境界問題は、不動産の仕事では注意すべき基本です。
先日もこんな話がありました。
下町に住む焼肉屋のアキラさん（仮名）は近頃の不景気で収入も減り
家での立場も微妙です。
晩酌も減らされ我慢していたところ、
奥さんから浮気疑惑も指摘されて
ますます厳しい立場となってきました。
子供たちの目線も厳しく、なんとかおやじの立場を回復せねば・・・
そして思いつきました。
『隣の雑貨屋のヨシオ（仮名）の家との間にある空き地、
あれはもともとうちの土地なんだ。
あそこに倉庫でも立てて家を広くしよう。
そうすれば、家族も喜ぶってもんだ！
だいたいヨシオの店は、昔ほど羽振りはよくねぇのに、
態度がでけぇんだ。』
倉庫を建てようと、敷地の大きさを図りに行ったところ
ヨシオさんがどなりこんできました。
『人の土地で何しようってんだっ！ここはうちの土地だぞ。
文句があるなら、出るとこでようじゃねぇか！』
ヨシオさんとしても、先週は反対側のお隣さん
トシオさん（仮名）が、ヨシオさんの敷地に勝手に入り込んできてもめたばかり。
トシオさんは、家業のラーメンチェーンを多店舗展開して羽振りがいいですが、
子だくさんで、家が狭くなってきていました。
ヨシオさんとしても優しい顔ばかりでは、家族に何と言われるか・・・
ここは、引き下がるわけにはいきません。
最近では仲がよかったお隣同士ですが、もともと
この土地をめぐっては、対立がありました。
対立がなかなか解決しないため、
ひいおじいさんの代では、お互いにそっとしておこうという
暗黙の話になっていました。
土地に生えている梅の木も両家で自由に採って使おう
ということにしていました・・・
あれ？
どっかの話に似てますね・・・
