの」
修一「まず寿司幸にたむろしちょる子分全員をここへ呼び戻せ」
修一「頷かんでもええ。眼球に刺さるけんの」
股間をぷるっと震わせて濡らし、
綾乃(うう、快感でズブズブ・・・)
親分、ブルブル震え、テーブルの上の携帯を指先で手繰り寄せる。
携帯を耳に当て、
親分「わ、わしじゃ、全員いますぐ事務所に戻ってこい」
震える手から携帯を落とした親分に、
修一「次は金庫を開けい」
金庫の前に屈んでダイヤルを回す親分の延髄に切っ先を当て、
修一「ピストルに指一本でも触れたら延髄をえぐる」
親分、脂汗を流し戦慄する。
ギッと扉が開いた金庫には五千万の札束と、その横にリボルバーが一丁置いてある。
親分、屈んだまま慈悲を乞うような目で修一に振り向く。
その喉に光が一閃する。
硬直したままその姿勢を保ってる身体から首がポトリと落ちる。
転がった首が綾乃の足元で止まる。
腰を抜かしてヘナっと女の子座りし、
綾乃「(目を陶然と潤ませ)イッタ・・・」
修一、金庫の前で首なしで硬直してる親分の身体をドガッと蹴り飛ばす。
テーブルの上に札束が山積みになっており、金庫から取り出した最後の札束をドサッと置き、綾乃に、
修一「ざっと五千万ってとこかのう、営業妨害された賠償金じゃ」
綾乃「(驚愕し)ええー、これ全部わたしがもらうの?・・・」
修一「当然じゃ。こんなけありゃ客足が戻るまで持ち堪えられようが?」
ぼう然と札束を見てる綾乃に、
修一「ところで何人で店に営業妨害にきよるんな?」
憎々しげに、
綾乃「五人。いつも同じ顔ぶれで、顔を思い浮かべただけで吐き気がする」
窓のカーテンで刀の血ノリを拭いながら外の道を見おろし、
修一「金をバッグに詰めちょけ。そろそろそいつらが戻ってくるぞ」
従順に頷き、
綾乃「はい」(ハナから金を奪う気でバッグをもってきたのか・・・)
金をバッグに詰め込みながら、
綾乃(もうケタ外れにすごいとしか言いようのない人)
金を詰めたバッグをテーブルの上に置き、
綾乃「修ちゃん、お金を詰めた」
修一「よし。その椅子に座ってこれから起こる事を見学しちょれ」
綾乃「はい」
修一、ドアの横で顔の高さに刀を構えている。
ドアの外からドガ、ドガ、ドガと足音が聞こえる。
椅子に座ってる綾乃が修一を不安げに見る。
ガチャとドアが開き「おやぶ・・・」と言いかけた男の首を横からズブッと串刺しにする。
綾乃「そいつ、いつも私のお尻を触るクソ野郎よ。ざまーみろ」
次に入って来た男が死んだ仲間を見てギョッとする。
そしてドアの横に立ってる修一を驚愕の顔で見ると同時、喉を刺し貫かれる。
綾乃「いつも私の掌を舐めてツバだらけにするクソ野郎。ざまーみろ」
続いて二人同時に入って来た男達、死体を見て戦く。
不敵な表情で、
修一「おどれらの一秒後の姿よ」
つづく
四百字詰原稿用紙換算10枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
綾乃(35)寿司屋の女将。170㎝。長い髪を女将さん風にゆるくひっつめて後ろでおだんごにしている。着物の上に割烹着をつけた楚々とした美人
親分(50)メガネをかけた悪相。
幹部二名(共に50)
その他子分、5名
N=ナレーション
ズボンの上にTシャツを着る修一を、綾乃が裸のままベッドの縁に座ってぼう然と見ている。
綺麗に畳んだ自分のTシャツとズボンを渡し、
修一「返り血で着物が汚れちゃいけんけん俺の服を着ろ」
怖じ気ずき、
綾乃「本気で事務所に行く気?」
修一「嫌なら綾乃は店に帰れ。俺一人で行くけん」
猜疑の目で、
綾乃「殺されるかもしれないのに・・・」
ベッドに座った綾乃の下半身のアップに彼女の声、
綾乃「見知らぬ女のために何故そこまでしてくれるのか理解できない・・・」
落胆し、
修一「ほう、見知らぬ女か?ちとショックじゃのう」と言われ綾乃が、えっという顔をする。
修一「俺はもう綾乃を俺の女じゃと思うちょったんじやが迷惑か?」
綾乃、あ然と修一を見つめる。
尚もあ然と修一を見つめ、
綾乃(なんとゆう男ぶり。こんな人がこの世にいたとは・・・)
天井或いは部屋の部分的な絵。
長い髪を下し、見違えるほど若やいだ綾乃がだぶだぶのTシャツ(ノーブラで乳首が尖っている)とズボンに着替え、恥ずかしそうに、
綾乃「どう?・・・」
修一「おおー、着物姿もええが、娘みたいに見違えたのう。惚れ直したわ」
嬉しそうに頬を染め、
綾乃「ほんとに?」(惚れ直したって事は私に一目惚れだったって事よね?)
