子どもの頃読んだ芥川龍之介『蜘蛛の糸』は、
カンダタが、他の罪人も登ってくることを許したら切れずに済んだのか、
それとも、あれだけたくさんの人がいっぺんにつかまったら、やはり切れたのか、
答えは出ませんでした。
(国語の答えでは、カンダタの無慈悲な心をお釈迦様が見放したことになっていますが・・)
100年近く前に芥川が描いた世界が、世界一の文明国アメリカで起こっています。
公的資金という蜘蛛の糸で、まずは経済の血液=金融機関を救おうとする政府と、
何故高額報酬を受け取っている金融機関だけを救うのか、家を失おうとしている
一般庶民が先ではないかという議会。
成立が見込まれていた金融安定化法案は一転否決。
お釈迦様は、この世の光景をどうみているのでしょうか・・・。