(139)最強のスクーター
四百字詰原稿用紙換算9枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
北条愛(17)170㎝。主人公。性同一性障害の美少年だったが3話目から美少女に変身する
当たり屋のじじい(75)さもしさが顔に滲み出た、いかにも一癖ありそうな顔。
半グレA、B(共に25)恐ろしい人相。
シートに跨りながらメットから音楽が流れてきたのに気づき、
愛 「あ、曲が聴こえてきた・・・」
音楽に耳を傾けて驚き、
愛 「なにこの超高音質。バング&オルフセンのスピーカーみたい・・・」
修一「当たり」
修一「そのバングなんちゃら製でアナログ音源も自動でハイレゾに変換するらしい」
愛 「曲もいかにも夏って感じでうきうきしてきちゃう」
修一「選曲に迷ったが喜んで頂けてうれしゅうござる」
背もたれにもたれ、
愛 「背もたれがあってすっごい楽チン。これはもう車だね」
修一「肘置き」と言うとリアボックス両側から肘置きが「スーッ」と出てくる。
肘置きに両肘を置いてふんぞり返り、
愛 「おおおー、極楽極楽」と歓喜する。
愛 「言葉を理解するAIスクーターか・・・」
バイクに跨った愛の太腿のアップに彼女の声、
「石川君が発明家だとは聞いてたけど、想像以上だったね・・・」
わくわく顔で、
愛 「ねえ早く乗り心地を試してみようよー」
修一「アイアイサー」
バイクに跨り、
修一「エンジン始動」と言うと同時にプルンとエンジンがかかりライトが点く。
修一「俺の声にしか反応しないんだ」
愛 「(感心し)だったら盗まれる心配もないね」
愛に振り向き、
修一「じじいの住所、西原二丁目って言ってたな?」
すると『承知しました。西原二丁目までの最短コースを表示します』と音声と共に風防の内側にナビ画面が表示される。
それを見て共に感嘆し、
愛 「すっごい」
愛 「スクリーンにナビが表示された・・・」
修一「こんな機能があるなんて聞いてなかったぞ・・・」
修一宅から出発して間もない住宅街を颯爽と走っている(愛は背もたれにもたれ両肘を肘置きにおいてものすごく楽チンそう)。
愛 「スクリーンの効果って絶大だね」
愛 「風を受けないから疲れないし雨でも平気そう」
愛 「普段一人でしか車に乗らない人は、これに乗り換えたらかなり節約できるのに」
修一「同感じゃが、このスクーターはこの世に一台しかないからのう」
その時、急に曇ってゴロゴロ雷が鳴りだす。
空を見上げ、
修一「夕立がきそうじゃのう・・・」
突然ザーッと振りだす。
それでも濡れないので、
愛 「すごい、ほとんど濡れないね」
路肩に寄ってゆき、
修一「前輪が二輪だからスリップして転倒の恐れはないがここで雨がやむのを待つか」
葉が茂った大樹の下にすっと停車する。
路肩に自立して停車し、
修一「自立するバイクは超楽チンだな」
修一「足で支えちょったら両足がずぶ濡れになっちょるぞ」
少し車内に入ってくる雨を見て、
修一「エアーカーテンがあったら横殴りの雨も防げるんじゃがのう・・・」
すると天井部ルーフの両端からシューとエアーが吹き出す。
そのエアーがカーテンとなって雨を弾いたので、
修一「(驚き)まじー?!・・・」
愛 「(驚き)これなら土砂降りでもへっちゃらだね」
車体を見回し、
修一「ついでに冷えたジュースがすーっと出てきたらゆう事ないんじゃがね・・・」
するとハンドルの下の方がカパッと開く。
そしてジュース二本分が収納できる冷蔵庫からジュースがすーっと出てくる。
手に持ったジュースに驚き、
愛 「わー、冷え冷えー」
あっ気にとられながら手に取ったジュースを見て、
修一「冷蔵庫完備なんて、石川君、シャレですかー?」
修一、愛にもたれて太腿を撫でながら、両足をハンドルに乗せてジュースを飲んでいる。
修一「こりゃ一日ぐらいならバイクの上で暮らせそうだな」
バイクが土砂降りで煙ってるのを後方からロングで描いた絵。
後方からヤン車がバイクにそーっと接近してゆく。
車がバイクの右横に停まるが修一と愛はまったく意に介さない。
助手席側の窓がすーっと降りる。
恐ろしくガラの悪いA、B、二人が無表情で修一達を凝視する。
無表情で修一に、
A 「雨宿りか?」
修一、無表情でAを見る。
