日本では人口が減っているのに、新築がたくさん建てられています。
これは、住宅ばかりでなく、事業用の貸事務所、貸店舗も似たような感じです。
働く場所や、人が集まる場所は東京一極集中です。
結果として、ビルオーナーの差も顕著にあらわれます。
今や、ほとんどの「大家さん業」は、外から見えるような不労所得などではなく、
レッドオーシャン、血みどろの海です。
かつて、地方の100万人都市で老舗といわれる会社がありました。
少しづつ業績が下がっていましたが、その会社、業績好調なときに、
一等地に大きな自社店舗を保有していました。
そして、その自社店舗を大手流通チェーンへ賃貸し、
賃料収入が収益を下支えしていました。
私の勤務先はその会社に大きな与信がありました。
その会社の業績見通しの会議で、担当役員が警鐘を鳴らしました。
「保証金はどうなっている? テナントが撤退したら、あれだけ大きな店舗、今の
景気だと、なかなか入らないぞ。」
会社に確認したところ、預かり保証金7千万円は資金繰りに使われていました。
入居の際、敷金や保証金を預けます。賃料の滞納等の債権と相殺するためです。
一方、大家さんが倒産・破産した場合、敷金や保証金は一般債権として、返還される
可能性はかなり低くなります。
多額の敷金・保証金を預けている店舗、事務所など事業者さんは、
貸主さんの経営状態次第では、
こうした事態備えておくことが必要かもしれません。