イランのハサン・ロハニ大統領が3月11日にイラクを訪問した。
現在、アメリカ軍はイラク西部を軍事的な拠点にしてジハード傭兵を1000人ほど訓練、
同時にシリア東部に建設した軍事基地を強化していると伝えられているが、支配力を失いつつあるようだ。
似た現象は東アジアでも見られる。
前にも書いたことだが、イラクでの報道によると、同国の治安を担っているハシド・アル・シャービ(人民動員軍)の現地司令官は、
アメリカ軍がシリアとの国境周辺を偵察して入手した情報、あるいはハシド・アル・シャービから入手した情報をシリア東部にいるダーイッシュへ渡しているという。
アメリカ軍の情報機関DIAは2012年8月、シリアで政府軍と戦っている主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団で、
戦闘集団としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の名前を挙げ、
その上でバラク・オバマ政権の反政府軍支援はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになると警告していた。
その警告は2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)という形で現実になった。
そのダーイッシュは2015年9月30日にシリア政府の要請で介入したロシア軍によって今は壊滅寸前。
アメリカなど侵略勢力が新たな傭兵を投入しない限り、このまま消滅することは必至だ。
その穴を埋めるため、アメリカ軍がシリア東部からイラク西部にかけて、一時期ダーイッシュが支配していた地域を支配しようとしている。
そうした動きをシリアやイランだけでなくイラクの政府も苦々しく見ている。
そのイラクへイランの大統領が訪問した意味は大きい。
しかもイランへは2月25日にシリアのバシャール・アル・アサド大統領が突如、訪問している。
それだけでなく、NATO加盟国でありながらアメリカとの関係が悪化しているトルコはロシア製防空システムS-400の導入を巡ってその関係はさらに悪化している。
アメリカはF-35の売却を考え直すと言っているようだが、これは高額欠陥戦闘機であり、魅力は感じていないだろう。
こうした国々はこれまでも水面下で結びつきを強めていたが、ここにきてそれが表面化している。
勿論、その背後にいるのはロシアだ。
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