修一「お里が知れるいやしい目つきで俺を見るな」
修一「身体が腐るわいや」
両者、睨み合う。
だが愛は平然とジュースを飲んでいる。
平然としてる愛を見て、
A 「お前には惜しい美形じゃ。もらってもいいか?」
Aの頭にジュースをチョロチョロかけながら(A、平然としている)、
修一「俺を前にしてそがあなセリフを吐かれたら俺のメンツ丸潰れじゃわいや」
次の瞬間、空になったボトルの先をAの右目にズブッと突っ込む。
Aは目にボトルを突き刺されたまま平然と修一を睨み、Bも平然と修一を睨む。
Aが運転席のBに頷く。
ヤン車が前方に出るためにすっと動く。
車内。目からボトルを抜こうとするAに、
B 「抜くな。目玉も一緒に飛び出すぞ」
B 「先に野郎をうっ殺して女をさらってから病院に連れてってやる」
ヤン車がバイクの五m先に停止したのを見て、
修一「ソッコーでぶち殺してやりたいが」
修一「雨に濡れるのは嫌じゃのー」
愛 「こんなに色々改造してあるんだから武器も装備してそうじゃない?」
はっと気が付き、
修一「そういえば何種類かの小型地対地ミサイルを搭載してるって言ってたような・・・」
愛 「(驚愕) ミ、ミサイル・・・?」
修一「前方の車をロックオン」と言うとメットが『了解』と応える。
「ピピピピ」音と同時、スクリーンに前車をロックオンしたマークが映し出される。
修一「まじですか・・・?」と驚く修一の肩に顎 を乗せて身を乗り出した愛も「きゃートップガンだー」と、はしゃぐ。
車体前部に50口径の超小型ミサイルの射出口が開口する。
修一「発射!」
ミサイルが「シュポッ」と発射される。
A、Bの2人、こちらを睨みながら車から降りたつ。
A、B、飛んでくるミサイルに気付く。
2人、目をむいて驚愕する。
驚愕する二人を眺め、
修一「馬鹿め。蒸発してしまえ!」
「シュパ」という命中音と同時に閃光が走る。
車と2人が霧散し、広範囲に地面が5センチえぐれ一片の残骸すら残ってない。
あ然とし、
愛 「す、すごい、跡形もなく消えちゃった・・・」
あ然と前方を見て、
修一「いちいち手でぶちのめすのがアホらしくなったわ・・・」
つづく
四百字詰原稿用紙換算9枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
北条愛(17)170㎝。主人公。性同一性障害の美少年だったが3話目から美少女に変身する
当たり屋のじじい(75)さもしさが顔に滲み出た、いかにも一癖ありそうな顔。
半グレA、B(共に25)恐ろしい人相。
シートに跨りながらメットから音楽が流れてきたのに気づき、
愛 「あ、曲が聴こえてきた・・・」
音楽に耳を傾けて驚き、
愛 「なにこの超高音質。バング&オルフセンのスピーカーみたい・・・」
修一「当たり」
修一「そのバングなんちゃら製でアナログ音源も自動でハイレゾに変換するらしい」
愛 「曲もいかにも夏って感じでうきうきしてきちゃう」
修一「選曲に迷ったが喜んで頂けてうれしゅうござる」
背もたれにもたれ、
愛 「背もたれがあってすっごい楽チン。これはもう車だね」
修一「肘置き」と言うとリアボックス両側から肘置きが「スーッ」と出てくる。
肘置きに両肘を置いてふんぞり返り、
愛 「おおおー、極楽極楽」と歓喜する。
愛 「言葉を理解するAIスクーターか・・・」
バイクに跨った愛の太腿のアップに彼女の声、
「石川君が発明家だとは聞いてたけど、想像以上だったね・・・」
わくわく顔で、
愛 「ねえ早く乗り心地を試してみようよー」
修一「アイアイサー」
バイクに跨り、
修一「エンジン始動」と言うと同時にプルンとエンジンがかかりライトが点く。
修一「俺の声にしか反応しないんだ」
愛 「(感心し)だったら盗まれる心配もないね」
愛に振り向き、
修一「じじいの住所、西原二丁目って言ってたな?」
すると『承知しました。西原二丁目までの最短コースを表示します』と音声と共に風防の内側にナビ画面が表示される。
それを見て共に感嘆し、
愛 「すっごい」
愛 「スクリーンにナビが表示された・・・」
修一「こんな機能があるなんて聞いてなかったぞ・・・」
修一宅から出発して間もない住宅街を颯爽と走っている(愛は背もたれにもたれ両肘を肘置きにおいてものすごく楽チンそう)。
