数社でボツになった漫画シナリオ

超美少年の愛(性同一性障害)は修一に恋していたが、ある切っ掛けを機に超美少女に変身して修一と・・・。

愛がイク (102)   ダウントン・アビーの世界

2017-06-05 13:22:54 | 漫画のシナリオ
(102) ダウントン・アビーの世界

四百字詰原稿用紙換算11枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。

登場人物

里香(17) 165㎝。修一と同クラス。清楚な美人でアニメ声。

石川翔(17)170㎝で痩身、黒縁メガネをかけた品のいいイケメン。

メイド三人(共に25)。ダウントン・アビーのメイドと同じ服(丈は膝が隠れる長さ)を着ている。

執事(60)

N=ナレーション

   
   茶店をロングで描いた絵。

注、茶店内。四畳半ほどの畳敷きの座敷の真中に囲炉裏があり、その周りに三人が座っている。
   同、茶店内

   不安げに石川に、
里香「ねえ、どっきりにしては大掛かりすぎない?・・・」

石川「さて、どっきりでしょうか?」と微笑んで天井から自在鉤(ヤカンを引っかけるために吊り下げられた物)を「グイ」と引っ張る。

↑自在鉤

   すると座敷ごと「スー」と地下に下がり、驚愕し、
里香「え、えーーっ!」

   座敷ごと長い地下トンネル内を横に進んでる絵に、
里香「(汗)一体どこまで行くの?着いた先に北朝鮮の兵士が待ってたなんてないよね?」

注、外観も中もトランプの別荘とまったく同じ大邸宅。

   邸宅内のエレベーターの扉がスーッと開く。

   豪華絢爛な部屋の真ん中に立って邸内を見廻して驚き、
里香「ひやーーっ・・・」

   大邸宅の外観に里香の驚きの声、
  「な、何これ、トランプの別荘―?!・・・」

   天井の絵に石川の声、
  「御明察」

石川「シャレで同じ物を作ったの」

メイド三人(各25)の内一人が「翔さま、お帰りなさいませ」と鞄を受け取り、もう一人が、
メイド「応接間にお茶のご用意が出来ています」

石川「ありがとう」

   そのやり取りを見てあ然とし、
里香(・・・まるでダウントン・アビーの世界じゃん・・・)

↑使用人の服装のイメージ
   

    同、応接間

   テーブルに掛け、各々の前にある豪華なアフタヌーンティーセットに目を瞠り、
里香「うわー、香港のペニンシュラホテルに来たみたいー」「行った事ないけど・・・」

石川「御明察。ペニンシュラから引き抜いたシェフが作ったんだよ」

里香「(驚き)マジで?!・・・」

   ケーキを食べながら、
里香「さっきの茶店といい、シャレを現実に出来るご両親って、どんなけ金持ちなの?」

石川「(無表情)両親は死んでいないの・・・」

   里香、驚愕。修一は無表情で石川を見つめる。

   絢爛豪華な室内の絵に里香の声、
  「じ、じゃ、この経済力は一体どこから湧いてくるの?・・・」

   スマホを操作し、
石川「これ」

   一匹のスズメバチが里香の前に飛んで来たので、
里香「きやっ、スズメバチ!」

   スズメバチが里香の前のテーブルに降りる。

   じーっと見つめ、
里香「・・・これ、ひょっとしたらロボット?」

   口がキバみたいになったロボットスズメバチのアップに石川の声、
  「羽がソーラーシステムになってて蓄電も出来るから永遠に飛び続けられるんだ」

石川「養蜂業者がスズメバチの被害に困ってたからそれを退治するためにこのB1を作ったの」

里香「ビーワンのBは蜂で、1は最初に作ったロボットって意味ね?」

石川「御明察」

   少し怒ったように、
里香「それもう飽きた」

石川「(あ然とし)え?・・・」

里香「今度から御明察くんって呼ぶよ」

   赤面して俯く石川の肩をポンポンと叩き、
修一「里香ちゃんは妖精みたいな顔してキツイとこがあるの。気にしないで続けて」

   宙を飛んでゆく2匹のB1の絵に石川の声、
 「スズメバチが出すフェロモンをどこまでも追跡して巣を見つけたら・・・」

  一軒家の軒先に作った大きな巣からぞろぞろ出てくるスズメバチの頭をB1が噛みちぎり、もう一匹が尻の針を巣に突き刺して「シュー」とガスを噴射してる絵に声、
  「尻の針から有毒ガスを噴射して・・・」