綾乃「修ちゃんが正直な気持ちを言ってくれたから私も本心を話すね。殺されたら言えなくなるから」
Tシャツ越しに乳首が尖ってるのが伺える胸のアップに綾乃の声、
「店の経営が苦しく、魔が差して身体を許したけど尻軽女だと思われたくない・・・」
綾乃「修ちゃんを見た瞬間、運命のようなものを感じたからさせたのよ」
綾乃「私のために命を捨てられる男に出会えるとは夢にも思わなかった・・・」
修一「殺されゃせんけん、そう心配すな」と言ってクローゼットの戸を開ける。
修一がクローゼットから刀を取り出したのを見て、綾乃が驚愕する。
綾乃「・・・それ本物?・・・」
修一「藤原兼定ちゅう名刀じゃが、俺は首切りちゃんと呼んじょる」
空の絵に「ブルルル」とアパッチのエンジン音。
アパッチで住宅街を走る二人(共にメットを被っている)。修一の腰に両腕を回してしがみつき、背にうっとりしたように頬をつけ、
綾乃「もう覚悟を決めた。修ちゃんと一緒なら殺されてもいい・・・」
修一「殺されゃせんてー」
組事務所の前でキッと停車する。
注、住宅街の外れ、両隣は空き地。二階建てビル。一階は車庫でシャッターが閉まっている。
アパッチに跨ったままビルを見て、
修一「善良な人達から搾り取った金で建てたビルじゃ。よう見ちょけ」と言われ綾乃がビルを憎々しげに睨んで頷く。
組事務所前に停めたアパッチのトランクから折り畳んだ大きなビニールバッグを出す修一(ベルトに刀を差している)を綾乃が不思議そうに見ている。
バッグを綾乃に渡し、
修一「もっちょってくれ」
綾乃「はい」
修一にTシャツの上から人差し指で尖った乳首を撫でられ綾乃が「あん~」と頬を染める。
修一「いくぞ」
綾乃、意を決した顔で階段を見上げて頷く。
修一が先に立って綾乃と階段を上がってゆくのを下から煽って描いた絵。
修一、ドアの前に立って「クン」と刀の鯉口を切る。
修一、ドアをドガッと蹴り開ける。
注、室内ではメガネをかけた親分(50)が皮の椅子(横に大きな金庫あり)に踏ん反り返り、二名の幹部(共に50)もソファーに踏ん反り返っている。
親分は微動もせぬが幹部は驚愕して、
幹部「わりゃ、なんなー!」と叫ぶ。
修一、部屋に飛び込みざま、その幹部を袈裟切りで絶命させ、もう一人も首をはね飛ばす。
更にふんぞり返った親分の片方のメガネレンズを切っ先で突き刺す。
眼球の1ミリ手前で寸止めした絵のアップにN『この間、わずか1秒――』
ジャーと失禁し、
親分「ひっ、ひーーっ・・・」
綾乃、ちびってズボンを濡らす。
綾乃がちびったのを見て、
修一「(すまなそうに)すまん、綾乃にはちとエグすぎたか?」
訴える様に首を振り、
綾乃「ちがうの、違うのよ・・・」
綾乃「怖いのは怖いけど、恨み骨髄の奴らがぶっ殺されるのが爽快すぎてちびっちゃったの」
綾乃「だからそいつもズブリとやっちゃって」
修一「ふふ、まあ見ちょれ」
