前回に続いて、「いわきの伝説50選」より。喉の乾きに呑む一杯の水。原発の燃料棒を冷やしている大量の水。水にまつわる話。いわき市の勿来町酒井というところにある話。今でいう母子家庭、貧しい暮らしに、そのうえ、体が弱い母親いる。息子は、鍬を担いで、毎日仕事に行っていた。仕事の帰りに、疲れて小道で休んでいた。母親の好きな酒も買えないと、ぼんやり小道のほとりを見ていたそうだ。水がにじみ出ていたので、担いでいた鍬で、掘ったら、水がでてきたそうな。手ですくって呑んだら、お酒だったとか。母親に汲んで帰り、飲ませたら、「お前の孝行な心が、神様がほめて、恵んでくださつたのだろう」と、云ったそうな。親孝行な子の家には、お酒となり、それをうらやむものには、ただの水という、不思議な井戸だったそうな。不思議な井戸の跡地は、地名の酒井にいまもあり、お酒の井戸を掘った鍬は、今も近くのお寺の宝物として、残っているという。こっそり行って、掘ってみてかぁ、万が一ということもある、お酒がでっかなぁって、邪心だっぺぇって、またまた自嘲をしている。