タカちゃんの絵日記

何気ない日々の感動を、スケッチと好きな音楽と、そして野鳥写真を。。。

「年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず・・・」 

2013-03-15 | 植物

国立公園・大山の麓の村をドライブしていると、道路脇の山すそに紅白の梅が今を盛り

に咲き誇っていました。

車を止めて梅林の中に入って見ると、梅の甘酸っぱい上品な香りが辺りいっぱいに漂

い、しばし時を忘れて堪能しました。

桜も梅も古くから日本人に愛されてきた花、とりわけ万葉人の梅の花に対する愛着は

並々ならぬものがあった様で、「万葉集」の中には百十二首(桜は三十五首)も詠まれ

ています。

また中国古来の詩「漢詩」の世界でも、多くの詩が残されていますが、

「年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず・・・」で大変有名な、劉希夷(りゅうきい)

の詩を一つ、                                 

代悲白頭翁         白頭を悲しむ翁に代わる                                                 古人無復洛城東      古人また洛城の東に無く
今人還対落花風      今人また対す落花の風
年年歳歳花相似      年年歳歳花相似たり 
歳歳年年人不同      歳歳年年人同じからず
寄言全盛紅顔子      言を寄す全盛の紅顔子
應憐半死白頭翁      應に憐れむべし半死の白頭翁                          此翁白頭真可憐      此翁白頭真に憐れむべし
伊昔紅顔美少年      伊れ昔紅顔の美少年                                        

(現代語訳)                                                                                                          昔、洛陽の東の郊外で梅を見ていた人々の姿は今はもう無く、
それに代わって今の人たちが花を吹き散らす風に吹かれている。                                来る年も来る年も、花は変わらぬ姿で咲くが、
それを見ている人間は、年ごとに移り変わる。                                                 お聞きなさい、今を盛りのお若い方々。                                                    よぼよぼの白髪の老人の姿、実に憐れむべきものだ。
この老人の白髪頭、まったく憐れむべきものだ。                                                            だがこの老人も昔はあなた方と同じく紅顔の美少年だったのだよ。

これが「劉希夷」が、二十代の頃詠んだ詩と言うから驚きです。(初唐の詩人:28歳で早世)

                ~今日も元気で~