愛 「スクリーンの効果って絶大だね」
愛 「風を受けないから疲れないし雨でも平気そう」
愛 「普段一人でしか車に乗らない人は、これに乗り換えたらかなり節約できるのに」
修一「同感じゃが、このスクーターはこの世に一台しかないからのう」
その時、急に曇ってゴロゴロ雷が鳴りだす。
空を見上げ、
修一「夕立がきそうじゃのう・・・」
突然ザーッと振りだす。
それでも濡れないので、
愛 「すごい、ほとんど濡れないね」
路肩に寄ってゆき、
修一「前輪が二輪だからスリップして転倒の恐れはないがここで雨がやむのを待つか」
葉が茂った大樹の下にすっと停車する。
路肩に自立して停車し、
修一「自立するバイクは超楽チンだな」
修一「足で支えちょったら両足がずぶ濡れになっちょるぞ」
少し車内に入ってくる雨を見て、
修一「エアーカーテンがあったら横殴りの雨も防げるんじゃがのう・・・」
すると天井部ルーフの両端からシューとエアーが吹き出す。
そのエアーがカーテンとなって雨を弾いたので、
修一「(驚き)まじー?!・・・」
愛 「(驚き)これなら土砂降りでもへっちゃらだね」
車体を見回し、
修一「ついでに冷えたジュースがすーっと出てきたらゆう事ないんじゃがね・・・」
するとハンドルの下の方がカパッと開く。
そしてジュース二本分が収納できる冷蔵庫からジュースがすーっと出てくる。
手に持ったジュースに驚き、
愛 「わー、冷え冷えー」
あっ気にとられながら手に取ったジュースを見て、
修一「冷蔵庫完備なんて、石川君、シャレですかー?」
修一、愛にもたれて太腿を撫でながら、両足をハンドルに乗せてジュースを飲んでいる。
修一「こりゃ一日ぐらいならバイクの上で暮らせそうだな」
バイクが土砂降りで煙ってるのを後方からロングで描いた絵。
後方からヤン車がバイクにそーっと接近してゆく。
車がバイクの右横に停まるが修一と愛はまったく意に介さない。
助手席側の窓がすーっと降りる。
恐ろしくガラの悪いA、B、二人が無表情で修一達を凝視する。
無表情で修一に、
A 「雨宿りか?」
修一、無表情でAを見る。
修一「お里が知れるいやしい目つきで俺を見るな」
修一「身体が腐るわいや」
両者、睨み合う。
だが愛は平然とジュースを飲んでいる。
平然としてる愛を見て、
A 「お前には惜しい美形じゃ。もらってもいいか?」
Aの頭にジュースをチョロチョロかけながら(A、平然としている)、
修一「俺を前にしてそがあなセリフを吐かれたら俺のメンツ丸潰れじゃわいや」
次の瞬間、空になったボトルの先をAの右目にズブッと突っ込む。
Aは目にボトルを突き刺されたまま平然と修一を睨み、Bも平然と修一を睨む。
Aが運転席のBに頷く。
ヤン車が前方に出るためにすっと動く。
車内。目からボトルを抜こうとするAに、
B 「抜くな。目玉も一緒に飛び出すぞ」
B 「先に野郎をうっ殺して女をさらってから病院に連れてってやる」
ヤン車がバイクの五m先に停止したのを見て、
修一「ソッコーでぶち殺してやりたいが」
修一「雨に濡れるのは嫌じゃのー」
愛 「こんなに色々改造してあるんだから武器も装備してそうじゃない?」
はっと気が付き、
修一「そういえば何種類かの小型地対地ミサイルを搭載してるって言ってたような・・・」
愛 「(驚愕) ミ、ミサイル・・・?」
修一「前方の車をロックオン」と言うとメットが『了解』と応える。
「ピピピピ」音と同時、スクリーンに前車をロックオンしたマークが映し出される。
修一「まじですか・・・?」と驚く修一の肩に顎 を乗せて身を乗り出した愛も「きゃートップガンだー」と、はしゃぐ。
車体前部に50口径の超小型ミサイルの射出口が開口する。
修一「発射!」
ミサイルが「シュポッ」と発射される。
A、Bの2人、こちらを睨みながら車から降りたつ。
A、B、飛んでくるミサイルに気付く。
2人、目をむいて驚愕する。
驚愕する二人を眺め、
修一「馬鹿め。蒸発してしまえ!」
「シュパ」という命中音と同時に閃光が走る。
車と2人が霧散し、広範囲に地面が5センチえぐれ一片の残骸すら残ってない。
あ然とし、
愛 「す、すごい、跡形もなく消えちゃった・・・」
あ然と前方を見て、
修一「いちいち手でぶちのめすのがアホらしくなったわ・・・」
つづく