冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

紅葉の尾瀬ヶ原と尾瀬沼 1

2017-10-15 20:59:29 | 旅行
10月7日~9日の3連休は、7日土曜のお天気が悪かったけれど8日と9日は晴れたので、どの山域も紅葉を狙った登山者で溢れた模様です。私は南アの早川尾根を考えていたのだけど、色んな思惑で2泊したかったので今回は諦めて1泊で楽しめる尾瀬にしました。しかも、今回は燧ケ岳も至仏山も登らない完全なまったり系ハイクです。まあ、結果的にそれでよかった。公共交通機関利用だったのだけど、それでもこのシーズンの大渋滞に巻き込まれたために時間的な制約が大きく、無理に山に登らずにゆっくりと尾瀬の雰囲気を味わう方が癒しとしては有効だったと思います。で、まずは山行のまとめ的な写真を数枚。























8日は午前6時半にバスタ新宿を出発する、関越交通の尾瀬号を利用しました。この尾瀬号、本当は前夜の夜行便だと早朝に尾瀬に入ることができて便利なのですが、それは既に完売でした。朝の便だと出発が早い割に途中の川越などに停車するので時間効率が悪く、予定通りでも11時過ぎにならないと尾瀬に到着しません。しかも、この日は連休の大渋滞に巻き込まれ、鳩待峠に連絡する戸倉のバス停に着いた時には既に12時半でした。おなじみの連絡バスに乗って鳩待峠へ。この時点で既に午後1時。まったり山歩きとは言え、かなり遅いスタートですね。


時間も時間なので、鳩待峠からは素直に尾瀬ヶ原を目指して最短コースである山ノ鼻への階段を下ります。この時間、既に早朝から尾瀬を楽しまれてこれから帰るために登ってくる方々が多かったですが、私と同じように今から尾瀬ヶ原に向かう人はほとんどいませんでした。そのため、ちゃんと右側通行で木道を歩けば混雑はあまり感じませんでした。
いずれにしても、尾瀬の紅葉、既にこの段階から絶好調です。




至仏山方面が少し見えるところから。見えているのは山頂ではないですが。至仏山は高山植物のイメージが強いですが、やはりこの時期は紅葉・黄葉も見事ですね。






様々な色が目を楽しませてくれます。空の青や緑の残った葉や広葉樹の緑に合わせ、赤、黄色、橙色、レモン色などの色とりどりの紅葉・黄葉。


















来てよかった秋の尾瀬。とても癒される景色です。紅葉は鮮やかで美しいのですが、同時に夏が終わって冬に向けてのちょっと寂しい雰囲気も感じられ、独特の趣がありますね。スタスタ歩けば40分ちょっとで着いてしまう山ノ鼻ですが、この日は紅葉を愛でながら写真を撮ったりしてかなりゆっくりペースで歩いていたので、1時間弱かかりました。


山ノ鼻について焦ったのはテントの数。元々、見晴のテント場に張るつもりだったのでいいのですが、この日の人出と言うかテント場の取り合いが凄まじいことを実感させるものでした。まあ、この時間からではどんなに急いでも到着は4時過ぎで、テントを張る人たちの中では最終組に属するのは避けられません。無駄に急ぐよりも尾瀬ヶ原の草紅葉を堪能してゆっくり歩くことに決めます。


それにしても気持ちのいい日でした。この時期にしては気温がちょっと高めでしたが、晴れていて黄金色の湿原がとても美しい。山ノ鼻から見晴に歩くと、燧ケ岳を進行方向に見ながら歩くことになります。


小さな池塘はこの時期には水が枯れつつありましたが、小川は健在でした。


花の季節ではないですが、オヤマリンドウがちらほら見られました。


振り返ると至仏山。逆光ですが、まだそれでも色づいた山肌を伺うことができます。


両サイドには見事な草紅葉と、その先に色づいた白樺などの林、そして紅葉の山がずっと見えています。パラダイスですね。尾瀬ヶ原。初夏も盛夏も秋も。


池塘においてはヒツジグサが水の上の草紅葉を演じていました。




紅葉の尾瀬、縦の写真の方が決まるような気がする。


逆さ燧ケ岳が池塘に写るポイントに来ました。が、残念ながら風がそこそこあったために綺麗に写らず。まあ。それでも池塘と草紅葉と燧ケ岳のコラボは別次元の美しさだと思いました。


