八十路徒然なるままに

早稲田かりほすなど、とりあつめたる事は、秋のみぞ多かる。また、野分の朝こそをかしけれ。徒然草より

世話かけるねぇ

2009年12月07日 21時35分38秒 | Weblog
たまーに「ばあちゃんご飯だよぉ」と、夕食を持っていくと「世話かけるねぇ」とか、「おれはいい、おれはいい」と、手で遠慮する。「これはばあちゃんの分、皆いぃなはあっちで食べるから」と云いきかす。機嫌の良い時は、フオ-クを使って口一杯に、頬ばる。「ゆっくり食べんだよぉ」と、声をかける。食べてる間、ずうっと目を閉じている時がある。「眠たいのげぇ」と聞くと、首を横に振る。「何か考えてぇんのげぇ」と聞くと、「いろいろ」とぽつり。泣きべそは、食事中ずうっとの時もある。口をへの字にして、こらえている様子、ポロリポロリと涙が頬をつたる。「ばあちゃん泣ぐさぁんなぁ、大丈夫だから」と、肩をトントンしてやると、堰を切ったように、泣き出してしまう。自分のふがいなさを悔やんでいるようだ。マヒの残る左手を、右手で動かすリハビリをしている時もある。「おいしいがったげぇ、器、下げっかんねぇ」と云うと、「ごっつぉさん」と。九十五歳、もうすぐ、歳女になる。
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