ちょっと、分かりずらいが、手拭の端が、手縫いしてある。聞くと、ばあちゃんが元気だった時に、手縫いしたものだという。そういえば、陽当たりのいい廊下で、メガネをかけて、針の穴に、糸を通しているのを、思い出す。その頃、下着のひざのあたりに、つぎ当てしてあったのを着たおぼえがある。へんに、肌触りが、悪かった。洗濯して干してあったのを見て、つぎ当てをしたといっていた。介護が始まって、タンスを移動したときに、引き出しに、端切れのひとかたまりがあった。今では考えられない、物が無かった時代を、経験したからだろう。今は、物が有り余る時代だか、物を大切にすることを、教えられた。介護が始まって、八年が過ぎた。これから先も、しばらくは、元気にしていられそうだ。