   死んだスズメバチが巣からボトボト落ちてる絵に石川と里香の声、
  「一瞬で全滅させられるんだ」

  「それって世紀の大発明じゃないの。養蜂業者が飛びついたでしょ?」

   里香の前のテーブルにあるB1のアップに声、
  「生産が追いつかないほど世界中で売れてて、今日の財をなす切っ掛けになった」

里香「その言い方だと、ほかにもドカ儲けした発明があるって事?」

石川「バードストライクって分かる?」

里香「鳥が飛行機のエンジンに衝突する事でしょ?」

   飛行場で音波を発するドローンに追われて鳥たちが逃げまどう絵に声、
  「それを防ぐために鳥が嫌がる音波を発生する装置を発明したらこれも大ヒットしたの」

里香「いやいや、それだけじゃこんな大豪邸は建たないでしょー?」

   上目使いで石川を見て、
里香「ほんとは何で儲けてるの?」

   石川がスマホをいじってなにやら操作する。

   里香の顔の前にオニヤンマより一回り大きなトンボが飛んできて、
里香「おおー、これもロボット?!」

石川「(すまして)一機三千万円」

   里香の人差し指に止まったトンボのアップに声、
  「片方の目は高性能カメラ、もう片方は暗視カメラで音声も拾えて二十四時間敵を追跡でき」

   飛んできたトンボが人の背中に止まった絵に声、
  「敵に接近したら・・・」

   トンボが爆発して人が跡形もなくなった絵に声、
  「胴体に詰めた爆薬で5m以内にあるものは跡形もなく爆破できるんだ」

石川「標的が地球の裏側にいても顔を認識させ座標を入力すれば自力で飛んでいって抹殺できる究極の兵器」

里香「わかった。これを防衛省に売り込んでドカっと儲けたと?」

石川「そのつもりで防衛省にメールで打診したけど無視されちゃった」

石川「ほんとにあいつら笑っちゃうくらい無能なんだから」

里香「じゃ、一体だれに売ったの?」

石川「ちょっとゾッとするけど・・・」

石川「防衛省にメールした翌日とつぜんCIAが家に来たの」

里香「(驚き)えええ、CIAがー!?」

石川「(修一に)この意味が分かる?」

修一「メールをハッキングされてた?」

石川「(頷き)そう。それがアメリカの諜報網の凄さなんだよね」

石川「で、 CIAを通じて国防総省の人を紹介されたんだけど」

   五人のアメリカ人国防総省職員がトンボを見て目を瞠ってる絵に声、
  「日本のバカ役人と違い彼らは一目でこのトンボの価値を見抜いたよ」

石川「ミサイルなんか使わなくてもテロや戦争の首謀者をピンポイントで抹殺できるし・・・」

   トンボが原発の建屋の内部を飛んでる絵に声、
  「人が入れない原発の建屋の調査や偵察にも使えるんだものね」

石川「結局、このトンボを含め、今後開発するすべての発明品を国防総省に売る条件で莫大な富を手にしたってわけ」

   石川を疑惑の目で見つめ、
里香「さっきから思ってたんだけど、ひょっとしたら・・・」

   スマホを操作しながら、
石川「聞きたい事は分かってる。これの事だろ?」

   後ろから「岩城くん逃げて!」と声がしたので里香と修一が驚いて振り返る。

   スマホを操作する石川の頭上に以前、爆弾を搭載してたのと同じドローンが浮遊しているのを見て、
里香「やっぱり君だったか。B1を見た時にピンときたよ」

   修一、向こうで壁に掛けた絵画のほこりを掃除してるメイドにふと気付く。

修一「ちょっと部屋の見学」と言って立ち上がる。

   側にきた修一にじっと見つめられたので頬を染め、
メイド「・・・お飲物のお代わりですか?」

修一「もうご主人様にヤラれた?」

   赤面して恥じらい、
メイド「翔さまはそんな方じゃありません」

メイド「女にはまったく興味がない方だから・・・」

   呆れ、
修一「あらま、なんともったいない」

   などと向こうで修一がメイドと話してるのを見ながら石川の耳元に、
里香「質問なんですが」

石川「え」

里香「なぜ修ちゃんの名前を知ってたの?それになぜあそこにドローンがいたの?」

   脂汗をかいて狼狽し、
石川「あ、う・・・」

      つづく

コメント
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