両サイドの景色も捨てがたいですけどね。ホント、写真よりも実際は黄金色の草紅葉で、その向こうに紅葉の林と山があるのがとてもよい癒しの風景でした。




木道を入れた写真は尾瀬っぽい。


牛首の分岐に出ました。この辺りは人が多いのでサッサと抜けようとしたのですが、鴨が一羽逃げもせずに湿原に佇んでいました。怪我でもしたのでしょうか。話しかけても当然応えはないですが、心配しました。


その後、本来のポイントとは異なる池塘で、ちょっとさざ波が立っているものの逆さ燧ケ岳っぽい写真を撮ることにも成功。ちょっと品がない雲がかかってますけどね。秋らしく鰯雲だったらよかったのに。


逆さ名もない山。


池塘とのコラボでは、名もなき山も結構いい感じです。


まあ、それでも尾瀬ヶ原においては燧ケ岳はダントツに格好良すぎますね。


湿原には、何やらちょっと綿毛っぽくなったものをつけた植物が時々見られました。これ、なんだと思います?後で調べたところ、アキノキリンソウは最後にこのような綿帽子になるそうです。息の長い黄色の花で、いつ歩いてもどの山域でも見られる花ですが、この姿にお目にかかったのは初めてでした。




小川には魚影も。


時間的に3時近くになってくると、日の傾きのせいか草紅葉の黄金色が一層強くなったように感じます。


そして、尾瀬ヶ原のド真ん中にある龍宮小屋が見えてきました。この小屋、見晴や山ノ鼻と違って一軒だけポツンと湿原に登場して、とてもメルヘンな感じで好きです。


龍宮小屋を過ぎ、沼尻川を渡ると見晴まで30分ほどの道を残すだけです。ここまで来ると燧ケ岳も大きく見えます。


そして草紅葉が本当に美しい。








見晴の山小屋が見えてきました。


その背景にある山肌の紅葉も見事。


そして、一層日が傾いて草紅葉の色が濃くなっています。




結局、見晴のテント場に着いたのは3時40分くらいだったでしょうか。予想通り大混雑で、平たんな場所はほぼまんべんなくテントに覆われていました。何とか場所を見つけて設営しましたが、私の後に到着された方々はかなり無理して斜めの所やはみ出たところに張っていました。


なお、見晴のテント場そのものの紅葉も見事でした。




そして、ここからのお楽しみは何と言っても夕暮れ時のシーン。夕日に照らされて黄金色に輝く尾瀬ヶ原の草紅葉は、15分ほどの自然の劇場。4時40分頃まで待って、テント場から尾瀬ヶ原に出てみました。夕日は至仏山方面に沈みます。既にかなり北側に沈むので、実際には至仏山より北の位置に向けて太陽が降りて行きました。


私の影が映っていて間抜けですが、見晴、そして燧ケ岳方面。残念ながら燧ケ岳は雲の中。


尾瀬ヶ原は正に黄金色というか、濃い橙色で神秘的です。このシーンと言うか色を見て、ひとりで感動していました。












アキノキリンソウの穂も夕日に照らされて本当に美しい。


そして、4時50分頃には夕日は至仏山の北側に沈んでいきました。


まだ明るさは残っているものの、山の中なので実際の日没よりも先に太陽は山の向こうに沈んでしまいます。暗くなる前に急いでテント場に戻り、いつものようにフリーズドライ中心の簡単な夕食と済ませました。今回は1泊で荷物も少ないので、デザート的に甘い菓子パンを持ってきていました。尾瀬ヶ原の美しさを思い出しながら、自分のテントの中でコーヒーを淹れて菓子パンを食べてから就寝しました。翌日は尾瀬沼方面を散策する予定です。