刀を突き刺したまま親分に、
修一「一言でも声を発したらズブリじゃけんの」
修一「まず寿司幸にたむろしちょる子分全員をここへ呼び戻せ」
修一「頷かんでもええ。眼球に刺さるけんの」
股間をぷるっと震わせて濡らし、
綾乃(うう、快感でズブズブ・・・)
親分、ブルブル震え、テーブルの上の携帯を指先で手繰り寄せる。
携帯を耳に当て、
親分「わ、わしじゃ、全員いますぐ事務所に戻ってこい」
震える手から携帯を落とした親分に、
修一「次は金庫を開けい」
金庫の前に屈んでダイヤルを回す親分の延髄に切っ先を当て、
修一「ピストルに指一本でも触れたら延髄をえぐる」
親分、脂汗を流し戦慄する。
ギッと扉が開いた金庫には五千万の札束と、その横にリボルバーが一丁置いてある。
親分、屈んだまま慈悲を乞うような目で修一に振り向く。
その喉に光が一閃する。
硬直したままその姿勢を保ってる身体から首がポトリと落ちる。
転がった首が綾乃の足元で止まる。
腰を抜かしてヘナっと女の子座りし、
綾乃「(目を陶然と潤ませ)イッタ・・・」
修一、金庫の前で首なしで硬直してる親分の身体をドガッと蹴り飛ばす。
テーブルの上に札束が山積みになっており、金庫から取り出した最後の札束をドサッと置き、綾乃に、
修一「ざっと五千万ってとこかのう、営業妨害された賠償金じゃ」
綾乃「(驚愕し)ええー、これ全部わたしがもらうの?・・・」
修一「当然じゃ。こんなけありゃ客足が戻るまで持ち堪えられようが?」
ぼう然と札束を見てる綾乃に、
修一「ところで何人で店に営業妨害にきよるんな?」
憎々しげに、
綾乃「五人。いつも同じ顔ぶれで、顔を思い浮かべただけで吐き気がする」
窓のカーテンで刀の血ノリを拭いながら外の道を見おろし、
修一「金をバッグに詰めちょけ。そろそろそいつらが戻ってくるぞ」
従順に頷き、
綾乃「はい」(ハナから金を奪う気でバッグをもってきたのか・・・)
金をバッグに詰め込みながら、
綾乃(もうケタ外れにすごいとしか言いようのない人)
金を詰めたバッグをテーブルの上に置き、
綾乃「修ちゃん、お金を詰めた」
修一「よし。その椅子に座ってこれから起こる事を見学しちょれ」
綾乃「はい」
修一、ドアの横で顔の高さに刀を構えている。
ドアの外からドガ、ドガ、ドガと足音が聞こえる。
椅子に座ってる綾乃が修一を不安げに見る。
ガチャとドアが開き「おやぶ・・・」と言いかけた男の首を横からズブッと串刺しにする。
綾乃「そいつ、いつも私のお尻を触るクソ野郎よ。ざまーみろ」
次に入って来た男が死んだ仲間を見てギョッとする。
そしてドアの横に立ってる修一を驚愕の顔で見ると同時、喉を刺し貫かれる。
綾乃「いつも私の掌を舐めてツバだらけにするクソ野郎。ざまーみろ」
続いて二人同時に入って来た男達、死体を見て戦く。
不敵な表情で、
修一「おどれらの一秒後の姿よ」
つづく